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プラスチックストローから紙ストローへの転換の実現可能性を探る
経済学部寺脇拓ゼミ
人々は紙ストローにいくら支払えるのか?
経済学部寺脇拓ゼミでは、2019年度の研究テーマの一つとして、人々が紙ストローに対して支払ってもよいと思う金額(支払意思額)を計測し、プラスチックストローから紙ストローへの転換が実現可能かどうかを見極める研究に取り組みました。びわこ・くさつキャンパス内のCキューブでアンケート調査を実施し、そのデータを分析した結果、本学学生の紙ストローに対する支払意思額は平均で約13円と推定されました。この金額は、昨年東京都が紙ストローの試行実験を行った際に示された導入費用と概ね等しい額であり、その転換に伴う高い費用は平均的には人々に受け入れられることが示されました。
より良い代替ストローを考える
本研究では、紙ストローに対して抵抗がある人とそうでない人の間で支払意思額を比較し、しばしば欠点として指摘される紙ストローの強度の問題が解決された場合に、人々の紙ストローに対する評価がどのように変化するのかをシミュレートしました。その結果、紙ストローの使いにくさに抵抗がある人の支払意思額は約-23円と負の値を示した一方で、その抵抗がない人については、約50円と極めて高い評価額が得られました。従って、もし強度の問題が解決されれば、人々は紙ストローに対して現在の約4倍もの支払意思額を持つことになり、こうした代替ストローへの転換は、より容易に進められるものと予想されます。当ゼミでは現在、この研究成果をもとにして、新たに地域資源を活かした代替ストローを考案し、そのストローに対する消費者の受容性を探るプロジェクトを立ち上げ、ゼミ全体で取り組んでいます。