沿革・理念

多彩な表現と出会い人の心の本質を探る

漢字が生まれてから三千年以上。そこに生きた人々の様々な感情と思索は言葉によって残されてきました。
論語や老子、李白や杜甫の詩、三国志や西遊記なども、その一つです。
立命館大学中国文学・思想専攻では、それらの多彩な作品に触れ、そこに息づく人の心の本質というものについて学んでいます。

専攻の沿革

本専攻は、中国文学研究において日本有数の伝統と実績を誇っています。橋本循・白川静両先生の学風を受け継ぎ、実事求是を旨とする学問研究に励んでいます。

1927年(昭和2年) 専門学部に文学科の前身である文学科国語漢文科が設立される。
1941年(昭和16年) 文学科の中に国史・国文・地理・漢文の四学科が作られる。
1948年(昭和23年) 文学部が独立し、四学科六専攻として発足。文学科に中国文学専攻、史学科に東洋史学専攻が設置される。
1950年(昭和25年)
1953年(昭和28年) 東洋思想専攻内に東洋史学関係の科目を増設。
1958年(昭和33年) 大学院博士課程に東洋文学思想が設置され、学部四年・大学院前期課程(修士課程)二年・後期課程(博士課程)三年の一貫した教学体系が完成。
2006年(平成18年) 大学院の東洋文学思想専攻が中国文学・思想専修と改名される。
2012年(平成24年) 文学部が学域制度に移行。東洋史学専攻、現代東アジア言語・文化専攻とともに東洋研究学域のうちの一専攻となる。
2016年(平成28年) 東洋研究学域が東アジア研究学域に名称変更となる。また2016年度入学生より中国文学・思想専攻と改名される。

研究発表の場としては立命館大学中国文学・思想専攻教員、在学生、卒業生、大学院修了生、院生などによって構成される中国芸文研究会の編集する「学林」、大学の人文学会の編集による「立命館文学」があります。

歴代の主な教授陣

橋本循・白川静・笠原仲二・高木正一・青木正児・高橋和巳・武部利男・松本幸男・筧文生・清水凱夫

教学理念

東アジアは世界に誇る文化圏です。この地域のそれぞれの民族は独自の文化を発展させてゆきつつも、たがいに漢字文化によって結ばれていました。漢字文化の発源地は中国です。漢字は紀元前11世紀ごろ生まれ、後に字体は変わることがあっても今日まで用い続けられ、3000年間にすぐれた文学や思想が多く生まれました。司馬遷、陶淵明、李白、杜甫、白楽天、蘇東坡、劉備・諸葛孔明等が活躍する小説『三国志』、近代の魯迅、また孔子、老子・莊子の思想など数えきれません。これほどの歴史と豊かさをもつ文学・思想は、他に見られないでしょう。中国の文学や思想は、漢字文化圏の他民族に大きな影響を及ぼしてきました。そして現代の日本にも漢字文化が深く根付いていることは言うまでもありません。

中国の文学・思想は世界に誇るべき人類の文化遺産です。伝統をよく理解し、今を見据えてこそ、未来の展望が開けるものです。ここに中国文学や思想を学ぶ大きな意義があります。中国では古代から現代に及ぶまで、文学、思想あるいは文化・芸術の領域に興味深い人間の営みが多様に表されています。人の世のことは、おおよそ中国に備わると言えるほどです。学生諸君それぞれの知的関心は本専攻の学修を通して満たされ、そして培われた人間考察は、将来いずれの分野で活躍する場合においても有意義に違いないでしょう。4年間の系統的な学びを通して、中国の悠久の歴史に育まれた文学や思想に広がるさまざまな問題を探求し、過去から現在に及ぶ文化的営為について、豊かな知識を習得して理解を深め、日本のみならず、世界的な規模で活躍できる人材を育成することを目指します。