卒業生の声

千葉大学大学院 遠藤 茜
2016年3月 立命館大学文学部人文学科中国文学専攻卒業

 私は大学入学試験時、「取り敢えず国語科の教員免許を取得したいから文学部に」と考えて、それほど興味のない東洋研究学域を受験しました。むしろ、国語科といえば日本文学というイメージを強くもっていたため、入学後に日本文学を学ぶことの出来る学域に転籍をしてしまおうとまで考えていました。
そんな感じで、1回生の後期までは、中国文学への関心はほとんどなく、知識も高校の漢文程度。ただ転籍のために単位を揃え、教職課程を履修する日々でした。しかし、1回生終了時、結局、私は転籍を選択することなく、中国文学専攻に進級することに決めましたし、今では、皆さんにも中国文学専攻は「面白い」と胸を張って自慢できます。
その理由として大きく三つあります。

①研究入門で興味の幅が広がったこと
 一回生の時の研究入門の授業は、ろくに知識のない私には自分の知らない事項に触れるには恰好の機会でした。特に、年に数回行う発表準備の際に、高校の教科書で読んだことのある、魯迅の「藤野先生」について詳しく調べることがあり、これが中国文学専攻を選択するきっかけとなりました。
 日本と中国の学生への待遇の違いや医学生として仙台に留学した魯迅の成績や時間割、幻燈事件や日露戦争が医学から文学への転身の背景にあることなど、教科書で読んできた話をもっと掘り下げた歴史的背景や作品の裏に潜む魯迅の思いを知ることができ、日本人とは境遇が異なる中国人の思想や行動をもっと知りたいという思いが強まりました。
 中国文学に高校までで日常的に接することというのはあまりないでしょうが、私のように高校漢文程度の知識しかない人でも、萎縮する必要はありません。先に挙げた一回生時の研究入門や概論の授業で様々な事項に興味を持つことが出来ますので、様々な本や文化に手を出してみてください。また、本学は他専攻の専門講義も受講できますので、日本と中国との比較なんてテーマにも挑戦できます。

②人数が少ないこと
 これに関しては実際の具体的な数はわかりませんが、進路選択時に全国の大学の文学部で中国文学を学ぶ学生が少ない感覚があったことが理由になります。本学を例にすれば、中国文学専攻は私の代では15人程度でしたし、圧倒的少数派なわけで、他大学でも似たような大学は多いはずです。また、本学の東洋研究学域自体の受け入れ人数は現在100人程度であり、文学部の中では最も少ない状態です。これを踏まえると、今後しばらくは中国文学専攻に所属する人が増えたとしても、他の学域に所属する専攻と比べると少数であることには変わりがないでしょう。言い換えれば、学部生なのに少数クラスで密な交流や学習ができるというわけで、ちょっとお得ではないでしょうか?
 また、私の場合、教員になったあとも国語教育学の研究には携わりたいという思いがありました。そこで、他の国語教育の中の領域と比べて、研究者が少数となる漢文教育に関わっていくことで、学部卒業後も中国文学と今後も付き合っていく立場となることができるのも魅力的で面白いのではないかと考えました。

③違う国の文化は面白い
 例えば纏足。これは、古い中国での風習で、3-4歳くらいの女の子の足を帯で固定し、足の成長を止める施術がなされており、これを纏足といいます。中学校3年生の国語教材の魯迅「故郷」にもヤンおばさんが纏足をしているという記述があるので、単語を知っている人も多いでしょう。
 私はこの纏足について、男女の役割の差別化をはっきりとさせる中国だからこそ、女性を家に閉じ込めるために纏足を施すのだと、ずっと思い込んでいました。しかし、孔子学院主催の纏足に関する講演会に出てみると、それだけが理由ではないことがわかりました。当時の中国の美人の条件としては10センチほどの小柄な足が美人とされたんですよね。ですので、小足というのが女性の魅力に繋がるわけです。現代の私たちが女性を選り好みするときに、顔やスタイルを判断基準にする場合も多いと思いますが、纏足が実施されていた時期の中国の人は極端に小さな足というのも魅力の一つだったんですね。だから、良い足の条件についてあれこれ論じている資料なんかもあって、日本とは違った面白さがあります。
 纏足以外にも中国独特の文化や思想はたくさんあります。中国文学専攻ではこれらについても取り扱うことができますので、自由度が高く、各々の関心に沿った研究ができるのもステキなところだと思います。

 以上、長々と失礼しました。私は学部卒業後、他大学の教育学研究科の院にすすみますが、本学の中国文学で学んだことを踏まえて授業づくりや研究に携わっていこうと考えています。
皆さんにとって、本学の中国文学専攻が良い場所になることを願ってやみません。

株式会社ユニクロ勤務 濱本 悠里
2016年3月 立命館大学文学部人文学科中国文学専攻卒業

 中国文学専攻と聞いて、漢文は嫌だ!と思う人は多いと思います。確かに漢文を読むことは避けられないのでその印象を変えることはできませんが、少しでも中国文学専攻にプラスのイメージを持ってほしいので、私の中国文学専攻での経験を書きたいと思います。

○中国文学専攻を選んだ理由、そこでの学び
 私が中国文学専攻を選んだ理由は、中高の漢文の授業で扱われた杜甫の詩に魅力を感じ、杜甫についてさらに詳しく知りたいと思ったからです。大学に入学すると、漢字の成り立ちや小説、中国思想など、様々な分野について学ぶ機会が与えられました。さらに大学では自分が興味を持つ分野について自由に学べるので、日本文学や京都学、心理学など様々な授業を履修しました。このように様々なことを学んでも、やはり杜甫について知りたいと思ったので、二回生になるときに中国文学専攻を選択しました。
 しかし、二回生のときに白居易について発表する機会があり、そこで私は「買花」という詩に出会いました。内容を簡単に言うと、当時流行っていた牡丹の花をおじいさんが買おうとしたが、あまりにも高価だったため買えずに帰った、という詩です。私はこの詩を詠んで、なぜ中唐でこんなにも牡丹が流行したのか疑問に感じ、それがきっかけとなって、私は中国の花文化について研究を始めました。花が中国でどのような意味を持ったのか、花とともに用いられる語はどのようなものなのか、調べていくうちにどんどんのめりこんでいき、卒論も中国の花文化について書きました。一言に中国文学専攻といっても、必ず文学に関して学ばなければいけないわけではありません。中国に関して広く学べるのが中国文学専攻です!

○中国文学専攻の魅力
 立命館大学の中国文学専攻は、他の大学と比べ、かなり高レベルのことが学べるといわれています。その理由は、立命館大学の中国文学に関する文献の所蔵数を見ればすぐにわかると思います。文化勲章を受章された白川静名誉教授の蔵書を所蔵する「白川静文庫」をはじめ、図書館、書庫、文献資料室、中国文学共同研究室など、様々な場所に中国文学に関する文献が所蔵されています。そのため4年間文献に困ることはありませんでしたが、あまりにも所蔵数が多いので、求めている文献を探し出すのに大変苦労しました。
 また、わからないことがあっても、先生や院生に質問すればすぐに答えが返ってきます。初めて質問するときは緊張するかもしれませんが、中国文学専攻は学生の数が少ない分、先生や院生との距離も近いので緊張しなくても大丈夫です。漢字一文字の質問でも真剣に考えてくださるので、本当に頼りになると思います。余談ですが、中国文学専攻の先生はお酒が大好きなので、専攻の飲み会もちょくちょく開かれます。このときに先生や院生と交流を深めておけば、質問にも行きやすくなりますよ!

○中国での体験
 私は中国文学の他に、中国語・韓国語などの語学にも力を入れて取り組みました。立命館大学では短期から長期まで様々な留学プログラムが用意されていて、中には留学費用がかからないものまであります。私は教職課程を履修していたので長期の留学には行けませんでしたが、研修旅行のような形で中国に3回、韓国に1回行きました。中国は食の安全が心配と言う人もたくさんいますが、全然問題ありません!むしろ安くておいしいものが食べられるので、食べ過ぎてしまう人が多数です。食以外にも、万里の長城や故宮で歴史を感じたり、上海や香港で近代的な中国を見たり、漢民族以外の民族と触れ合ったり、中国ではいろいろな体験ができます。中国文学専攻を選ぶならばぜひ一度は中国に足を運び、文化の違いを体験してほしいと思います!

 以上が私の中国文学専攻での経験です。大学は自分の興味に合わせて様々なことが学べるところです。4年なんてあっという間に過ぎてしまいます。サークルもアルバイトも遊びも全力で楽しんで、学業も楽しみのひとつにしてほしいと思います!
 中国文学専攻で漢文を読むことはやはり避けられませんが、先生や院生に加え、中国文学専攻には『大漢和辞典』という最強の味方がいます。少しでも中国文学・思想に興味があるならば、ぜひ中国文学専攻を選んでみてはいかがでしょうか!!!

丸全昭和運輸勤務 石川 毅
2014年3月 立命館大学文学部人文学科中国文学専攻卒業

皆さんは、中国文学と聞くと何を想像しますか?多くの場合ですと『三国志』、『封神演義』、魯迅の『阿Q正伝』などを真っ先に思い浮かべると思います。
いずれも、中国を代表する文学ですが、それだけではありません。怪異などを取り扱う『聊斎志異』に代表される小説は、ユニークなお話をとりあげています。三国志とはまた違った魅力があります。
『聊斎志異』に限らず、中国文学には、他にもユニークな物が数多くあります。
中学・高校時代の経験から、漢文に対して不安を覚えている人も多いと思います。漢文の読み方は、確かに複雑です。しかし多くの分は一定の法則に沿って文章が展開されているので、覚えてしまえば日本語よりわかりやすいと思います。中国文学では課題として多くの文章を読みます。練習する機会は多いので、文章を理解することができる様になるでしょう。
私が、中国文学専攻に入学した当初、中国文学とはひたすら漢文を読みこむというイメージがありました。一回生、二回生の講義には、漢文を読みこむものもありますが、扱うジャンルはさまざまです。学び始めると、中学・高校で学んできた詩以外にも様々なジャンルの文学があるということに新鮮さを感じました。現代小説では、魯迅以外に中国の英雄や武道家が縦横無尽に活躍をする武侠小説をはじめ、大陸や台湾などの自然や人々の様子を描いたものもあります。中国文学には、私たちにとってまだ見ぬ分野がたくさんあります。
立命館大学では、他の分野でも学ぶことができます。例え専攻科目の授業でなくとも講義に出席することはできます。他の分野に興味を持った方は是非、その授業に出席してください。
一度中国文学に少しでも興味があれば、是非調べてください。

あいの風富士鉄道株式会社勤務 白石 有貴
2014年3月 立命館大学文学部人文学科中国文学専攻卒業

なんか人少ないからおもしろいことできそう。
私が中国文学専攻を受験した理由でした。入学するまで碌な知識もありませんでした。せいぜい漢文の受験勉強で得たくらいの知識です。嘘みたいにしょうもない理由ですが本当なのでどうしようもありません。
ここまで見て、なんといい加減な! と憤慨される方は真剣に自らの進路や自分のやりたいことを考えておられる大変真面目な方だと思います。尊敬します。頭が上がりません。是非中国文学専攻をお勧めします。その真面目で真剣な取り組みがあなたの学問を助けてくれるでしょう。
しかしながらもう既に自らの進路を決めた方ばかりではないとも思います。何をしたいのか迷っている、よくわからない、そもそも受験勉強が忙しくて中々考えられない、私のような超いい加減な方もごく一部いるかもしれません。それは本当にごく一部だとしても自分の進路で悩んでいる方は多いはずです。そんな悩んでいる方々にこの文章がちょっとしたきっかけにでもなれば幸いです。

最初に言っておくと、進路選択のきっかけなんてぶっちゃけなんだっていいと思います。大学についてちゃんと調べた上で決めるのも、成績で決めるのも、就職に有利なところを基準にするのも、私のように興味本位で決めるのも、なんでもありです。
でも、それじゃあ入ってから上手くいかないんじゃないの? そう思われるかと思います。
しかし、この立命館大学中国文学専攻、というより立命館の文学部ならその心配は少ないです。なぜかというと、立命館は何かの専攻を選んだらその専攻の学問しかできない、という大学ではないからです。一般教養はもちろん、文学部内の他専攻の授業も比較的自由に選択できますし、他学部受講というものもあります。つまり自分の興味に応じて様々な分野の勉強ができるということです。
いろいろやってみたけどやっぱり中国文学がいい! と再確認し突き進むこともできますし、文学より語学に力入れたいな……ということなら副専攻を取ってみるのもいいでしょう。入学前にやることを全て決める必要などありません。入学し、授業を受けてみて、それから方向性を考えると視野が広がってより自分の進むべき道が見えてくると思います。

立命館大学では自分の興味関心に応じて様々なことができます。ですがもちろん自分の専攻の授業もしっかり受けねばなりません。これがなければ何のための専攻区分ということになりますからね。
中国文学専攻では中国語はもちろん、中国文学とはなんぞやという概論の授業、漢文を読むために必要な漢文法の授業や研究授業など、基本的なことを教える授業が必修で入っています。これらの必修をこなしていけば自然と中国文学の知識は身についていくので事前に何も知らないからといって恐れることはありません。私がなんとかなったんですから。
そうやって知識が増えると、この作品についてもっと知りたい、学びたいという気持ちもひょいと出てくると思います。その湧き上がる追究する心を止める人間がいるだろうか、いや、いない(反語)! 先生方や先輩方はその好奇心を歓迎し、図書館の蔵書があなたを待っています。思う存分やりたいことに打ち込むことができるでしょう。

立命館大学は比較的自由の利く大学だと思います。授業だけでなくそれ以外のこと、例えば資格やボランティア、サークルなど、とにかく選択肢が多いです。
しかし、だからこそ自分から動かなければただ無駄に四年間を過ごすことになります。これは大学そのものが自分から行動する場所なのでどうしようもありません。逆に言えば、自分のやりたいことを思うがままにできる、ということです。この四年間自分のやりたいことを思うがままにできるということなのです。こんな恵まれた期間は大学生活のみです。
だから、「きっかけなんてなんでもいい」のです。
大事なのは、入学してからどんな四年間を過ごすかです。その四年間が充実した素晴らしいものにするための地盤やサポートが、立命館大学に、文学部に、そして中国文学専攻にはあります。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
皆様の受験合格と、大学生活が実りあるものになるよう心からお祈りします。
そして、あなたの進路が立命館大学中国文学専攻になったならば、こんなに嬉しいことはありません。

京セラミタ株式会社勤務 児玉 大
2009年3月 立命館大学文学部人文学科中国文学専攻卒業

みなさんは中国文学についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。私がよく耳にするのは「高尚で、難しい」というもので、そのために「気軽に触れられない」と敬遠される方が多いように感じます。おそらく、この原因は中学・高校で勉強してきた漢文にあるでしょう。返り点や書き下し文を作ることに精一杯で、その内容を楽しむことができなかったのではないでしょうか。
確かに、漢文や現代文を読むのは難しく、かなり練習が必要となります。しかし、漢詩には詩人一人ひとりの気持ちや個性がしっかりと表れており、歴史書からはその時代だけでなく、編者の特徴や執筆時の流行など、数多くのことが読み取れます。思想に関しても独創的でおもしろみのあるものが多く、小説に至ってはユーモアに富んだものから、怪奇なもの、時代を反映したものまで豊富にそろっています。小説やゲームなどで知られる『三国志演義』も中国文学ですから、より親しみを感じて頂けるでしょう。ここで、ひとつ李白の詩「山中與幽人対酌」(「山中にて、隠者と酌み交わす」)を紹介しましょう。

両人対酌山花開(私たち二人して飲み交わせば、山中の花が開く。)
一杯一杯又一杯(一杯、一杯、また一杯と、グイグイ酒を飲み交わした。)
我酔欲眠卿且去(私はすっかり酔って眠いから、君はしばらく帰ってくれ。)
明朝有意抱琴来(明日の朝、気が向いたら琴を抱いて来てくれよ。)

いかがでしょうか。「高尚で、難しい」というよりも、ユーモアがたっぷりと含まれて、李白という人間のおもしろさや親近感を感じないでしょうか。ここでは漢詩を紹介しましたが、文学とは人々の思いの発露によって生まれるものです。どのジャンルにも人々の思いがしっかりと込められており、それぞれのおもしろさが詰まっています。中国文学を学んでいく過程で、きっと自分の好きなジャンルや詩人・思想家・作家に出会えることでしょう。
また、日本文学との比較に興味を持たれたり、ひとつのテーマを通史的に見ることに興味を持たれたりするかもしれません。中国文学はおもしろく、限りなく深い世界です。ぜひ、自分の興味の赴くままに楽しんでみてください。きっと、誰も気づかなかった発見が待っていることでしょう。

また、中国文学を学ぶことによって、今後必要とされる知識も身に付けることができます。現在、日本と中国の政治的、経済的、文化的な関係は年々強まってきており、政治・経済・メディアなどいくつもの分野において中国に対する研究が行われています。しかし、実際のところ日中の信頼関係は強固なものと言えず、中国に進出する日本企業も苦戦を強いられています。これらの原因について様々な見解が出されていますが、中国という国、そして中国人について理解できていないことが根本的な理由として挙げられます。これにより、中国・中国人に対して深い理解を持った人材が求められているのです。先ほども述べたように、文学とは人々の思いの発露であり、それを学ぶことは中国という国を、そして人々について知ることにつながります。また、個人的な経験からではありますが、中国文学の知識は中国の友人、同僚との交流に一役も二役も買ってくれています。中国文学は非実学とされる分野ではありますが、今の時代において非常に実用的な学問でもあるのです。

このように、中国文学は大きな魅力と高い将来性を併せ持つ学問です。ぜひ中国文学専攻への進学を考えてみてください。きっと、楽しみと共にたくさんの知識が得られると思いますよ。

新日本海フェリー株式会社勤務 小柴 俊明
2009年3月 立命館大学文学部人文学科中国文学専攻卒業

私たち、中国文学専攻の学生は、一回生の時は主に漢文読解の基礎と中国文学の歴史について学びました。このとき学んだことは、これ以降の学習において直接つながらなくとも、教養を身につけるという意味で非常に有意義なものでした。
私は、教養を身につけるという点は非常に意義のあることではないかと思います。昨今、大学教育に対しては社会に出てから直接役に立つ知識を学生に身につけさせることが求められる傾向があります。しかし、それは本来専門学校などが担う分野であって、最高学府たる大学に求められるべき役割ではないはずです。

本来大学に求められている、教養という分野に対してまじめに取り組むことができる中国文学専攻という専攻で学ぶことは、社会に出て直接役に立つことを学ぶことを期待するべき場所ではないかもしれません。しかし、教養を身につけることは、社会人としての幅を得るということであり、それは直接仕事に役立つことはなくとも、善い社会人としての役割を担うためには必要なことではないかと思われます。また、様々な考え方がある現代日本においても、漢文は教養の柱の一つであることは紛れもない事実であり、身につけておいて損はありません。

京都信用金庫勤務 中村 小百合
2009年3月 立命館大学文学部人文学科中国文学専攻卒業

「中国文学」と言葉だけ聞くと、なかなか取っ付き難いイメージがあるかもしれません。立命館大学文学部は専攻別の受験ですから、入学時から専門を決めてしまうことに不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、だからこそ中国文学に若干でも興味をお持ちの方には、ぜひ中国文学専攻へお越しいただきたいと思います。

中国文学に関しては一回生時から専門の研究授業がありますので、自分で課題について調べたり、友達の発表を聞いたりしているうちに、自然と中国文学の世界に馴染み、自分の興味のある分野を見つけることができます。ひとくちに「中国文学」と申しましても、その分野は多岐に亘り、膨大です。概要を学ぶ授業を通じて興味を引かれることもあるでしょうし、入学前から気になっていた人物や作品について知識を深めたいという気持ちが強くなることもあるでしょう。
私は入学前から『封神演義』という作品について興味を持っていました。大学に入ってから詩や他の小説についても面白そうだと感じましたし、中国の陶器などについて調べたいという気持ちも持ちましたが、結局『封神演義』について何か新しい発見をしたいという初心を貫くことにし、卒業論文では『封神演義』の登場人物の一人について論じました。もし自分が追究したい分野が見つかったら、先生方や先輩方は、全力でそれをサポートして下さいます。ゼミも大変柔軟性があり、分野をむやみに限定されることはありません。自分が興味を持ったことに対する探究心を躊躇する必要はないのです。

しかし、中国文学を自分の専門と限定するのにはまだ抵抗があるかもしれません。でも安心してください。文学部内の他専攻の授業は比較的自由に受講できますし、むしろ受講していかなければ単位はとても足りません。私は国語の教職課程を取っていましたから、特に日本文学の授業は中国文学と同じか、もっと受けたかもしれません。入学前に国文学も学びたいと思っていた私には願ったり叶ったりでした。
そしてやはり中国文学や中国史に最も心躍らされると再確認できたという意味でも、一分野だけに捕らわれない受講形態は良かったと思います。もちろん日本文学だけではなく、様々な専攻の授業を受けることが出来ますし、他学部受講もできます。一般教養の授業では、嫌でも文学にはおよそ関係ない授業も受けなければなりませんが、せっかく大学に来たのですから視野を広げるという意味でも制度として用意されているのは喜ばなくてはいけないのかもしれません。数はそこまで多くはないので大丈夫ですが、侮ると痛い目を見ます。

語学に関しても、意欲があれば必修以外でも二年次から副専攻という形でもっと学べる場が用意されていますし、他の言語も学ぶことができます。私は中国語コミュニケーションコースという副専攻を取っており、曲がりなりに四回生まで中国語の授業を受けていました。中国語の必修は二回生前期までですが、学ぼうと思えばいくらでも学ぶ環境は整えられていますし、留学に行った友達もたくさんいます。
なにより嬉しかったのは、図書館の蔵書数の多さです。文学部を目指される方には、天井まで届く書棚を見渡しただけでわくわくするという方も多いのではないでしょうか。見たこともない装丁の古い漢籍を初めて見たときの感動は忘れられません。卒業論文を書く時も、資料が見つからずに困ることはあまりありませんでした。総合大学の良い所は、文学に関係のない資料だとしても大抵どこかに収まっていることです。もし立命館にない本でも京都には大学が多いですから、近隣の大学にならあるということがほとんどです。その本のある大学まで行けば閲覧させてもらえますし、取り寄せてもらうこともできます。

ここまで、いかにも真面目に学生生活を送ってきたようなことを申し上げてきましたが、私が最も力を注いだのは部活動でした。部活動を心から好きになれたのも、好きなことを学んでおり、迷いや後悔がなかったからこそだと思っています。部活動を十分に楽しみ、私が大変充実した学生生活を送れたと思えるのは、やはり四年前に、興味をもった中国文学を大学で学んでみたいという気持ちを大切にしてこの専攻への入学を決めたところから始まったと感じます。
昨今、不況だ、就職難だと連日耳にし、少しでも就職に有利な学部学科への進学をお考えの方も多いことだろうと思います。しかし、例え四年間であろうとも、好きなことを精一杯学べたという満足感と自信の方が、嫌々義務感で学ぶ就職に直結しそうな知識よりはるかに勝ると私は思います。私の専門はこれです、と断言できるものが、仕事や趣味のほかに一つくらいあっても良いではありませんか。中国の歴史や文学は壮大で幽遠です。その大きさを感じることは、自分にとって必ずプラスになるものだと思います。きっかけは何でも良いと思います。もし少しでも興味をお持ちであれば、その先を探って魅力的な中国文学の世界をご覧になりませんか。

伊藤忠商事株式会社勤務 福本 亘
2009年3月 立命館大学文学部人文学科中国文学専攻卒業

『私が中国文学専攻を選んだ理由!』
「東京?大阪?京都?福岡?」「法学部?経済学部?文学部?教育学部?」「私立?国公立?」進学の悩みは本当に様々!
ただでさえ受験勉強で忙しいのに、大学の進路を決めるのなんて、もっと大変!大事な進路選択なのに、どうすればいいか分からない!
そんな高校生活を経験した私が、立命館大学の中国文学専攻を選んだ理由を、入学後の中国文学専攻の実情を交えながら、ここで紹介します。
私が立命館大学文学部中国文学専攻を選んだポイントは、“どこで”“誰と”“何をして過ごすか”の3つでした。

その1:情緒溢れる街・京都!(どこで)
4年間という限られた時間を、どこで過ごすかは、とても重要な要素。
京都には、清水寺をはじめ、二条城、上賀茂神社等、多くの世界文化遺産があります。立命館大学の周りにも、金閣寺や龍安寺等の歴史的建造物があります。授業の合間を縫って、それらの名勝を訪れることが出来るのも、京都ならではのことでしょう。週末は寺社巡りをし、中国文化の影響を受けた日本文化に触れ合い、日本の歴史における中国の重要性を肌で感じました。

その2:色んな地方から学生が集う大学!!(誰と)
立命館大学の大きな強みは、ズバリ“人”です。高校生の時、立命館の主催するオープンキャンパスに足を運びました。そこには、関西だけではなく、北は北海道から南は沖縄まで全国津々浦々の学生が参加し、私の地元・福岡では出会うことの出来ない人々と交流することが出来ました。このことは、入学後も変わりません。同じ志を持った全国の学生と接し、色んな話をすることで、自分の持つ視野を広めることが出来ました。

その3:中国文学だけでなく、幅広い分野の学問に挑戦出来る!!!(何をする)
白川静先生を輩出した中国文学専攻ですが、専門分野以外の研究にも挑戦出来るのが中国文学の魅力。勿論、専門分野の研究に力を注ぐ学生も少なくありません。
私の場合、中国語に興味を持っていたので、「副専攻」を受講し、中国語の資格取得に励みましたし、大学が開講する『異文化理解セミナー』に参加し、中国に短期留学する学生もいました。現在は、孔子学院との提携により、よりレベルの高いでの中国語の授業が受講可能となっているのも、中国文学専攻の魅力の一つです。
また、文学部にはバリュエーション豊富なプラグラムが組まれています。映画や美術等の芸術系の授業をはじめ、地理学から京都学まで様々な講義が用意されています。つまり、文学部は、自分の興味のあるものなら何でも勉強出来る学部なのです!

以上が、私が中国文学を選び、実際に経験した内容です。多くの人と出会い、切磋琢磨し合うことで、私の大学生活はとても充実したものとなりました。進路でお悩みの学生の皆さん、中国関係の学問に興味のある皆さん、是非中国文学専攻の門を叩いてみては如何でしょうか?

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