科目紹介:A群 第1分野

思想と人間

哲学や倫理学は、古代ギリシャの時代からそれぞれの時代ごとに論議の主要課題を変えつつ考察され、深められてきた。この分野では、社会思想史の成果を踏まえながら、人間存在がどのように考えられてきたかということについて哲学および倫理学的に考察する。さらにこの分野ではたんに哲学史などの学問の歴史を学ぶだけではなく、21世紀を生きる者に求められる哲学と倫理についての考察を促し、それらの課題や問題に関し主体的に思考する。この分野では宗教、人権、ジェンダーなど現代社会が抱える問題についても、世界的な視野から多面的に考察したい。また、現代日本の社会状況とも関連して、心の問題について考察する。

哲学と人間

科目概要

哲学の初学者を対象にした入門講座。哲学は2600年以上にわたって展開されてきた人類の知的営為であるが、その中で人類が、存在について、世界について、人間について、社会について、どのように考えてきたか、平明に講義される。

到達目標

  1. 哲学的考え方が科学や宗教などとどう違うかを理解する。
  2. 哲学がどういう問題をどういう方法でどのように考えてきたのか、その歴史の大きな流れを理解する。
  3. 人間や世界についての哲学の書物を、自分でも調べ、自分のものの見方や考え方を身につけるよう努力する。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

人間性と倫理

科目概要

人間とはいかなる存在か、われわれはいかに行為すべきか、われわれを導く規範はいかなるものであるべきか、その根拠は何か、等々の問題について、一方で古今の倫理思想を手がかりに、他方で現代社会の諸問題を手がかりに検討する。

到達目標

  1. 古今の主要な倫理思想について説明できる。
  2. 現代を生きる人間のあり方、社会のあり方について、倫理学的な視点から問題点を指摘できる。
  3. さまざまな倫理思想を手がかりに、上記の問題点に対する解決策や望ましい対処法を提案することができる。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

心理学入門

科目概要

心の働きを実感することはできても、心とは何かをとらえるのは難しい。これまで多くの学問領域がこの難問に挑んできた。心理学は、近接領域の影響を受けながらも、心の機能を科学的にとらえるために、多様ながら独自のアプローチと研究手法を発展させてきた。本講義では、このような心理学の概要を学び、心の重層的な機能について総合的に理解することを目指す。

到達目標

  1. 心理学的な心のとらえ方や考え方(の1つ)について説明できる。
  2. 心理学の研究アプローチ(の1つ)について説明できる。
  3. 心理学の中の複数の理論を理解し、心理学的な考え方ができるようになる。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

論理と思考

科目概要

論理とは、ことばや記号を媒介とする思考の根底にある構造である。この構造に支えられて、推理や論証という活動が可能になる。ことばや記号による表現の検討をつうじ、論理のしくみを客観的に考えることによって、推理や論証の実践的技能の基礎作りを試みる。

到達目標

  1. 命題の真偽、論証の妥当性、必然性と可能性、論理的真理と矛盾など、論理的な概念を理解し活用することができる。
  2. 命題や論証の論理的性質を検討し、また論理的な推論を行なうために、図、表、記号などを場合に応じて柔軟に用いることができる。
  3. 具体的状況において推理、判断能力を試す問題に対処することができる。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

社会思想史

科目概要

人間社会のそれぞれの時代において、制度や秩序を生み出し、そのシステムを支えてきた思想、政治や政策の正当性を生み出してきた社会条件は何であったのか、その中で、どのようにして正義や公共性という概念が結実してきたかを検討する。

到達目標

西洋や東洋の思想家たちが考えたことがらについて、現代に生きるわれわれの視座から理解を深めることができるようになる。また、各思想家と彼らが置かれた社会状況がいかに相互作用しながらそれぞれの思想をつくりあげていったかを理解できるようになる。

  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

科学技術と倫理

科目概要

現代社会の科学技術の発達と利用にともなって生じてきた倫理的問題、すなわち生命倫理、環境倫理、情報倫理、工学倫理等々の問題について検討し、科学技術はいかにあるべきか、われわれは科学技術とどのようにかかわるべきかについて考える。

到達目標

  1. 生命倫理、環境倫理、情報倫理、工学倫理と呼ばれる諸領域で、どのようなことが問題となっているのか説明できる。
  2. それらの問題に対して有効な解決策を提示するための候補となるいくつかの倫理理論(義務論的倫理学、功利主義倫理学、徳倫理学など)について理解し、説明できる。
  3. それらの倫理理論を適用し、上記の問題点に対する解決策や望ましい対処法を提案することができる。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

宗教と社会

科目概要

本講義では「宗教」を抽象的信念体系として扱うのではなく、むしろ社会システムとの関係において検討し、その歴史的形成と現代社会における文化的意味を考察する。このため、方法論としては社会学・文化人類学の今日的成果を活用すると共に、いくつかの具体的な地域や社会を限定した上で考察を深めることとする。

到達目標

  1. 国民国家の形成における宗教の役割を理解する。
  2. 世界宗教と地域的宗教が共存する社会の事例を通じて、文化の多様性とその重要性を理解する。
  3. グローバル化の影響下にある都市化・消費社会化と宗教との関係を理解する。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

メンタルヘルス

科目概要

この授業ではメンタルヘルスについて、さまざまな側面からとりあげる。ストレスなどについての基本的知識を身につけることだけではなく受講者自身の自己理解(心理的特性の理解、自分が抱えている問題に対しての心理的構えの理解など)も重要なテーマとなる。また、ストレスへの対処法を実習的に学ぶ。

到達目標

  1. メンタルヘルスに関する基本的な知識を理解する。
  2. 自分自身のメンタルヘルスケア能力を向上させる。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

(留)日本の文化・地理・歴史

科目概要

人文科学的視点から日本についての理解を深める科目。日本の文物や思想を通して多角的視点から日本文化に関する知識を身につける内容、または、世界における日本という視点から日本の地理を学ぶ内容、または、日本の歴史を世界の動向を踏まえながら一国史的観点を超えて学ぶ内容の何れかを含む。

到達目標

  1. 日本の文化や地理・歴史に関する基本的知識を身につけることで、日本に対する理解を深めるための教養的基盤を拡げることができる。具体的内容により、以下の何れかの到達目標を達成する。
  2. 日本文化を複眼的視座の1つとして自国文化を再考できるようになる。
  3. 日本の地理を地理学的な見方や考え方に基づいて理解できるようになる。
  4. 日本の歴史を世界史との連関の中で捉えられるようになる。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

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