科目紹介:A群 第4分野

社会・経済と統治

この分野は、経済社会の維持とその発展を促してきた諸学問分野を中心とし、それに関連する科目を幅広く包含する分野である。現代社会は、政治と経済の関係だけでなく、社会システム全体が変化している。世界のボーダレス化はいっそう進展しており、今や世界のどの国や地域も政治経済上の再編の枠外に留まることはできない事態となっている。国際化の進展とともに法制度の再編が国際的レベルで進行しており、第2次世界大戦後の日本経済の成長を実現してきたシステムの全体が従来とは質的に異なったものになろうとしている。そのため、これまでの日本社会の在り様を法律、政治、経済、経営等の多面的な側面から検討する必要性が生じている。また、国際社会における地域主義の台頭などによって、国家統治の基礎となってきた法律や諸制度も変化しており、各国レベルで見ても急速な都市化と都市環境の悪化など様々な社会問題が深刻化している。そうした社会構造の解明と考察を図る。

国の行政組織

科目概要

人事院のコーディネートにより、中央省庁から実務に携わる中堅幹部行政官をゲストに招き、今日の行政課題やそれに対応するための政策、各府省庁が果たしている役割について講義いただく。継続して受講することにより、中央省庁のしくみや仕事、自治体や国際社会との関係を総合的に理解し、将来、そうした諸問題や公共政策に直接間接に携わり得ることを展望しつつ、大学で何をどのような問題意識から学ぶことが重要であるかを学生自身が考えるための見識を涵養する。

到達目標

  1. 国の行政組織について、各府省庁の役割や位置づけのちがいを説明できる。
  2. 各府省庁の今日における政策課題と今後の展望について説明できる。
  3. 国の行政のしくみを理解し、各府省庁に共通する重点的な行政課題について説明できる。
  4. 将来のキャリア形成に向けて、国の行政のしくみや市民社会のあり方を、今日の国内外の社会課題および平和と民主主義に照らして考察する態度を持つことができる。
  • 1・2回生配当
  • 2単位
  • 導入科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

現代社会と法

科目概要

現代社会において、日々さまざまな法的問題が発生しています。また、国際情勢の劇的な展開の中、国家間のみならず、国際的な個人の権利・義務の問題も質量ともに増えています。この科目ではこうした現代の市民社会の中で身近に接するさまざまな法的問題を理解し、自分の頭でこれらの問題を考えることができるようになることをめざします。

到達目標

  1. この講義を通じて、現代の市民社会の中で身近に接するさまざまな法的問題の背景・性格を正しく理解し、説明できるようになる。
  2. 現代の市民社会の中で身近に接するさまざまな法的問題に関し自らの考えをまとめ、提示できるようになる。
  3. 法学の基礎的な考え方を、必須の専門概念・用語を用いて理解したうえ、国際的な場面も含めて、他者と議論することができるようになる。
  4. 判例、条文の読み方ならびに法律情報の収集手段を修得すること等を通じて、現代の市民社会の中で身近に接するさまざまな法的問題に関心・興味を持ち、自ら調べ考える力がみにつくようになる。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

経済と社会

科目概要

現代社会をその基礎的な部分で動かしているのは経済活動である。この講義では、まず経済活動を分析するために必要な経済学の基礎理論を学びます。その上で、経済社会を歴史的に発展変化するシステムとして捉えていく見方、考え方を素養として身につけます。その上で、現代経済において起こっている国内経済問題や国際経済問題を具体的に整理し、学んでいきます。

到達目標

  1. 現代の経済社会が抱える諸問題について具体的に理解し、解説することができる。例えば、グローバリゼーションの中で発生している国際経済問題など。
  2. 現代経済の仕組みを捉える基礎理論を習得している。例えば、商品と価格の関係。貨幣の機能、資本の運動など。
  3. 経済社会が歴史的に発展し、変化する社会システムであることを理解し、その視点から現代経済社会を捉える素養を身につけている。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

企業と社会

科目概要

資本主義社会において、企業は自由な経済活動を介して利潤を得ようとする。その行為自体は非難されるべきことではない。むしろ、それによって、経済活動の質が高められ、今まで以上の付加価値が生み出され、社会生活の豊かさが享受されることにつながる。しかしながら、自由のみを前面に押し出して企業活動を展開していくことで、社会的な公正、正義が損なわれることも少なくはない。昨今、多国籍化しない企業はないといえるほど、企業活動はグローバル化している。と同時に、企業の側にも、経済活動がもたらす負の側面を是正しようとする動きがある。加えて、これらの動きに呼応するかのように、社会的にも「企業の倫理観」や「企業の社会的責任」という用語に関心が集まりつつある。
以上のことより、本講義では、企業という閉じた領域の中での経済活動が、その領域を超えてわれわれの社会に及ぼす影響を、『企業と社会』という枠組みの中で、正の側面のみならず負の側面をも交えて、俯瞰的に、かつ、歴史的に考察していくこととする。

到達目標

  1. 企業の行う経済活動が社会に及ぼす影響を説明することができる。
  2. 企業の行う経済活動を歴史的・グローバルな視点から考察することができる。
  3. 企業の行う経済活動を倫理観や社会的責任の観点から考察することができる。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

現代日本の政治

科目概要

現代の日本政治は、先進国に共通する構造と問題をもちつつ、日本的な特徴も見出される。この科目は、日本の政治について、基礎的な知識と検討のための視点を養う。取り上げるテーマは、日本政治の全体の構造、および選挙、政党、行政官僚制、利益集団、地方自治、市民参加などの制度と活動の実際である。内容と関連づけて、政治学の諸理論、政治文化、国際比較、日本の近現代の政治史などを扱うことがある。

到達目標

  1. 日本政治の全体の構造、選挙、行政、および講義で扱われたその他のテーマについて理解し、説明できるようになる。
  2. ニュースなど、日本政治の現実の問題に興味関心を持つ。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

現代の国際関係と日本

科目概要

だれもが平和を願い生活の安定を望んでいるにもかかわらず、世界では紛争や戦争が絶えない。また、グローバリゼーションの深化にともない、飢餓、貧困、環境破壊などの諸問題は、国民国家の枠組みを超えて一層の深刻化を見せている。本講義では、まず、現代の国際関係の構造と動態を分析する。そして、これを通して、現代の国際関係が抱える諸問題の解決に主体的に関わっていくための、想像力・発想力・構想力を養う。

到達目標

  1. 現代の国際関係(日本を含む)の主なる特徴について説明することができる。
  2. 現代の国際関係および日本が直面している諸問題を把握することができる。
  3. 国際関係学の諸理論についての基礎知識を持つ。
  4. 21世紀の国際関係に主体的に関わっていくための想像力・発想力・構想力を持つ。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

日本経済概説

科目概要

第2次世界大戦後の日本経済を主たる対象とし、歴史的発展プロセスを整理しつつ、日本経済の変化を画した重要な問題に対する解説を与えること、現在の日本経済が抱える主要な課題に対する見通しを与えることを目指して講義する。こうした内容に関しては開講学部に関わらず共通であるが、講義に対する導入としての経済学の入門部分の説明、具体的に取り上げる経済問題に関しては、開講学部に応じて取捨選択する。

到達目標

  1. 現実の日本経済の活動を理解する上で必要となる基本的な用語を身につける。
  2. 第二次世界大戦後の日本経済における主要な変化を説明することができる。
  3. 経済活動は複数の要因が相互に影響し合っていることを把握する。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

現代の世界経済

科目概要

国際分業の理論として、リカードの比較生産費説は、絶対的に生産性水準の低い国でも比較優位部門が存在し輸出可能であると解いた。この、基本的理論ベースの上に、IMF-GATT体制およびその崩壊後のWTOによる戦後の自由貿易推進過程が存在する。しかしながら、この過程は同時に不均衡拡大過程でもあった。それは、貿易摩擦問題、オイル・ショックと債務危機問題、多国籍企業の直接投資と新興工業国の台頭、アメリカの双子の赤字問題と基軸通貨問題、通貨危機の発生、そして国際環境問題などの形態をとって現れている。このように、現在の世界経済を概観するとともに、経済統計や制度・政策等を参照・比較しつつ世界経済の現状を理解する基本的な視点を学ぶ。

到達目標

  1. いわゆる「国際経済学」の入門レベルの理論と現代の世界経済の成り立ちの骨格である諸制度の習得。
  2. IMF-GATT体制崩壊後の為替レート並びに国際収支不均衡の原因と対策についての習得。
  3. 特に最近の資源価格の高騰およびアメリカのサブプライム問題に端を発する金融危機のメカニズムと原因把握。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

現代の経営

科目概要

本講義は、企業における「現代の経営の仕組み」とそれをとりまく「社会・経済」についての基礎的な知識を獲得すること、それを通じて今日、「現代の経営」に社会的・経済的に何が求められているのか学ぶことを主たる目的とする。このため、講義では基礎的な知識の理解に加え、企業のマネジメントのあるべき姿を考察することが求められる。この講義では、知識をつみあげるだけではなく、実際の「現代の経営」について具体的なイメージをもてるように企業の実践事例を取り入れつつ、経営学の理論学習にはいるように工夫されている。

到達目標

  1. 現代の経営に係る経営学の基礎的な知識を獲得する。
  2. 現代の経営におけるマネジメントのあり方、企業が社会から何を求められているかを説明することができる。
  3. 現代の経営に関わる経済・社会の仕組みやその社会的課題について説明することができる。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

社会と福祉

科目概要

社会福祉の歴史的展開をたどるとともに、人間らしく生活することへの基本的理解を深め、現代における社会福祉の意義や問題について考察するが、その際には国際比較の視点から福祉制度における先進的な取り組みについても認識し、今後の福祉社会を展望できるようにする。

到達目標

  1. 社会福祉を必要とする私たちの生活問題への関心と認識を深める。
  2. 現代社会における社会福祉の歴史的意義を理解し、説明できる。
  3. 現代社会の基本的な社会福祉制度や社会福祉サービスについて説明できる。
  4. 国内外の社会福祉の新しい動きについて説明できる。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

ソーシャルデザイン論

科目概要

日本の地域社会は多くの課題を抱えている。そこでの解決策(ロールモデル)を提示することは、これからの日本の目指すべき道を示す事にも繋がる。これまで様々な主体によって数多くの対策が講じられてきた。彼らはどのように課題を乗り越えてきたのか、そこには多くの視座・視点がかくされている。
そこで、本授業はインプットとアウトプットの2つの特徴を持つ。まずインプットとして、困難かつ複雑な地域社会の課題に対する解決策の事例を理解する。次にアウトプットとして、これまで学習してきた内容を踏まえてワークショップ(グループワーク)を実施する。最終的には、地域社会の課題解決に関するソーシャルデザイナーのコンピテンシーを理解する。

到達目標

  1. 論理的・批判的思考に関する基本的なスキルとマインドを体得できる。
  2. 学際的な観点より実践的なソーシャルデザインの事例(戦術面)を理解する事ができる。
  3. 地域課題解決について深く高度な専門的知見を持ち、様々な分野を横断的に捉える俯瞰力を理解する。
  4. ソーシャルデザイナーとしての責任感を持つ。
  5. 授業終了後には、自分にでもできるネクストアクションを起こしたくなる。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

(留)日本の社会・政治

科目概要

日本に対する理解を深めるために、日本の社会と政治の現状について、①日本社会ならびに日本人・日本文化等の歴史的形成や背景・特質、②日本の政治制度、日本人の政治意識や政治行動を含めて広い視野で多目的に学ぶ。このことを通して、日本の社会と政治についての基本的事項を理解し、その上で、現代の日本社会と政治が抱える諸問題等を国際比較ならびにグローバルな視点から考察する。

到達目標

日本国家の社会・政治・文化の特質や日本人の民族性を、日本という国あるいは国家の歴史と制度の考察を通して理解し、日本の社会と政治に関する基本的知識を身につけ・説明できることを目標とする。あわせて、母国の社会と政治の特質を日本との比較によって、位相を明らかにすることも目標とする。

  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

(留)日本の経済・経営

科目概要

日本の現状について経済学的視点から学ぶ科目。日本経済史を踏まえつつ、現在の日本経済が直面する諸問題について考察する内容、または、日本の企業経営の歴史的展開と日本的経営の特徴を踏まえつつ、現在の企業経営について考察する内容の何れかを含む。

到達目標

  1. 日本の経済に関する基本的知識を身につけることで、日本に対する理解を深めるための教養的基盤を拡げることができる。具体的内容により、以下の何れかの到達目標を達成する。
  2. 日本経済についての基礎的知識を有し、その説明が可能であるのみならず、現代日本経済が抱える課題について自分なりの捉え方や考え方を表明できる。
  3. 日本の企業経営の特徴について基礎的知見を有し、その変遷や課題について理解できる。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

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