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educationのニュース

2017.12.05 education

2017/11/24 オリックス野球クラブの山本康司さんにご講演いただきました。


11月24日の基礎経営学は、オリックスバファローズを運営するオリックス野球クラブの山本康司さんによる特別講義でした。

山本さんは、チケッティングとファンクラブグループを統括されています。山本さんの講義では、マーケティングの基本的な考え方を通じて、プロスポーツビジネスが特別ではなく、他のビジネスとその基本は共通であることを示し、その上で、オリックスバファローズの具体的なビジネス展開について語ってくださいました。講義の後、受講生からの質問にも丁寧に答えていただきました。

山本さん、ありがとうございました。

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2017.11.29 education

2017/11/22 京都女子大学名誉教授 中井 誠一先生に熱中症の歴史についてご講演いただきました。


 熱中症の定義、及び最近の傾向について講義していただきました。最近は上昇傾向にあるが、黒球乾湿球温度計が35度以上のときに熱中症警報を出す根拠についてお話いただきました。

 熱中症の場所は、産業職場、公園スポーツ施設で多く、2020年東京オリンピックの熱中症対策が懸念されることや、熱中症の歴史について、三浦の労働衛生史を中心に炭鉱での熱中症の発生の事実と水分補給の情報が戦前から言われていたことが判明したこと、熱中症発生の際には補水対策が必要であるとご講演いただきました。


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2017.09.11 education

生理学研究所の定藤 規弘 教授による集中講義が実施されました。


 9/4 () -9/7 () に、生理学研究所の定藤 規弘 教授による集中講義 (先端スポーツ健康科学特論 II) が実施されました。定藤教授は、PET (陽電子放射断層撮影法) fMRI (機能的核磁気共鳴法) を用いた神経科学・脳科学研究で世界的に著名な研究者です。


研究分野は、「脳内における点字の認識」、「複雑な手運動の脳内機構の解明」、「寄付行為の認知的基盤」など多岐に渡っています。その研究成果は、
Nature を始め、これまで数多くの雑誌 (総引用数 2万以上) に掲載されています。今回の集中講義では、運動制御に始まり、脳の可塑性、社会的認知に至るまで、サル・類人猿・人間でどのような行動が見られるかとその脳内における神経基盤について、PET fMRIを用いた研究を紹介しながら幅広く講義がなされました。


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2017.08.04 education

日本におけるスポーツ選手の安全管理の課題と実態」及び「GATプログラム」をテーマとしたプレスセミナーを開催


昨今、スポーツの現場での安全管理やアスリートへの包括的なサポート、そしてそれらを通してチームの勝利に重要な役割を果たす、ATCCertified Athletic Trainer)の役割が日本でも益々注目されてきています。アメリカの国家資格であるATCは、プロスポーツ選手から一般の人々を対象に、活動(運動)中に起こる外傷の救急措置、傷害や疫病の予防・認知・評価、リハビリテーションなどに関わる専門職であり、理学療法士や看護師等と同じ準医療従事者です。

立命館大学スポーツ健康科学部では、「グローバル・アスレティックトレーナー(GAT)プログラム」というプログラムを通じて、ATCの育成に力を入れています。

 

そうした中で、201783日(木)、立命館東京キャンパスにて、「日本におけるスポーツ選手の安全管理の課題と実態」をテーマに、選手を支えるATCの重要性や、その育成について考える、メディア向けのセミナーを開催しました。


 

まず、伊坂学部長より、日本版NCAA構想においても根幹の課題となる、スポーツの現場における安全管理の徹底の重要性と、それを担える人材の育成が急務であること、そして実際に立命館大学がその人材育成に取り組んできた過程についての紹介がありました。

続いて、元女子7人制ラグビー日本代表チーム(サクラセブンズ)トレーナーで現在同チームのコンディショニングコーディネーターとして怪我人復帰のサポートを行っている平井晴子氏より、怪我の予防・危機管理や応急処置、リハビリテーションなどのATCの役割について、脳震盪などを例に挙げながら、その発生度合いや初期対応の重要性及び方法などについて解説があり、理解が深められました。

 最後に祐伯准教授より、GATプログラムについて詳細な説明がなされました。同プログラムは、立命館大学の学士号と、米・ペンシルバニア州立のEast Stroudsburg University(以下、ESU)の修士号を取得し、ATCの受験資格を得ることができるよう設計されています。立命館大学での修得科目がESU大学院進学の先修要件として認められることなどから、通常個人で留学するよりも経費及び期間を軽減することが可能であることが大きな特長です。


 

15社以上の媒体から参加頂き、セミナー後の質疑応答も活発に行われ、盛況のうちに終了しました。

 

以下をはじめ、多くのツールにて記事がアップされていますので、是非ご覧ください。

 

「立命館大、アスレティックトレーナー育成のための留学プログラムを展開」

http://news.mynavi.jp/articles/2017/08/04/gat/

「ラグビー女子日本代表トレーナーが説く 「最も近くで選手を支える」ATCの重要性」

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170803-00010008-theanswer-spo

<参考>グローバル・アスレティックトレーナー(GAT)プログラム詳細

https://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=346779


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2017.08.02 education

アドバンスト・コーチング(実習)プログラム【ACP】前期報告会を実施しました


2012年度よりスポーツ健康科学部では、ACP(アドバンスト・コーチング(実習)プログラム)という独自のプログラムを実施しています。このプログラムでは、自身の指導力を高めたい学生が、教養科目「スポーツ方法実習」の授業に実習生として参加し、授業運営のサポートを行います。

教員から1対1で指導法について学び、学部や回生の異なる多くの学生に対して指導を行うことで、実習生の指導力が飛躍的に向上します。また、将来教員を目指す学生は教育実習前の実践の場としても活用しています。

2017年度前期には4名の学生が実習生として参加し、727日(木)、31日(月)に前期報告会を実施しました。

実習生たちは、15回の授業のうち1回~複数回分の指導案を立て、実施する中で、実践を見据えた練習の難易度の設定の難しさ(ソフトボール)や、競技に必要な動きを修得するための動画等ツールの使い方の工夫の有用性(バドミントン)など、具体的な指導経験を通して、理論や洞察と実践の繋がり、あるいは違いについて深く学んでいました。また、特に多くの実習生により報告されていたのが、受講生とのコミュニケーションや個々の学生に合わせた指導のスタンスについてです。当該競技への習熟度や関心の度合い、個性等が多様な中で、どのようなコミュニケーションや指導が最も有効なのか、という点について考察を深めていました。


そして、各「スポーツ方法実習」受講生に対するアンケート結果にも、ACP実習生の活動が授業の発展や受講生の学びに貢献していたとの評価が表れており、受講生の学びにも資する活動ができたといえると思います。

指導下さった先生方からも激励のコメントを頂き、実習生にとって非常に貴重な機会となりました。


2017年度後期についても追加募集しますので、是非関心のある皆さんの応募をお待ちしています。


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2017.07.21 education

2017年7月13日のキャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において、京都府立北嵯峨高等学校保健体育教諭の西純平先生にお越しいただき、「保健体育科教員として働く」というテーマでご講演いただきました。


スポーツ健康科学研究科修了生の西先生は、自己紹介の中で産業社会学部の4回生の時に京都府の採用試験に合格し、大学院進学にともなう教員採用の猶予制度を活用して、大学院で研究を進めた後に、修了後、京都府下の高等学校に着任されました。まず、西先生は、保健体育科教員の仕事が多岐に渡っていることを述べられ、「分掌業務」として、教務以外に、生活指導、進路指導の3つの柱があることを説明され、その上で、「課外活動の指導」があると述べられました。本学部の学生のみならず、体育系大学やスポーツ健康科学系の学部に在籍する学生の中で、保健体育科の教員をめざす学生の大きな目標が「部活動」の指導にある中で、あくまでも保健体育科の教員である前に、中学校、もしくは、高等学校の「教諭」であるという自覚を忘れないでほしいということを強調して伝えられました。その上で、保健体育科教員に求められる役割の1つとして、「集団行動」があると述べられました。保健体育科教員は、集団行動を通じて、生徒の規律・規範の指導や心と身体のつながりを、自分だけでなく、他の仲間とともに動きながら感じることができること、また保健体育科という教科の特性として、大人数に対する一斉指導をする機会が与えられるため、学校の特色などを生徒に伝え、感じさせることができると述べられました。そして、生徒とのかかわりから生徒が成長する姿を見届け、見守ることができるだけでなく、生徒とのかかわりから教員自らが成長していくことを実感できることが、教員の最大の魅力であり、やりがいであると述べられました。

次に、教員採用試験について、自らの体験に基づきながら、学生に試験に臨むにあたっての心構えを説明されました。採用試験に臨むにあたっては、これまでの自分のライフスタイルを振り返り、生活のリズムをつかみながら、綿密な計画を立てることが重要だと述べられました。中でも、がむしゃらに物事に取り組むだけでなく、一つひとつのことを丁寧に振り返りながら、内省をする習慣をつけることが最も重要だと述べられました。試験勉強は、できる限り本番に近いような設定で取り組み、問題集を何度も何度も繰り返しときながら、できるという感覚をつかむこと、また小論文の作成にしても、作成する文章のクオリティを上げるために、集団討論の練習を繰り返し、多様な意見をインプットした上で、それらの内容をまとめ、自分の引き出しを増やすような工夫が必要だと述べられました。特に採用試験に臨む学生が見落としがちなのは、受験しようとする都道府県、または市町村の総合計画や教育基本計画に対する理解だと指摘されました。面接などで教育方針などに関する質問をされた際には、各都道府県が重視する教育政策や力点を押さえながら、自らの言葉に置き換えながら、述べなければ、面接官に想いとその想いを裏づける背景への理解が伝わらないと述べられました。また「自分×スポーツ×教育」という軸で、自分の特性やウリを伝えられるような工夫が必要だと述べられました。そのような組み合わせによる関係性を様々なパターンで述べられるように、自分のこと、スポーツのこと、そして教育のことを深く理解する必要があると熱弁を振るわれました。

西先生も学生生活や教員生活で、様々な挫折を体験したとのことでしたが、その際には、大学院時代の恩師から教えられた「遇に踊らず、不遇に腐らず」という言葉を胸に、うまくいっているときには、舞い上がらずに、またうまくいっていないときにも、焦らず、騒がず、嘆かず、腐らず…という想いを持って物事に臨んでいるとおっしゃりました。この言葉は、荀子の「遇と不遇は時なり」という故事成語をわかりやすく説明されたものと思われます。

さすが岡本先生!


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2017.07.11 education

奨学金給付証書授与式を実施しました


2017
74()2017年度立命館大学西園寺育英奨学金(成績優秀者枠)及び+R Challenge奨学金給付証書授与式を開催しました。スポーツ健康科学部では、今年度前期は、西園寺育英奨学金12名、+R Challenge奨学金4名の計16名が奨学生として表彰されました。

授与式ではまず、伊坂学部長から祝辞が送られ、給付証書の授与が行われた後、回生を交えたグループ懇談にて、【今までに取り組んできたこと】、【これから実践したいこと】、【将来の目標】などをテーマに語り合い、お互いに今後の学生生活に向けたアドバイスを送りあうなどして、奨学生としての意識を高めていきました。最後には画用紙に決意表明を書き込み、1人ずつスピーチを行ってもらいました。

学部生のロールモデルとして、奨学生の皆さんのますますの活躍を期待します。

 

後期にも選考があります。西園寺育英奨学金については、2017年度前期の成績を選考の対象としますので、在学生の皆さんは、試験等も含めて前期最後まで頑張ってください。また、+R Challenge奨学金については1回生を対象としています。多くの皆さんの申請をお待ちしています。

今後、当日の様子、そして9月以降奨学生によるリレー記事をスポ健のFacebookにアップしてきますので、是非ご覧ください。

https://www.facebook.com/rits.spoken/

     

■奨学生の決意表明一覧

「目の前のことを全力で」、「何ごとにも全力で」、「超える力」、「にならない」、「まず行動」「深み」、「先駆者」、「将来に向けて今できることを」、「There is no perfect road no right road to take. On our own, we must make our own road which is right for us.」、「Athletic Training +栄養=笑顔」、「もう一度スポーツができる楽しみを」、「常に高みへ」、「カヌーをさらに極める」、「夢をみつける」、「チャレンジし続ける」、「徹底的にやる」

※奨学生全員の決意表明は、立命館大学びわこくさつキャンパス インテグレーションコア 2階に掲示予定です。


「立命館大学西園寺育英奨学金(成績優秀者枠)」

学部での正課の学習において努力し、優れた成績を修め学生を「学びの立命館モデル」の趣旨にそって褒賞し、周囲の学生の学びと成長の模範となることを奨励することを目的とした奨学金制度

「立命館大学+R Challenge奨学金」

学部において正課の成績が良好であり、学部の専門学習、全学共通教育(教職教育・教養教育・外国語教育など)、留学や国際的な学習を通して、問題意識を持ち、それを発展させて学習テーマを追求しようとする学生の学習プロセスを支援することにより、周囲の学生の学びと成長の模範となることを奨励することを目的とした奨学金制度


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2017.07.03 education

2017/6/29/のキャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において、アディダスジャパン株式会社ブランドアクティベーション・CSRマネージャーの番場三千世氏にお越しいただき、「スポーツメーカーのブランド」というテーマでご講演いただきました。


番場氏は、「スポーツは○○だ」という肯定的な言葉を100個あげて下さいと学生に問いかけ、レジュメの裏側に1分間で書けるだけの言葉を書いて下さいと言われました。残念ながら、受講生の中で、1分間で20個の言葉を書き記せた学生は1人もいなかったのですが、番場さんは、冒頭に学生に対して、スポーツに対する想いやスポーツの価値を表現するイマジネーションが重要であることを伝えられました。そして、大学を卒業するまでには、1分間で100個の言葉が書けるようになってほしいといわれました。

番場氏のお話は、アディダスの創業時から現在までのブランドヒストリーから始まりました。アディダスがなぜ、「3本線」なのかということは、技術者であり、創業者であるアドルフ・ダスラー氏が「アスリートの意見に耳を傾ける」というものづくりに対するこだわりから導かれた結果ということを知り、学生は目からうろこが落ちたような表情で番場氏の話に耳を傾けていました。またアスリートのハイパフォーマンスの追求、幅広いスポーツ分野への対応、スポーツシーンとは異なる大衆のライフスタイルウェアの提案など、顧客に何を提案し、どのようなものを届けるのかによって、ロゴマークやブランドを区別していると説明されました。またこのようなメーカーのブランディングは、重要な企業の「戦略」であると述べられ、その戦略を規定するのは、企業のミッションとそれを遂行する「組織の構造」であると述べられました。またアディダスという企業には、「コミュニケーション力」「創造力」「柔軟性」「実行力」「スピード」「リーダーシップ」「英語力」を持ち備えた人が集まっており、その上で「スポーツが好き」という風土があるということでした。

番場氏の重要な仕事の1つが、「CSRCorporate Social Responsibility)活動」であり、番場氏は、企業がCSRに手掛ける際には、2つのパターンがあると述べられました。1つは、自社が手掛ける事業領域の延長線上にある活動、つまり、本業としてのノウハウが活かせるため、効率的であり、自社の価値を直接高められる活動であると述べられました。例えば、飲料メーカーが製品をスポーツチームなどに提供する場合がそれに当たると説明されました。もう1つは、自社が手掛ける事業を補う活動であり、自社の事業とはオポジットなメッセージを届けることにより、利益の還元、イメージの改善を図り、自社の価値を間接的に高める活動であると述べられました。たばこ産業が健康増進事業や医薬品事業に寄付や支援をすることが、その一例だと述べられました。番場氏は、東日本大震災における復興支援活動の事例などをあげながら、アディダスにしかできない復興支援活動として、「スポーツができる条件」を整えるために、プレイヤーの育成、指導者の育成、場所の整備、そしてモチベーションのアップという4つの支援活動からアディダスのCSR活動について説明されました。中でも、「支援は、自立への手助け」であり、CSR活動は、単なる美辞麗句ではなく、企業価値を高め、企業を存続させるための戦略であると述べられ、企業が持続可能な存在となるからこそ、CSRに手掛けられるのだと述べられました。

全てが魅了されるようなお話しだったのですが、最も印象的だったのは、アディダスの社是でした。我々にとって有名なのは、ブランドのキャッチフレーズでもある“Impossible is nothing”ですが、社員間で共有されている価値観は、「スポーツを通して、私たちは、人々の人生を変える力がある」というものでした。番場氏の話を聞いていた受講生はもとより、スポーツ健康科学部の全ての学生は、この言葉をどのように受け止めるか、そしてこの言葉からどんなことを想像し、何を創造するために、何を実行するのか、それを考えてもらいたいと思いました。

 

番場氏を紹介して下さったのは、本学公務研究科教授の久保田先生でした。久保田先生には、スポーツ健康科学セミナーⅡで「公務員の仕事」について、特別講義をしていただきましたが、内閣府政策統括官、陸前高田市の副市長を歴任している久保田先生が東日本大震災後に復興支援活動に手掛けられていた番場氏と陸前高田市で出逢われ、ともに仕事をされたことがご縁で、今回の特別講義へとつながりました。久保田先生、貴重なご縁をつないで頂き、本当にありがとうございました。

 


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2017.06.21 education

2017/6/15のキャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において、株式会社ルネサンス執行役員の澁谷弘衛氏にお越しいただき、「民間フィットネスクラブにおける仕事」というテーマでご講演いただきました。


澁谷氏は、フィットネス業界や業界を取り巻く社会の動向について触れながら、アメリカのフィットネスクラブ人口が15%を超えるのに対し、わが国が3%程度に留まっている理由と潜在可能性があることを説明されました。中でも、長寿社会と言われるものの、平均寿命と健康授業の格差が広がり、とりわけ、生活習慣病によってもたらされるロコモティブシンドローム、さらには精神疾患の罹患率の上昇を考慮し、民間フィットネスクラブの果たす役割が単なる身体的な健康だけに留まらないという状況についても説明されました。

また民間フィットネスクラブの事業領域が単なるフィットネス事業としてではなく、医療費の高騰を背景とした企業の健康経営や自治体の健康増進、またシニアを対象にしたコミュニティ形成や介護予防事業、女性に特化した専門化プログラムの提供、そして指定管理をはじめとした施設経営や異業種とのコラボレーションなど、より一層拡張している様子について、説明されました。中でもルネサンスは、ベトナムへの海外事業を展開しており、グローバルマーケットへの進出もめざましい一方で、この海外進出には、企業理念と事業展開に明確な大義があり、「川が多い都市において、大雨にともなう河川の氾濫による溺死者が多く、このような状況を改善したい」というミッションを掲げ、スイミングの指導に力を入れて、インドネシア国民の泳力改善に資する事業に手掛けているということでした。つまり、民間フィットネスクラブは、単に健康を人々に届けるだけでなく、健康や健康にまつわる様々な知識やスキルの獲得が、社会的課題の解決にもつながる意義深い仕事であると述べられました。

澁谷氏は、最後に、「人に“ありがとう”といわれる仕事に就いてほしい、人に感謝される仕事に手掛けてほしい」というメッセージを学生に残されました。それは、「生きがい創造企業」を経営理念として掲げるルネサンスの社員として、また同様の専門領域を学んだ先輩としてのメッセージも込められていたように思います。

 


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2017.06.21 education

2017/6/14の「スポーツマネジメント論」において、リムレット株式会社マネージャーの森田鉄兵氏にお越しいただき、「広告代理店におけるスポンサーシップビジネスの実態」というテーマでご講演いただきました。


森田氏は、大手広告代理店に勤務されていた体験に基づき、「広告代理店の基本的な仕事」や「広告代理店におけるスポーツビジネス」、さらには、「スポンサーシップの新しいトレンド」という流れで、多くの事例を提示しながら、わかりやすく学生に講義して下さいました。

中でもリーマンショック以後、企業における広告費の減少やインターネットの普及にともない、様々な企業が広告代理店を媒介せずに、直接、生活者とつながりを持てる時代において、広告代理店は新しい役割やビジネスモデルを構築することの必要性があることを説明されました。また広告代理店におけるスポーツビジネスの根幹は、様々な「権利」を取り扱い、「マネタイズ」するため、企業間の取引をスムーズにし、両者にとって有益な価値がもたらされるようにすることが広告代理店の仕事であり、それを成立させることが広告代理店にとって重要な仕事であると説明されました。さらには、スポンサーシップが、単に「メディア露出」を優先していた時代から、「企業の課題解決」に資するビジネス、そして「社会的課題の解決」につながるビジネスに進化を遂げていることなど、映像などを用いながら、丁寧に説明して下さいました。

本学部教授の種子田先生も授業に参加して下さり、補足説明や解説もして下さったので、学生は、森田氏の授業に耳を傾けただけでなく、講義後にも活発に質問する様子がうかがえました。

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2017.06.21 education

2017/6/16の「スポーツビジネス論」は、Bリーグの初代チャンピオン、リンク栃木ブレックスから、本学OBで、リンク栃木ブレックス セールスグループ スポンサーセールスユニットの多田敦さんをゲスト講師としてお招きしました


日本のバスケットボール界は、bjリーグの設立以降、bjリーグとNBLが併存するという状態が続き、制裁を伴った、バスケットボール界一本化の国際的要請を受けていたが、昨年、Bリーグが設立され、両者の一本化が実現した。講義では、Bリーグの理念、設立以降の歩みについて、開幕戦の映像を交えながら現状と今後の方向性について受講生に語られました。

またリンク栃木ブレックスは、NBL時代からその強さに加え、エンターテインメント要素を多様に取り入れるなど、先進的で優れた実践に注目が集まっていたが、講義では、多様なファンを大切にする様々な戦略的取り組みが紹介され、実践の中から、プロスポーツの意義や特徴が明らかにされた。受講生は、生きたプロスポーツビジネスの姿から多くを学び、講義後は多くの質問が寄せられました。

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2017.06.06 education

2017年6月3日のキャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において、株式会社ネットジンザイバンクヒューマンキャピタリストの岡本麻以氏にお越しいただき、「人材サービス業界の仕事」というテーマでご講演いただきました。


本学スポーツ健康科学研究科の修了生でもある岡本氏は、まず、自身のキャリアを振り返り、留学経験や海外でのインターンシップを通じて、カレッジスポーツに興味を持ち、大学院に進学後、カレッジスポーツの研究を進める中で、「なぜ?」ということにこだわりを持ち続け、「解」を見出すという地道な積み重ねが社会で勝負するための力、素地をつくったと学生に伝えられました。大学院修了後のキャリアを見据え、就職か研究者をめざすのかという岐路に立った際に、「カレッジスポーツのマーケットを拡大したい」という想いを叶えたいということで、進学ではなく、就職を選択されたということでした。その際、カレッジスポーツのマーケットを拡大するために、「人と人が集まるきっかけをつくる」ということと、「スポーツの新しい捉え方を生み出す」という2つの視点を持って、就職活動に臨んだところ、その視点がユニークだという評価をしてくれたウィルグループに就職を決めたということでした。

次に、「人材サービス」の業界の構造や仕事の特徴と、中でも「ネットジンザイバンク」という企業が他企業と差別化している点について説明されました。ネットジンザイバンクは、単に優秀な人材を育成し、企業や社会に送り出すだけでなく、インターネット領域に特化し、ベンチャーキャピタルやコーポレート・ベンチャーキャピタルと連携しながら、「日本から世界で勝てるチームをつくる」ということが企業の特異性であると説明されました。また企業を見極める目を持つことが重要だと学生に伝えるために、非上場にもかかわらず、企業価値が10億ドル(約1200億円)を上回る有望ベンチャーのユニコーンランキング(めったに姿を見せないという意味を込め、伝説の生き物「ユニコーン」に例えた巨大ベンチャーのランキング)や1989年と2017年のわが国の株式時価総額ランキングなどを提示しながら、現在の優良企業が必ずしも将来、優良企業であり続けるかどうかはわからないため、時代とともにビジネス界で刻々と変わるプレイヤーの将来性を見極める目を持つことの重要性について説明されました。

最後に、学生に対して、「勝てる個人」となるために、武器の多様性(多さ)と稀少性(珍しさ)の2つの視点から自分が社会で選ばれる人材となっているかということを意識してほしいと伝えられました。つまり、自分を定義づける(自分を表現する)時に、他者と異なる強みを持つことが社会で生き抜くための競争優位となり、いまのうちから自分のことを語る「タグ」を意識する必要があると学生に伝えられました。学生が記入した感想の中には、「業界に対する認識が劇的に変わった」、また「企業や社会を見つめる目線が鋭いと感じた」というものが見られ、岡本氏の特別講演に少なからず、学生が刺激を受けた様子がうかがえました。


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2017.06.01 education

筑波大学・鬼頭先生をお招きして文理融合セミナーを開催しました

2017年5月30日に、筑波大学・鬼頭朋見先生を、お招きして文理融合セミナーを開催しました。

ご存じのように、スポーツ健康科学は、遺伝子から組織/社会までを扱う学問で、自然科学、人文科学、社会科学を総合的・学際的に扱う学問です。そのため、文理融合を常に意識しており、分野を越えた教員同士のコラボが活発です。

今回、鬼頭先生をお招きしたのは、鬼頭先生のキャリア自体が文理融合を体現されていたこと、ならびに現在の研究アプローチそのものが学際領域であることでした。鬼頭先生は、学部から博士課程修了までは、ロボット工学の分野で研究され、その後、オックスフォード大学のビジネススクールで、ロボット工学で学ばれた解析手法を活用した研究を進められ、現在は経営学の分野で活躍しておられます。

現在の研究については、次の講演テーマでお話し頂きました。
『社会・産業の持続的発展のための領域融合的研究:ビッグデータ+ネットワーク科学アプローチ』

お話は非常に面白く、かつ多岐にわたりますので全て紹介できませんが、いくつかを紹介します。
その一つは、複雑創発システムという考え方です。このシステムは、複数の要素間の関係性、相互作用から複雑な全体が組織化され、個々の要素の振る舞いからは予測できないような現象・秩序・機能が現れる系、というものです。一つの事例としては、車を製造するということを考えた場合に、自動車メーカーにはそれぞれに部品を納入するサプライヤー、取引先企業、さらにはそれぞれの拠点国などがあり、これらが複雑にリンクを張りながら、自動車製造ということで一つの秩序が成り立っている。ただし、メーカーごとにリンクの張り方、関連度合いも違うこともあり、それぞれの置かれた環境にも影響を受ける、というものです。

もう一つは、ネットワーク科学+ビッグデータについてです。これからの時代、IoTといわれるように、多くのもの、コトがネットワークにつながり、ビックデータが形成されます。そのようなビックデータをどのように使われるのか?
ネットワーク科学では、タンパク合成、インターネットのつながり、飛行機のルートマップ、FBの人間関係などが解析されます。このようなネットワーク科学とビックデータを活用すると、エボラが発症したとき、ネットワーク科学者は、ネットワークを解析してどのような感染するのかの予測。限られたワクチンをどのように投与すれば効果があるのかを考えるのもネットワーク科学の仕事。

さらには、ネットワーク間のつながりの強さ、弱さを分析してみると、意外と近くで強いネットワーク(リンク)よりも離れたコミュニティと弱い紐帯(リンク)がある方が、イノベーション(創発)を起こしやすい、ということもデータを活用した研究から明らかにされているようです。

参加した先生方からは、多方面から活発な質問が出され、まさに鬼頭先生の刺激に創発をうけたセミナーでした。

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2017.05.30 education

2017/05/26 「運動処方論」の授業において、九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学の小原知之先生に「健康寿命を実現するために必要なもの」についてご講演頂きました。


 日本屈指のコホート研究拠点である久松町スタディで、認知症と生活習慣との関連性を研究されている小原知之先生に「健康寿命を実現するために必要なもの」についてご講演頂きました。小原先生は、昨年度のハワイ大学でのサバティカルでご一緒させていただきました。現在は、研究の傍ら大学病院における精神科外来も数多くこなされています。

 講義は、日本の超高齢社会の現状と課題、認知症の基礎知識、発症のメカニズム、運動習慣を含む生活習慣と認知症発症との関係についてわかりやすく解説いただきました。認知症患者の診断の様子を画像で示していただくとともに、認知症患者の特徴や治療方法、特に生活習慣改善による効果について、久松町スタディの研究成果をベースにお話しいただきました。今回の授業では理論と実践の両面において認知症の運動処方に関しての知見が深まりました。

お忙しい中、ご講演いただき誠にありがとうございました。

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2017.05.26 education

2017/5/24日 運動生理学の授業に、奈良女子大学生活環境科学系准教授の中田大貴先生を招聘し、「暑熱環境下におけるヒト脳の認知機能評価」について講義いただきました。


まず、自己紹介を兼ねて、これまで先生が遂行されてきたヒトの行動制御に関する生理学的、心理学的、健康科学的、人類学的研究についてご紹介くださいました。例えば、TVにもオンエアされた、体操の内村選手のイメージトレーニング時の脳の活性化状態や、ご自身が野球に携わってこられた関係から、バッティング時の重心移動の熟練者と一般者の比較に関する研究、そして「伸びる」ボールとはどういったボールか、小中学生が速い球を投げるには、どういった体力要素が重要か?など、興味深いお話ばかりでした。こうした科学的データを基に、例えば運動が苦手な子どもを対象に体育指導する際の手立てを考えることができるということで、教員を目指す学生も多い当該受講生にとっても、有意義なお話であったかと思います。

 

また、相対的年齢効果についての解析結果もご紹介くださいました。日本では4月からの学年暦ですので、同学年でも4月生まれと3月生まれでは1年近い開きがあります。当然、ジュニア期でのスポーツ競技において、体格や筋力に差が生じ、学年の始めの方に生まれた者は身体的優位性からレギュラーに選ばれやすく、経験を積みやすいこととなり、また成功体験が自信に繋がるなど、好循環になることが多いわけです。実際に、先生が膨大な資料をまとめて解析された様々なスポーツ選手の誕生日の特性をご紹介くださいました。予想通り、野球やサッカーなどのメジャースポーツの選手に、1〜3月の早生まれの選手は少ないことがわかりました。逆に、体重制限のある競馬の騎手には早生まれが多いこともわかりました。3月生まれで野球をやっている我が息子ですが、地道に練習して頑張ってもらいたいと思います。

 

さて、暑熱環境下の運動では、熱中症の危険性が増したり、パフォーマンスも低下することが多いです。運動パフォーマンスの低下には、末梢性の要因など様々な理由が考えられますが、先生は認知機能の低下に注目して研究をしておられます。ヒトの脳機能の評価方法として、私の研究室でも実施している、課題処理能力をテストする認知機能テストがありますが、先生が主に用いられているのが脳波測定です。特に、事象関連電位という、外的あるいは内的な事象に時間的に関連して生じる脳の一過性の電位を計測することで、脳での認知処理を計測しておられます。

 

実験では、被験者に温水や冷水を循環させることができるスーツを着てもらい、体温を調節した際の脳波を測定されています。その結果、体温が上昇すると、認知機能が低下することが明らかとなりました。この時、頭部を冷却すると、快適感や脳血流量の低下は改善されるのですが、脳波測定でみる認知機能の回復には至っておらず、やはり全身を冷却して深部体温を正常化させることが重要であることが明らかとなりました。それでも、運動能力に関わる認知機能の完全な回復には至らず、今後の更なる研究が求められます。暑熱時の運動に関わることが多いスポーツ健康科学部生にとって重要な知識をわかりやすく教授くださいました。

 

2020年東京オリンピックは真夏に開催されます。選手のみならず、観戦者にとっても暑熱対策は重要な課題です。本講義を参考に、受講生には現場での暑熱対策の実践に役立てて欲しいと思います。

 

中田先生、ありがとうございました。


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2017.01.24 education

2017/02/11 2016年度後期:スポーツ健康科学研究科修士論文公聴会を開催します

下記の通り、2016年度後期の修士論文公聴会を開催します。
公開型で実施しますので、興味がある方はぜひ積極的にご聴講ください。
当日スケジュール・報告テーマ等の詳細については、下記のリンク先からご確認ください。

<当日スケジュール・報告テーマ一覧>


■2016年度後期:スポーツ健康科学研究科 修士論文公聴会■
 日時:2017年2月11日(土・祝)8:00~17:40予定
 場所:立命館大学びわこ・くさつキャンパス
     インテグレーションコア1F アカデミックラウンジ

  ※公共交通機関を利用してお越しください。
  ※当日は、スポーツ健康科学部事務室は閉室していますので、ご注意ください。     
  ※自由にご参加頂けますが、発表途中の入退室は避けて頂き、
    開始時間からご参加される場合は、7:55には着席してください。
  ※当日は公聴会終了後18:00からユニオンスクエア2階にてスポーツ健康科学研究科
    同窓会を開催します。


◇参加申込方法◇
 下記メールアドレス宛に必要事項を明記の上、お送り下さい。
 申し込みを確認次第、確認メールを送らせて頂きます。
 携帯電話等から申し込み頂く場合、パソコンからのメールを受信できるように設定してください。

     申込先:  spoken3@st.ritsumei.ac.jp
        必要事項:氏名、所属、連絡先、興味がある研究分野・テーマ、
           今後受験を考えている場合は受験予定の入試方式・時期・希望の研究指導教員名等



問い合わせ先:スポーツ健康科学部事務室 大学院担当

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2016.12.26 education

2016/12/26 京都サンガの貝瀬 剛コーチにご講演いただきました。


大きくは5つの視点でお話を頂きました。第一点目は、Jリ-グに所属する各チ-ムの組織構造を説明頂き、特に京都サンガの普及部の仕事内容について図や写真を用いて説明を頂きました。

二点目は、京都サンガ普及部の課題として、少子化にどのように営業企画を行うのかが重要であり、単にサッカ-指導でだけでは、教室に参加する児童や生徒を確保できない実態を説明頂きました。

第三点目は、スポ-ツ現場は社会と隔離された環境にあるため、サンガの指導者が社会のニーズを把握できていない点が多いといいます。また世間から、京都サンガのコ-チということで持ち上げれられ、社会を観る目が劣る指導者が多く、ビジネスモデルを構築できず学校体育(クラブ活動)として関わっている実態があるといいます。こういったマイナス面の実態に対し向き合い、課題を克服していかないと京都サンガ全体が赤字となってしまうといわれてます。

第四点目は、プロチ-ムの指導者になるために、どのような苦労をしたのかという経験のお話を頂きました。運が大きく影響するが、熱意を120%、150%出し続けないと、チャンスは生まれないといいます。特に、プロスポ-ツの世界は、全てが敵であり、自分自身が明日から職がなくなることを十分理解しておかなくてはならないといいます。そのため、毎日取り組んだことを記録し、自身の力を語れるよう常に準備しておく必要があるといわれてます。

第五点目は、自分の能力を売る力が必要であるといわれてます。プロ選手の世界の転職は給料アップにつながるため、転職の誘いがある時を逃すと試合出場すら危なくなるといいます。コーチも同じで、転職することでキャリアアップするたため、ギャンブラ-として目(自己のプラスのための瞬時の判断)を自分自身で養い続けなければならないといいます。以上、企業人のように安定を求めては生き残れない世界の厳しさをお話頂いたことは、学生らにとって人生を考えるうえで有意義な時間であったと考えられます。

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2016.12.20 education

2016/12/20 東京医科大学教授の浜岡隆文先生をお招きし、「有疾患者の運動療法」に関する特別講義を実施しました。


 浜岡先生は、昨年度まで本学スポーツ健康科学部に所属されていましたが、現在は東京医科大学の健康増進スポーツ医学分野でご活躍されています。今回は、有疾患者の運動療法というテーマで学生にも理解しやすいように解説されていました。健康医療の問題は、学生には当事者意識が少なく、なかなか深く理解されづらい分野ですが、社会のニーズは高く、世界の誰しもが身をもって経験する社会貢献性の高い研究分野であるといえます。浜岡先生は、医師の立場から、研究者の立場から、またスポーツ愛好者の立場から、わかりやすく説明されていました。
 
 スポーツ健康科学部では健康運動指導士の資格を取得することができ、これまでにスポーツ施設や病院などでその資格を生かした職についています。その際に、最も困難な問題に直面するのが医学的知識と技術の少なさです。これは経験することで徐々に身についていきますが、あらかじめ学部の時にしっかりと学んでいると、医療現場においてもスムーズに職務をこなすことができます。今回は、運動負荷試験の目的、運動療法のガイドラインについて様々な疾患別に解説していただきました。学生の健康医療の分野への興味を引き出せるとても素晴らしい講義でした。
浜岡先生ありがとうございました。

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2016.12.19 education

2016/12/19 「スポーツ生理学」の授業において、筑波大学 医学医療系の下條 信威先生に「最新の心肺蘇生のメカニズムと運動」について授業をして頂きました。


 スポーツ・運動中での心停止による事故が多い中で、指導者として、また、選手として、最低限、心肺蘇生の重要性の理解と方法を知っていることは重要です。スポーツ・運動中での心停止の原因として、「心室細動」という心臓がけいれんしている状態があげられます。心室細動に効果的なのは除細動(AED)の使用と胸骨圧迫などの心肺蘇生(CPR)ですが、発症から1分経過するごとに生存率が7~10%低下するため、早期のAEDやCPRを実施することが重要です。国内ではマラソン中、60,000人に1名が突然心停止になっており、しかも、コースの終盤に発症することが多いといわれているため、今後、スポーツイベントだけでなく、各学校や運動施設にAEDの設置やAEDが利用できる人・CRPが行える人などの人材の育成と配置などのリスクマネジメントの重要性について非常に分かり易くご説明して頂きました。

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2016.11.22 education

2016/11/14 和光大学教授の原田尚幸先生をお招きし、「スポーツと地域貢献活動」に関する特別講義を実施しました。


原田先生は、国内外の事例を取り上げながら、学生にも理解しやすいようにスポーツと地域貢献活動について説明されました。具体的には、スタジアムが「野球を観戦に行くところ」としてだけではなく、子どもからお年寄りまでのファミリーエンタテインメントとなるため、様々なアトラクションを展開している事例や、川崎フロンターレや千葉ロッテマリーンズの試合開催前には、ホームタウンを感じさせる映像をオーロラビジョンで流しながら、スタジアム内のファンやサポーターが自治体の歌を一体となって熱唱する様子などを、画像や動画とを用いながら、紹介されました。また川崎フロンターレが小学校に算数ドリルを提供したり、銭湯とのコラボレーションや地元商店街に選手が挨拶回りに言ったりしている様子についても紹介されました。

 

原田先生は、プロスポーツクラブを始め、スポーツ組織が地域貢献活動に取り組む必要性を、ファンに愛される身近な存在へとなるため、またファンが自ら在住する地域への愛着心を高めるため、そして地域経済へと貢献するためという視点から説明され、このような取り組みが、ひいては観客動員数の増加にも繋がると述べられました。わずかな時間でしたが、学生から活発な質問が寄せられ、スポーツ組織がどのように成果を上げるのかという点を考える上で、学生にとって有意義な特別講義となりました。


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