法科大学院

FD活動

2021年度 第2回

  • 日時 2021年11月30日(火)15:45~16:55
  • 場所 202教室
  • 出席者 16名
テーマ 採点済答案の活用
報告者 ①趣旨説明  北村 和生 教授・FD委員長
②松本 克美 教授 (民事法実務総合演習)
③松宮 孝明 教授 (刑法A)
④山口 直也 教授 (刑事訴訟法I)

 本年度の第2回FDフォーラムでは、「採点済答案の活用」をテーマとして取り上げた。2021年度から定期試験(最終到達度確認試験)の採点済答案の返却が制度化されたことを受け、前回のFDフォーラムでは「採点済答案の返却」をテーマに、以前から採点済答案を返却している教員から添削内容や添削方法について情報共有があった。今回のFDフォーラムでは、今年度から採点済答案を返却することになった科目を中心に、添削方法や採点済答案に対する学生からの反応について報告いただき、教員間で意見交換と情報共有を図ることとした。

 まず、松本克美教授から民事法実務総合演習の損害賠償分野の添削方法・添削内容について報告があった。民事法実務総合演習の最終到達度確認試験では、商法および民法3分野 (契約・担保・損害賠償)から2分野選択する。各分野20点ずつの配点であり、60点満点の試験である。民法3分野は研究家教員と実務家教員がペアで授業を行っており、試験答案の採点も2人で行っている。損害賠償分野では事前に作成した採点基準に則り、各担当者が採点したのち、対面で点数調整を行っている。点数・コメントの記入はクラス毎に分担している。今後の課題として、最終試験の採点済答案が返却されるのは成績発表後で、すでに 成績が確定しており、添削内容を今後の学習に活かすかどうかは学生次第のため、単に添削するだけでなく、復習すべき範囲に言及するなど、学習ガイド的コメントが望ましいのではないかとコメントがあった。

 次に、松宮孝明教授から刑法Aの添削内容について報告があった。刑法Aは最終到達度確認試験が70%、中間レポートが20%、平常点が10%で評価する。最終到達度確認試験は、短答問題および短い論述問題を組み合わせた試験である。添削は大問毎の点数と、簡単なコメントを記入している。刑法Aは2021年度以前より採点済答案の返却を行っているため、以前と比べて変化があったわけではないが、採点ミスを防ぎ、また学生側も、自身の成績(点数)の妥当性について確認しやすいという点でも、採点済答案の返却には効果があるのではないかと報告があった。

 最後に、山口直也教授から刑事訴訟法Iの添削内容について報告があった。刑事訴訟法Iは、最終到達度確認試験が70%、中間レポートが20%、平常点が10%で評価する。最終到達度確認試験は判例の基本的理解を確認する問題(10点)、判例規範についての論述問題(20点)、事例問題(70点)から構成されている。事例問題については各設問に採点項目(10点ずつ)を設けている。答案にはコメントは記入せず小問ごとの点数および合計点を記入している。問い合わせや疑義照会があれば個別説明をするが、春学期については問い合わせおよび疑義照会はともに0件であった。刑事訴訟法Iは複数担当者の科目であり、今後担当者によって点数の差異が生じた場合、学生への説明責任をどのように果たしていくのか問題提起があった。

 各報告について質疑応答があり、とくに複数担当者科目における成績評価の公平性について活発な意見交換がなされた。今回のFDフォーラムでの意見交換をふまえ、今後の採点方法や添削内容について活用していく旨が確認された。

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