活躍する修了生
必要な証拠を自分で集め、自分自身で
「本当は何が起きたのか」を考えられる仕事です。
検事
| 2020年4月 | 立命館大学法科大学院入学 |
|---|---|
| 2022年3月 | 立命館大学法科大学院 法学既修コース修了 |
| 2022年 | 司法試験合格 |
立命館の法科大学院には、学生一人ひとりをしっかり見てもらえる環境がありました。どんな質問にも、こちらが納得できるまでていねいに説明していただけたことが印象に残っています。教授の学者としての見解と、司法試験や実務一般での解釈を分けて指導いただけたことも、司法試験合格を目指す者としては非常にありがたかったです。
検察官になったのは、自分の目で直接見たものを真実と考え、動くことができる点が自分に合っていると思ったからです。一つひとつの事件の背景からさまざまなことが読み取れる刑事事件を主に扱えること、司法修習でお会いした検察官のかっこいい仕事ぶりにも魅力を感じました。
京都地検に配属後、最初の半年は刑事部に所属。被疑者や関係者の取り調べをしたり、必要な捜査を警察にお願いしたりして、起訴するかどうかを判断する仕事です。最初は右も左もわかりませんでした。上司や先輩に指導いただいたり、参考資料を何度も読み返して取り扱う事案の中で実践してみたりしながら、だんだん過去の事案と比較して適切な判断ができるようになっていきました。検察官は、被疑者が本当に犯人なのか、証拠は十分なのかについても厳正に見る必要があります。人の一生に影響を与えるので慎重に判断しなければなりませんし、被害者のプライバシーへ配慮すること、不起訴の場合も、被疑者が更生、自立できるようにすることなど、考えるべきことがたくさんあり、想像していた以上に責任の大きな仕事だと感じました。
今は、刑事裁判を担当する公判部に所属。被告人が犯罪事実を認めている裁判であれば一人で法廷に立ち、訴訟活動を行っています。最初は手が震えるほど緊張しましたが、自信がなくても堂々としなければいけないと教えられ、できるだけ堂々と、関係者に不安を与えないような態度を意識しています。また、裁判官をはじめその場で聴く人すべてに分かりやすい説明も心がけています。判決書の中で、説明に工夫をしながら強調したことを、引用してもらえたりすると、とても嬉しく、やりがいを感じます。
職場環境には非常に恵まれています。組織全体で助け合おうという雰囲気があり、困った時は、本当にささいな質問にも手を止め、親身になって一緒に考えてくださる先輩や上司がたくさんいます。かっこいい先輩方に早く近づきたい、追いつきたいと思う気持ちが向上心につながっています。
検察官の仕事の魅力の一つは、必要な証拠を自分で集められることだと思います。自分自身の頭で「本当は何が起きたのか」を考えられる仕事でもあります。送られてくる事件の記録には空白があり、この間に何があったのか、どうしてこうなったのかなど疑問が多く残されているもの。その疑問を自分自身の手で明らかにしていくことができるのです。私自身がそうだったように、ミステリーやサスペンスが好きな人ならやりがいを感じられるのではないでしょうか。検察官に関心のある人は、ぜひ一度、刑事裁判を傍聴してみてください。魅力の一端に触れることができると思います。
興味を持った分野、気になった問題の解決に
直接関わることができるのが弁護士の魅力
弁護士
| 2016年4月 | 立命館大学法科大学院入学 ※飛び級入学 |
|---|---|
| 2018年3月 | 立命館大学法科大学院 法学既修コース修了 |
| 2018年 | 司法試験合格 |
立命館大学法学部に在学中、運送業のアルバイトをしていました。パートさんたちが理不尽な労働を強いられながら何も言えずにいるのを見て、法律を知ることの重要性を感じたのが法曹を目指すようになったきっかけです。立命館の法科大学院は先生方との距離が近く、なんでも気軽に話ができるのが魅力。質問に行ってもいつも歓迎してもらえましたし、学生同士で自主ゼミを作り、先生に指導をお願いしても快く応じていただけました。弁護士の先生に指導いただいて答案のスタイルを身につけた弁護士ゼミも印象に残っています。
弁護士になったのは、やはり労働者保護のために働きたいと思ったからです。現在、企業の顧問弁護士の一員として、契約書に法律上の不備がないかをチェックする仕事に加え、労務問題にも対応しています。企業の側に立って就業規則の見直しや整備をすることも、ガイドラインに照らしてパワハラに該当しそうな言動を注意することによって管理職の意識改革を促すことも、労働者保護への第一歩だと考えています。企業と労働者、双方の視点に立ったうえで、労働者の保護につながる就業環境づくりのサポートに尽力したいと思っています。
離婚や相続などの家事事件も担当しています。企業の顧問案件は経済的合理性を追求するものですが、人の一生を左右するような家事事件では依頼者の感情に寄り添うことも大切。一般民事事件でも依頼者の真意をくみ取ることが必要となるので、今はその点に苦労しているところです。合理的に事を進めようとして依頼者と距離ができてしまったこともありました。たくさん話を聴くことを通して、依頼者が本当に言いたいことを把握できるよう努力しています。依頼者の思いを主張として構成でき「言いたいことが言えた」と喜んでもらえると、とても嬉しくやりがいを感じます。
2ヵ月前に第一子を出産しました。現在の事務所とは業務委託の関係なので、現在は仕事を受けないという形で育児に専念しています。事務所とは必要なタイミングごとに話し合いを行ってきました。妊娠中もつわりの時期には在宅勤務にしてもらいましたし、今後の働き方についても、休業期間、復帰後の仕事量、休業時も手当が受けられる雇用関係への変更など、状況に応じて柔軟に対応してもらえる環境です。弁護士会にも、出産や育児を理由に会費が免除になるなどのサポート制度があります。
弁護士は自由度の高い職業だと思います。時間の使い方も自由ですし、妊娠、出産時の働き方も自分で決められます。それだけでなく、自分が興味を持った分野、気になった問題の解決に直接関わることができるという意味でも自由だと言えるのではないでしょうか。今は幅広い分野の案件に携わることが全体のパワーアップにつながると考えていますが、今後は、弁護士になった原点である労務問題にいっそう積極的に取り組んでいきたいと考えています。
悩んだ末、納得できる結論に至った時の達成感。
毎日やりがいを感じる仕事ができて幸せです
裁判官
| 2017年4月 | 立命館大学法科大学院入学 |
|---|---|
| 2019年3月 | 立命館大学法科大学院 法学既修コース修了 |
| 2019年 | 司法試験合格 |
高校生の時に冤罪事件で逆転無罪を獲得した弁護士の講演を聴き、人の人生に影響を与えられる仕事だと思ったことが、法学部に進学するきっかけでした。その後、法科大学院で出会った派遣裁判官の方の理路整然さや聡明さに感動し、司法修習の裁判修習でも裁判官の仕事に魅力を感じて、自分も裁判官になろうと思うようになりました。
立命館の法科大学院は、法学部や法務研究科との兼任ではない専任の先生ばかりで、学生とも身近にじっくり接してくださったため、気軽になんでも質問することができました。大学院の先生方と実務家の先生方がタッグを組んで教えて下さった授業も印象に残っています。1つの問題について、研究者と実務家それぞれの立場からの意見を聞くことができたからです。勉強漬けの日々の中、休憩時間に友人と談笑したカフェテリアも思い出深い場所です。
ワシントンセミナーにも参加しました。連邦最高裁判所へ見学に行くと、神殿のような建物の上部に「EQUAL JUSTICE UNDER LAW(法の下の平等な正義)」の文字が彫られていて、とても感動したことを覚えています。留学生との交流もありました。法科大学院でのさまざまな経験を通して、広い視野で考えることの面白さと大切さを知ることができたと思います。
現在の主な仕事は、裁判官3人で担当する合議事件の主任裁判官として、事件の進行を考えたり、判決を起案したりすることです。民事事件では、多くの場合、まずは和解による解決を目指すことになります。裁判官の立場で事件に向き合い、適切な結論を示して双方を説得し、それが功を奏すと和解となるという流れです。社会経験も乏しい中で、当事者に納得してもらえるよう説得するのは難しく、とりわけ敗訴する側の当事者に納得してもらえるよう説明するのは、仕事の最も難しい部分だと感じています。ただ、和解が成立して争いに区切りをつけることに少しでも役立てたと思えた時、「裁判官に理解してもらえることがわかった」と言われた時などはとても嬉しいです。
裁判官の仕事は、人の人生に大きな影響を与えるものなので、職責の重さと同時に大きなやりがいもあります。日々考え、悩むことも多いのですが、納得できる結論に至ると達成感があり、さまざまな事件を通して社会を知ることができるのも魅力です。毎日やりがいを感じられる仕事ができて本当に幸せです。
6年目からは1人で事件を担当することができるようになるので、職責も、やりがいも一層大きくなると思います。公正、公平で、社会的妥当性もある判断を行うのはもちろん、当事者と密に意見交換することによって、当事者にとってもより良い紛争の解決ができる裁判官になりたいと考えています。また、世界の人権感覚を学びたいので、現在、海外のロースクールへの留学制度にも応募しているところです。ワシントンセミナーで英米法にふれたので、次は人権に対してシビアな感覚を持つフランスで大陸法を学びたいと考えています。
32歳で入学。社会人としてのキャリアは、
弁護士としての大きな武器になります
弁護士
| 2018年4月 | 立命館大学法科大学院入学 |
|---|---|
| 2021年3月 | 立命館大学法科大学院 法学未修者コース修了 |
| 2022年 | 司法試験最終合格 |
私が法科大学院に入学したのは32歳の時でした。母子家庭で育ち、経済的に自立した女性になりたくて法曹を目指そうとしたのですが、経済的理由で法科大学院への進学を断念。営業職、パラリーガル、大手監査法人の会計士補助業務などを経験した後、「死ぬ時に後悔したくない」と、脱サラして司法試験を目指すことを決めたのです。
未修コース1年目は、知識の海に溺れそうになりながら、先生方に厳しく、優しく指導していただきました。オフィスアワーを利用しての質問や相談、答案を気軽に添削いただけることも本当に心強かったです。司法試験直前に読み返したのもこの時期のレジュメでした。
合格できるかどうか不安もありましたし、長時間の勉強には年齢なりのしんどさもありましたが、ずっと望んでいたことなので、勉強できる幸せを毎日感じる楽しい3年間でした。2回目の受験で合格できたのは、素晴らしい学習環境と教授のていねいなご指導のおかげです。
司法修習後、すぐに弁護士事務所を立ち上げました。ワシントンセミナーに参加した時に出会った弁護士の方が、個人事務所でやりたいことにいきいきと取り組まれる姿に、自分自身で自由と責任を負えることの価値を感じたからです。私には、ひとり親の支援、弁護士への相談に高いハードルを感じている方の支援など、お金にはなりにくいが精神的な満足が得られる仕事がしたいという強い思いがあったので、決断しました。今、事務所を立ち上げて3カ月目ですが、すでに幅広いご依頼をいただいています。「男性弁護士だったらここまで話せなかった」「これで前に進める、ありがとう」と言われた時に大きなやりがいを感じます。
社会人としてのマナーが身についていること、実体験を通して社会の仕組みを理解していることなど、社会人としてのキャリアは弁護士にとって大きな武器。人間の心に深くふれる仕事だからこそ、これまでの経験が活きると日々感じています。依頼者の中には、感情的になったり、混乱して説明がうまくできない方もおられますが、どんな場合でも、落ち着いて、整理しながら話を聴けるのは、これまでの社会人経験のおかげです。
今後は、企業法務に力を入れたいと考えています。紛争が起こってから弁護士に依頼するのではなく、法的トラブルを事前に予防することが、とりわけ企業活動にとっては重要だからです。また、地元の社会福祉協議会とコラボして、シングルマザーを支えるボランティアでの居場所づくりや無料法律相談の取り組みも始めています。ずっとやりたいと思っていたことが実現できる幸せを感じています。
私は法科大学院に進学して良かったと心から言えます。今、法科大学院進学を悩んでいる社会人の方には「今が一番若くて体力もありますよ」と伝えたいです。立命館には、手厚いサポートが受けられる最高の環境があります。ぜひ新しい一歩を踏み出してください。