京都学クロスメジャーとは

立命館大学文学部のある京都は、平安京の遷都以来、日本文化の中心として1200年以上にわたり歴史を築いてきました。その地理的な特性から、本学では「京都学専攻」を設置し、地理学・歴史学・文学のアプローチを用いて京都の実像に迫る研究を行ってきました。新たに始まるクロスメジャーの授業でも、広く「京都」をテーマとし、これまで培われてきた人文学の知見に、フィールドワーク、インターンシップといった地域に密着した手法を交えた、新たな研究の実践を目指します。

地理学・史学・文学などの知識を融合し「京都」を紐解く

京都学クロスメジャーでは、「京都」を中心とした歴史学的・文学的・地理学的アプローチを中心として、

① 京都における伝統の形成・創出(文化的・地域的特質を考える)
② 京都の虚像と実像の発見(文化的・地域的特質の蓄積と現代的問題を考える)
③ 時空間を超えて存続する「価値」、発見・創出される「価値」、連関する「価値」の解明(多様化する京都に対する「価値」を考える)
④ 新たな伝統の創出力の理解(現代的問題に対する解決策を考える)

について深めていくことを目指します。

京都すべてが研究素材!歴史都市京都での生活・体験がフィールドワーク

神社仏閣などの歴史的建造物はもちろん、伝統産業にかかわる職人さんの現場、映画や小説の舞台など、京都の街全体が京都学クロスメジャーにとってのキャンパスです。また、地域に埋もれた資料の発掘を積極的に行い、共同研究室で所蔵・デジタルアーカイブもしています。さらに、150年以上の歴史を持つ京町家の保全活動にも協力してきました。

こうしたローカルな京都の歴史的・文化的に重要な遺産を新たな視点で見つめ直すことは、日本全体がグローバル化の波に洗われ、京都の街そのものも大きな変化のただ中にある現在だからこそ、今後さらに大きな意味を持つと考えています。

立命館大学文学部のクロスメジャー科目群で得られる学びは、決して「京都」という特殊な地理的条件に特化した学問ではありません。ここで身につけられる人文学的な知の素養とそれを応用していく力は、京都はもとより、日本および世界のあらゆる場において、その土地の歴史や文化の理解、その保全・発展活動に役立てることができるはずです。

京都学の学びの流れ

1回生

京都学入門
京都学概論

+

学域での学び

人文学の研究分野である地理学・歴史学・文学などから京都学へのアプローチを、入門や概論で講義し、京都の過去・現在・未来を多角的に考えます。

1 回生11 月頃 クロスメジャーの募集・専攻※全学域の1 回生が申請できます。

2回生

講義科目、実習科目

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専攻での学び

京都に関係する地図の読解や文献の講読・基礎資料の収集を行います。その分析などのデスクワークと、フィールドでの聞き取り調査・資料収集などを経験し、フィールドワークの基礎的な手法を習得します。

3回生

講義科目、実習科目
専門演習 I・Ⅱ

+

専攻での学び

「フィールド(現場)」と「インドア(教室)」を往還しながら、地域に固有の問題と切り結ぶ視点を獲得し、みずから設定した問いを適切な方法で探究する実践的な能力を身につけることを目指します。

4回生

専門演習Ⅲ・Ⅳ、卒業論文

+

専攻での学び

学域・専攻で培った人文学各分野の「知」と京都学クロスメジャーで学んだ地域研究の「知」を融合させ、集大成である卒業論文を執筆します。

人材育成の目標

歴史学的・文学的・地理学的要素を備える講義・実習科目において、それぞれの知識・技能が習得できる京都学クロスメジャーでは、次のような人材の育成を目指しています。

  • 1

    まちづくりの現場や景観問題の解決など、地域のプロデュースを通じて地域に直接還元することができる人材
    (民間企業や公務員など)

  • 2

    地域の実態を踏まえながら、観光立国日本が目指すべき新たな道を模索できる、その担い手となりうる人材
    (運輸業・旅行業・宿泊業など)

  • 3

    「総合的な学習の時間」等の教育分野での応用(教員)や文化的施策立案等の分野(学芸員)で活躍できる人材