立命館大学図書館

  1. TOP>
  2. 展示>
  3. 2013年度 7月月例展示『祇園祭』展

2013年度 7月月例展示『祇園祭』展

2013年7月5日 衣笠
展示場所:立命館大学衣笠図書館(1F 展示コーナー)

展示期間:2013年7月19日まで ※展示期間は変更する場合があります。

祇園祭の世界へ

 今年も『祇園祭』の季節となりました。そこで、図書館ホールでは現在、「祇園祭展」を開催しています。ご利用の際に足をとめていただき、「コンチキチン」の祇園囃子(ぎおんばやし)の音色と夏の到来を少しでも感じていただければと思っています。
 『祇園祭』は869(貞観11)年、疫病退散祈願に始まった京都市東山区祇園町にある八坂神社の祭礼です。かつては祇園会(ぎおんえ)、あるいは祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)とも言いました。東京の神田祭、大阪の天神祭とともに三大祭にかぞえられます。
 7月12日ごろから「コンチキチン」の囃子が街に響き始め、メインイベントの山鉾巡行にむけて盛り上がりを見せます。15日の宵々山・16日の宵山当日は艶やかな浴衣姿にうちわを持った人たちが、うだる暑さもなんのその、歩行者天国となった四条通や烏丸通に繰り出して、お祭り気分を醸し出します。美しい装飾を纏った鉾や山には、日暮れとともに提灯に灯がともり、賑やかな祗園囃子が奏でられます。
 是非祇園祭の知識を存分に得て、古都京都の歴史が詰まった祇園祭に繰り出し、その風情を存分に感じていただければと思います。

祇園祭とは何か?

 祇園祭は東京の神田祭、大阪の天神祭とともに日本の三大祭の一つに挙げられるなど、日本を代表する祭事です。その起源は869(貞観11)年の平安時代の悲しい歴史に遡ります。現在では所謂「お祭り」として、皆の幸せな顔が並びますが、当時京都では疫病が流行し、多くの命が失われました。そこで、広大な庭園だった神泉苑に、当時の国の数にちなんで66本の鉾を立て、祇園の神を迎えて災厄が取り除かれるよう祈ったことに始まったのです。応仁の乱によって、一時中断しましたが、1500(明応9)年に町衆の手で再興され、今日の祇園祭に至ります。

祇園祭は国際交流の賜物!?

 意外かもしれませんが、祇園祭は海外の文化をうまく取り入れてきました。各山鉾は、中国やペルシャ、ベルギーなどからもたらされたタペストリー(壁掛けなどに使われる室内装飾用の織物)を纏っています。まさに和洋折衷の賜物といえる山鉾を是非近くで見てみてはいかがでしょうか。

祇園祭りの日程


 7月1日の「吉符入り」で幕を開け、2日には山鉾巡行の順番を決める「くじ取り式」が京都市役所でスタートします。くじ取り式とは、先頭の長刀鉾に続く「山一番」を決めるために行われます。そして、10日ごろから鉾建てが始まり、12日ごろには鉾の「曳初め」があり、15日の宵々山、16日の宵山を経て、17日は祇園囃子にのって山鉾が巡行します。夕方には、八坂神社の祭神を乗せた3基のみこしが四条寺町の御旅所に向かう神幸祭があり、24日にはみこしが御旅所から神社に戻る還幸祭が行われます。

最大の見所




 16日の宵山までは、各山鉾町ではちょうちんの明かりに照らされた優美な山や鉾が楽しめます。各山鉾では、病気除けとされるちまきや、学問成就や立身出世などのお守りを手に入れることもできます。17日の山鉾巡行では、33基の山鉾が四条烏丸付近を出発し、四条通を東へ向かった後、河原町通を北上し、御池通を西に進みます。四条麩屋町では、長刀鉾稚児による「しめなわ切り」や、鉾が各交差点を曲がる際の「辻回し」は圧巻です。




「祇園祭山鉾絵図」を展示中。