未来への種まき

For sustainable growth

「カモシネマ」―鴨川の環境を考えるきっかけづくり

立命館大学
苅部 亮介さん
産業社会学部(写真左)
水垣 宏太さん
産業社会学部(写真右)

京都・鴨川を映画館に

  ゴール#15「陸の豊かさを守ろう」

 カモシネマは鴨川の葵公園で行う映画上映と鴨川清掃活動を行うイベントで、立命館大学広告研究会に所属するメンバーがカモシネマ実行委員会を組織して企画運営を行っています。今年は43名がカモシネマ実行委員会に参加しました。イベントを通じて多くの方に鴨川の環境問題について興味を持っていただくことを目的として、先日19回目の開催(「カモシネマ19」、8月24日開催)を無事に終えることができました。

 イベント当日は映画上映会の他に、会場である葵公園周辺の鴨川河川敷のごみ拾いをするクリーンハイク、子どもたちを対象に、楽しみながら鴨川の環境を学べる「かもあそ」などを行い、全企画を通して300名を超える方々にご来場いただきました。

 河川敷でのクリーンハイクは、50年以上に渡り鴨川の美化活動をされている「鴨川を美しくする会」の方々と、立命館大学の有志の学生約30名と一緒に行いました。また「かもあそ」では子どもたちを対象にした体験型企画として、京都府立植物園や鴨川を美しくする会の方々のご協力を得て、鴨川の環境問題を題材にしたパネル展示を行い、クイズ形式でスタンプラリーを楽しんでもらいました。

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カモシネマと鴨川の環境美化活動

 そもそもカモシネマが始まったきっかけは、2004年に公開された京都を舞台にした映画『パッチギ』の監督・井筒和幸氏が「映画で関西の学生たちを盛り上げたいという」という声に京都の学生たちが加わり立ち上がったものだと聞いています。当初は関西にある各大学の広告研究会から成る「関西学生広告連盟」が主体となりイベントの企画運営をしていましたが、その後、立命館大学広告研究会が運営を引き継ぎ、現在に至ります。

 当初のカモシネマは鴨川河川敷で映画上映のみを行うものだったようですが、回数を重ねるごとに様々な地元団体とのご縁がつながり、その中の一つである鴨川を美しくする会の美化清掃活動にも参加させていただくようになったところから、映画上映会と鴨川美化活動の両方を行う、今のカモシネマのスタイルになりました。カモシネマは単に映画を上映する興行目的ではなく鴨川の環境保全啓発につなげることを目的として活動しているところが他の学生映画イベントにない特徴であり、これからも大切にし続けたいコンセプトです。


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楽しいことをマジメに、マジメなことを楽しく

 カモシネマはイベント入場料等をいただいていません。その分、多くの方にイベントに足を運び鴨川の環境問題について知り・考えていただけるきっかけとなるように、企画内容は毎回改善点を見つけてブラッシュアップしています。鴨川を美しくする会をはじめとする、多くの団体や企業、自治体の皆さんの協力によって、カモシネマは毎年開催できています。これからも、皆さんとのご縁を大切にしながら、さらに多くの方との接点を増やしてイベントを発展させていきたいです。

 「環境」を考えるきっかけが、実は日常生活の至るところにあると気づいたのは、カモシネマの活動を通じて鴨川のクリーンハイクに参加するようになってからでした。カモシネマ実行委員会の母体である広告研究会には“楽しいことをマジメに、マジメなことを楽しく”というモットーがあります。環境問題やSDGsは難しいイメージがあるかもしれませんが(私たちも以前はそう思っていました)、「〇〇をしないといけない」ということではなく、機会があればやってみよう・楽しく考えてみようと思ってもらえることが大切だと思います。カモシネマはまさにそのモットーを体現する企画です。皆さんの身近にある環境問題をはじめとする、社会課題について考えるきっかけがカモシネマになればうれしいです。次回は来年夏の開催となりますが、ぜひ、カモシネマへお越しください!

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