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2016.11.21 education

2016/11/21 キャリアを聴く:林綾子先生(びわこ成蹊スポーツ大学)のキャリア形成を学ばせていただきました


スポーツキャリアプロジェクトにて、びわこ成蹊大学の林綾子先生をお招きし、ご自身のキャリアについてお話していただきました。
林先生の専門分野は「野外教育」、「冒険教育」、「野外レクリエーション」で、アメリカインディアナ大学にてPh.D.を取得され、現在はびわ湖成蹊大学にて「冒険教育」を普及するための研究と、社会に貢献できる人材を育成することに尽力されています。
「冒険教育」とは主に自然の中に身を置き、冒険の要素を特定の教育目的として持ち、また体験学習として組織的に行う活動です。人と協力して生き延びる経験と他者への思いやりをもつことから社会性を育む、自分に向き合い自分の力で乗り越える体験を通して自己効力感を養う、という教育上のメリットから特にアメリカでは注目を集めています。

林先生のお話の中で強調されたのは、「ワークとライフ、二つのキャリアの融合」でした。
冒険教育という日本ではあまり馴染みのない分野の研究でワークを、2児の母として家族サービスもかかさないライフを、それぞれ充実させておられます。ロールモデルのない難しい道ではありますが、研究と家庭の両立というご自身のスタイルを貫く生き様に心を打たれました。同時に、支えてくれる友人や家族、恩師に対する感謝の気持ちを忘れず、また人と自然との出会いを大切にされているお人柄も、とてもよく伝わってきました。
一方で「素の自分」に立ち返る、というモットーは大学院生の印象に強く残ったようで、自分の胸にそっと手を当て自分のやりたいことは何だろうかと、自分自身に問いかける姿もみられました。仕事の面もプライベートな面も含めた今後のキャリアを考える、貴重な授業となりました。


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2016.11.08 education

2016/11/7 スポーツ栄養教育論において、高崎健康福祉大学教授の木村典代先生にご講演頂きました。


2016年11月7日(月)の4時限目に木曜3時限目の補講として、高崎健康福祉大学の木村典代先生に「卓球選手への栄養教育」についてご講演頂きました。
木村先生は食行動に関する研究をされながら、日本卓球協会のスポーツ医・科学委員でもあり、日本のトップクラスの卓球選手をジュニア期からサポートされています。
まず初めにご自身の研究成果についてお話しされ、その後卓球のトップアスリートの食事情をお話ししてくださいました。


選手の食行動生起に影響を与えるのは、「6つのお皿をそろえる自信」が一番大きいそうです。そのため、まずは選手に食に興味を持ってもらい、6つのお皿をそろえられるよう指導します。その際、男子は自分の身体に興味津々のため測定から実施し、女子は食知識を与えることから始めると、より食に興味を持ってくれて良い効果が得られるそうです。また、学年によっても食行動生起の要因は異なるそうなので、選手一人一人に合った指導が必要なのだと感じました。

また、卓球は一貫指導カリキュラムを実施しており、強い選手はジュニア期から海外で試合をしているそうです。そのため、多い人で年間240日ほど海外遠征に行き、ほとんど日本にいないため、6つのお皿がそろったバランスの良い食事をすることも難しいのが現状です。さらに、遠征中は5日間で25試合もこなし、多い日は1日で9試合もする選手もいるようで、試合間も短く食事をする時間もほとんどありません。野菜に虫がついていたり、集団食中毒になったこともあるそうなので、衛生面への注意も払わなければいけません。そんな中、多くの試合をこなし、良いパフォーマンスを発揮するためには、「選手自身が自分の食を守っていかなければならない」とおっしゃっていました。自分に必要なものを理解して選んで、感謝してアレンジして食べる能力がある選手は、選手生命が長いそうです。
先生のお話を聞いて、どんな状況でも食べられるよう訓練しておくことは、普段の練習と同様に試合で良いパフォーマンスを発揮するために重要なことではないかと感じました。



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2016.11.07 education

2016/11/04 スポーツ指導実習A(サッカー)において、徳島県立鳴門渦潮高等学校女子サッカー部監督の吉成浩司先生にご講演いただきました。


2016年11月4日(金)3限及び4限に、スポーツ健康科学部のコーチング実習科目である「スポーツ指導実習A(サッカー)」において、徳島県立鳴門渦潮高等学校の女子サッカー部監督である吉成浩司先生をゲストスピーカーとして招聘し、「育成年代における「個」に応じた指導」として、講演をいただきました。

吉成先生は、筑波大学卒業後、JリーグやJFLでサッカー選手として活躍された後、中学校の保健体育科の教諭に転身され、男子サッカー部の監督として指導者のキャリアをスタートされました。その後、高等学校の教諭として、男子サッカー部さらには、2012年よりは、高等学校女子サッカー部の監督として、非常に幅広い学年や性別の選手の指導を行ってこられました。現在ご指導されている鳴門渦潮高等学校女子サッカー部は、創部1年目より全国大会出場を果たし、強豪チームに育てつつあります。

講演では、ご自身の選手としてのキャリアから話をはじめられ、指導者としてのキャリアを振り返られ、中学生、高校生、男子、女子と多様な選手をご指導されてきたご経験から、それぞれどのような指導方法による違いがあるのかについて、お話いただきました。その上で、どの年代においても、発育発達に対する理解をベースにおきながら「選手の意見に耳を傾けつつ、選手の言動を詳細に観察し、選手らの思考・判断を我慢して見守り、それぞれの選手の可能性を引き出す」ことを何よりも大切にされているということをお話しいただきました。このことは、サッカーに限らずすべてのスポーツの指導者として重要となることで、受講生の学生からは、「実際にスポーツ指導の現場で活躍されている方のお話しは、非常にためになった」などの意見・感想が多数寄せられ、将来の指導者として必要なことを教えていただき、有意義な授業となりました。

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2016.11.04 education

2016/11/03 産業技術総合研究所 保原浩明先生にご自身のキャリアを話して頂きました。


大学院の前期課程では、高度な「研究力」と「発信力」の習得のために、自らの研究分野だけでなく、隣接する分野の理解も深めて総合的、学際的にアイデアを練る力を養っていきます。その過程では、卒業後のキャリアパス、将来の展望について考え、具体的なイメージを固めていくことも重要となります。

そのようなキャリア形成を支援する科目として、大学院前期課程1回生の必修科目に『スポーツ健康科学キャリアプロジェクト』があります。この授業では、自らの将来のキャリアを見通すために、①キャリアについて自ら学ぶ、②ゲストスピーカーのキャリアを参照する、③自らの研究を話す、④10年後のキャリアをGROWモデルにまとめる、ということを行っています。

今回は、ゲストスピーカーのお話を聴き、整理し、自らのキャリアの参考にする、という②の実践のため、産業技術総合研究所の保原浩明先生をお招きして、ご自身のキャリアについてのお話をうかがいました。

保原先生は、早稲田大学大学院博士後期課程を修了後、国立障害者リハビリテーションセンター研究所、日本学術振興会特別研究員(PD)、メリーランド大学カレッジパーク校を経て、現在は産業技術総合研究所にて義足アスリートの動作解析の研究などに取り組んでおられます。現時点で40本以上の英語論文、60件以上の国際学会発表、そして2013年には国際バイオメカニクス学会より日本人初のPromising Young Scientist Awardを受賞されるなどの国内外での数々の受賞歴に代表されるように、名実ともに世界をリードする研究者です。

スポーツ科学、そして研究者の道を志したきっかけに始まり、大学院博士課程にて取り組まれた「身体運動における下肢のバネ的な振る舞い」に着目した研究と、国立障害者リハビリテーションセンター研究所にて取り組まれた「下肢切断者の義足リハビリテーション」に関する研究を複合する形で、現在の「スポーツ用義足の研究」につながっている事、そして「既存の価値を覆し、新たな価値を創る」事を目指して研究を進めておられる事をお話し頂きました。

お話の中では、今までのキャリア、その過程での気持ち・思考の変化など、失敗談も含めて赤裸々に語って頂き、「研究には紆余曲折がつきもので、失敗を怖がらなくてもいい」という事、「今やりたい事、好きな事を楽しみながらやる」事と「将来に対してビジョンを持つ事」を両立する事の重要性、「好きな事をやる事が、エネルギー源になる」事、そして(自分の専門、使用できる研究設備などに)「こだわらない」事の重要性などを熱く語って頂き、大学院生の今後のキャリア形成にとって非常に刺激的で印象に残る授業となりました。

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2016.08.26 education

2016/8/25 日本体育学会第67回大会にて、本研究科主催のランチョンセミナーが開催されました。



2016/8/25 に大阪体育大学(大阪府泉南郡熊取町)で開催された日本体育学会第67回大会にて、本学研究科主催のランチョンセミナー「立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科の挑戦:『Mの力』の創造」が開催されました。

当日は、田畑泉前学部長による本学研究科の紹介の後、大友智副学部長による「Mの力」の説明とそれを保証するための研究科カリキュラムについて、最後に山浦一保教授による「Mの力」を学生が獲得するための実践例「リーダーシップ特論」についての取り組みが示されました。


100名以上の熱心な大学関係者・院生の参加があり、盛会となりました。






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2016.07.19 education

2016/7/14 スポーツ健康科学セミナーⅡにおいて、大阪市立咲くやこの花中学・高等学校教諭の西井綾氏が「保健体育科教員の仕事」について講演して下さいました。


西井氏は、まず、「保健体育教師といえば?」という質問を学生に投げかけ、それに基づき、学生たちが「体育教師」にどのような印象やイメージを抱き、またどのような教員になりたいと考えているのかを問いかけられました。多くの学生が、「熱血」「厳しい」「スポーツが得意」「生徒との距離が近い」と回答する中で、「生活指導の先生」や「スポーツや健康のことを理論的かつ実践的に教えてくれる人」といった意見も見られ、そのように抱いた印象やイメージにこそ、保健体育教員の現状や理想、さらにはあるべき姿が投影されていると述べられました。

次に、西井氏は、学校という組織がどのような組織であり、その組織で教員がそれぞれどのような役割を果たしているのか、また「教師」としての仕事と、「保健体育教師」としての仕事の違いや、教員にとって大切な「授業」のあり方やそれをどのように教師がプロデュースするべきかについて、具体的な事例を織り交ぜながら、説明されました。中でも教師は、「子どもたちは、なぜ学校に来るのか?」という素朴な疑問の中にこそ、学校の存在や教師が子どもにどのようにかかわるべきかという本質があると説明され、「児童・生徒」をしっかりと知り、多様な子どもたちの事情を把握した上で、「子どもたちの可能性を信じ、その可能性を開花させることに全てを捧げる」という教師にとっての大切なスタンスについて述べられました。また学校教育において、「教科指導と生活指導の両輪」を機能させることが、子どもたちの学校生活の基盤であり、人生を自分の力で歩んでいくための模索期にいる子どもたちに対して、偏狭的にならずに、感受性を高めるために様々なことにチャレンジするように伝えているとも述べられました。

西井氏の講演の中で特に印象に残ったことは、教員が「教師としての自分」を確立する上で、「フィロソフィーとメソッド」が重要であると述べられたことでした。学校には、体育を好きな子もいれば、嫌いな子もいて、また体育が得意な子もいれば、不得意な子もいる中で、特性の異なる子どもたちの可能性をどう伸ばすかということは、教師が子どもたちをどのような眼差しで見つめるべきか、また保健体育科という教科が持つ特性がどこにあるのか、さらには、多様な子どもたちに対して、どのようにアプローチするのかという持ち札(メソッド)の多さが、教師をする上で重要になるということでした。


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2016.07.12 education

2016/07/12 2016年度「研究構想発表会」のポスター展示が始まりました(スポーツ健康科学研究科院生M1主催)!

スポーツ健康科学研究科院生M1が各自の研究テーマを発表する
2016年度「研究構想発表会」に向けて、ポスター展示を行っています。

学部生の学びにも大変役立つ企画ですので、
学部1回生はゼミナール大会の準備に向けて。
2回生以上は、大学院進学・卒業論文執筆・ゼミ選択などの参考にするなど、積極的に活用してください。


★展示期間:7月12日(火)~21日(木)
★展示場所:インテグレーションコア1F廊下
★質問受付時間:7月13日(水)1限目・昼休み、7/15(金)昼休み 
 ※ポスター前にて、作成者に直接質問出来ます。

なお、「研究構想発表会」自体は、7月21日(木)5時限目の授業内にて実施します。
※学部生は傍聴のみ可能。


≪発表者一覧≫----------------------------------------------------------------
・王子田 萌 (身体/家光研)       ・西村 朋浩 (身体/真田研)
・堀居 直希 (身体/家光研)       ・赤熊 亮祐 (身体/長野研)
・下寳 賢人 (身体/伊坂研)       ・工藤 将馬 (身体/長野研)
・田中 大智 (身体/伊坂研)       ・武中 沙葵 (身体/橋本研)
・土金 諒  (身体/伊坂研)       ・近藤 知佳 (人文/海老研)
・三宅 悠斗 (身体/伊坂研)       ・仲山 七虹 (人文/海老研)
・生友 明穂 (身体/後藤研)       ・張 東超  (人文/岡本研)
・檜垣 由梨子(身体/後藤研)        ・日比 健人 (人文/佐久間研)
・間宮 葵   (身体/後藤研)

以上、17名。

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2016.07.11 education

2016/7/8 2016年度立命館大学西園寺育英奨学金給付証書授与式を開催しました。


201678()2016年度立命館大学西園寺育英奨学金給付証書授与式を開催しました。今年度スポーツ健康科学部では、2回生5名、3回生5名、4回生5名の計15名が奨学生として表彰されました。

授与式ではまず、伊坂学部長から祝辞が送られ、一人ひとりに給付証書の授与を行いました。その後、回生を交えたグループ懇談にて、【今までに取り組んできたこと】、【これから実践したいこと】、【将来の目標】などをテーマに語り、お互いに今後の学生生活に向けたアドバイスを送りあうなどして、奨学生としての意識を高めていきました。最後には画用紙に決意表明を書き込み、11分間のスピーチを行って、授与式は終了しました。

学部生のロールモデルとして、奨学生の皆さんのますますの活躍を期待します。

 

■奨学生の決意表明一覧

「スポ健らしい銀行員」、「本質を見極める」、「客観的視野」、「いつも笑顔で」、「今しかできないことを全力で」、「栄養と競技を楽しむ」、「超える力」、「何ごとにも挑戦」、「コク」、「陸上長距離の研究を"極める」、「チェッカーフラッグをみつめる」、「想いを形に」、「カヌーを極める」、「困難も楽しむ!」、「スポ健に恩返し」 

 

当日の様子をスポーツ健康科学部ブログ「あいコアの星」に掲載しております。こちらもご覧ください。

https://www.ritsumei.ac.jp/shs/blog/archive/detail/?date=2016-07-09

 

(奨学生全員の決意表明は、立命館大学びわこくさつキャンパス インテグレーションコア 2階に掲示予定です。)

※「西園寺育英奨学金」とは、学部生の24回生を対象に、前年度の成績優秀者を奨励し、学部の掲げる人材育成目的に沿った人材を育成するための奨学金制度です。


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2016.07.07 education

2016/07/25 <スポーツ健康科学研究科>博士学位授与申請論文【公聴会】を開催します(2016年度9月授与予定)

2016年度9月授与予定の博士学位授与申請論文【公聴会】を開催いたします。
詳細については、下記のお知らせ(公示)をご確認ください。


<2016年度9月授与予定 立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科博士学位授与申請論文【公聴会】のお知らせ(公示)>

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2016.07.05 education

2016年7月1日、スポーツ健康科学部アカデミックラウンジにて、スポーツ健康科学部・研究科特別セミナーを開催致しました。


講師はデンマーク・コペンハーゲン大学のLonnie Petersen 博士(医師)です。

今回、共同研究の関係で日本に招聘することになり、こうしたセミナーの機会を賜りました。

タイトルは「Gravitational physiology and Intracranial Pressure」で、(無)重力環境における姿勢と循環調節についてお話いただきました。

 

我々は2足歩行をしますが、重力の影響で、血液の7割が心臓より下に位置することになります。そうすると、静脈還流量が低下し、心拍出量や動脈血圧の低下を招来し、運動パフォーマンスにも大きく影響してくることになります。

Petersen 博士は、地上での姿勢変化がこうした循環調節に及ぼす影響をお話くださいました。特に、ヒト脳内にカテーテルを挿入し、脳内圧をダイレクトに測定する独創的な技術を有しておられ、姿勢と脳内圧に関する知見をご紹介いただきました。

また、模擬無重力を作るため、飛行機で上昇し、上空から自由落下するパラボリックフライトでの実験の様子やデータを紹介し、重力が循環調節に及ぼす影響を話してくださいました。

 

今回は、英語でのセミナーではありましたが、学部1回生を含む多くの意欲的な学部生、大学院生が聴講してくれました。生理学的な講義において、理解が困難な部分もあったかと思いますが、こうした研究のお話は非常にインパクトがあったものと思われます。


Thank you very much!!

Takeshi Hashimoto



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2016.07.05 education

2016/07/05 本研究科ランチョンセミナー(2016/8/25 日本体育学会第67回大会in大阪体育大学)の申し込みが開始しました。

2016年8月24日(水)~26日(金)、大阪体育大学にて
「スポーツと“ひと・社会”-融合と進歩の先に-」をテーマに、
日本体育学会第67回大会が開催されます。

大会期間中の8月25日(木)には本研究科のランチョンセミナーを開催いたします。
本研究科への進学を検討されている方は、奮ってご参加ください!

≪参加申し込み≫はこちらから。

≪開催予定≫ 
日 時:8月25日(木)12:15~12:45 
会 場:大阪体育大学(大阪府泉南郡熊取町)D203
テーマ:立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科の挑戦:「Mの力」の創造
座 長:田畑 泉(立命館大学スポーツ健康科学部・同研究科 教授)
演 者:大友 智(立命館大学スポーツ健康科学部・同研究科 教授)
    山浦一保(立命館大学スポーツ健康科学部・同研究科 教授)
内 容:本セミナーでは、参会者の皆様に、本学部・研究科が行ってきたカリキュラム改
    革、ならびに、具体的な教育実践に関する情報を提供し、特に博士課程前期課程
    学生に求められる力(Mの力)およびそれを支え、創り出す教学システムの在り
    方について意見交換ができればと考えています。
    教育実践としてM1必修科目「リーダーシップ特論」を例として紹介していきま
    す。

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2016.07.04 education

2016/6/30のキャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において、株式会社ティップネス協業事業部長の藤原孝行氏にお越しいただき、「民間フィットネスクラブの仕事」というテーマでご講演いただきました。


藤原氏は、スポーツ界を賑わす最近のトピックを提示しながら、最初に、今回の授業テーマである「民間フィットネスクラブの仕事」を考える上で、狭い視野に立ってビジネスを捉えるのではなく、スポーツビジネスそのものを取り巻く環境の変化を捉えることの重要性について強調されました。特にオリンピックが商業化されて以降、スポーツという我々の身近な活動の商品価値が高まったこと、またスポーツ産業自体が大規模化と情報化によって進化を遂げ、いまや12兆円の市場規模を構成するスポーツ産業は、無視できない存在となったことを説明されました。そのスポーツ産業の中でもフィットネスクラブの市場規模は、4,000億円弱で国内スポーツ総生産に占める割合は、3.4%であるかも知れないものの、2002年に2,500億円の市場規模であったものが、10年間で1.5倍の大きさに膨れあがったことは、この分野における可能性の大きさを示していると述べられました。さらに、フィットネス先進国のアメリカと比べて、施設数、売上高、会員数は、まだまだ足下にも及んでいないという状況が、むしろ、この業界の潜在的な可能性を物語っていると述べられました。特に、フィットネスクラブ会員の年齢構成を鑑み、60歳以上の会員層の割合が全体の3割を占めることを考え、この業界を成長産業に育てるためには、若年層のライフスタイルにいかにアプローチするかが鍵を握ると述べられました。

藤原氏は、民間フィットネスクラブのトレンドは、「①Small:小型化モデルの展開」「②School:スクール事業の成長」「③Social:自治体との取り組み」といった3つの“S”で捉えることができる説明されました。“Small”については、都市部に5070坪程度の小規模スペースで、24時間対応のフィットネスクラブを展開し、先に述べたような若者層の取り込みに力を入れていると述べられました。“School”についても、トップアスリートの活躍に相まって、保護者がスイミングやダンス、またテニスなどのスクールに子どもを入会させる傾向が強まってきたことに対応し、将来を見越したスクール事業にも力を入れているということでした。そして、“Social”については、特に自治体とのタイアップが可能性を秘めていると述べられ、単に公共施設の指定管理を請け負うだけに留まらず、フィットネス事業から子育て支援事業、また介護予防やまちづくりといった地方創生にこれまでのノウハウをいかに活かせるかが、民間フィットネスクラブの今後の成長を占うと述べられました。

学生からは、民間フィットネスクラブのイメージが変わったという意見や「協業」という民間フィットネスクラブで事業の柱に鳴門いうことを感じたという意見、また会員個人の健康づくりに貢献するという視点から地域活性化の起爆剤に民間フィットネスクラブが貢献する時代になったということを実感する講義であったというコメントなどが寄せられました。


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2016.06.28 education

2016/6/23  京都の老舗、大豆を中心とした豆、穀物問屋、松尾商店専務取締役松尾友喜子氏をお迎えし、スポーツ栄養学の視点を含めた「大豆の魅力と可能性」についてご講義をいただきました。


 大豆には500もの種類が存在すること、品種によって栄養素が違うこと、その特性を活かして大豆製品を作っていること、その他豆腐のおいしい調理法まで、多くの資料と共に“大豆のプロ”の視点から貴重なお話から始まり、、トレーニング後に大豆製品を食べることで筋力をつけたというご自身による体験談をデータとともに示し、「美味しい日本の伝統食」をスポーツ時にも活かす大豆問屋ならではの実践を語られました。

  また、スポーツ時の補食として、「プロテインではなく、もっとおしゃれにたんぱく質を摂取できないだろうか?」というご自身の疑問から、海老研究室と連携し、同じ志を持つ焼き菓子会社石田老舗、それを販売するピンクイオンジャパンと共に「SOY DELI」の開発に至った経緯を話されました。

 終始、京の老舗松尾商店「大豆に懸ける想い」がうかがえる講演でした。

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2016.06.14 education

2016/8/25 日本体育学会第67回大会in大阪体育大学にて、本研究科のランチョンセミナーを開催します。

2016年8月24日(水)~26日(金)、大阪体育大学にて
「スポーツと“ひと・社会”-融合と進歩の先に-」をテーマに、
日本体育学会第67回大会が開催されます。

大会期間中の8月25日(木)には本研究科のランチョンセミナーを開催いたします。
本研究科への進学を検討されている方は、奮ってご参加ください!

≪開催予定≫ 
日 時:8月25日(木)12:15~12:45 
会 場:大阪体育大学(大阪府泉南郡熊取町)D203
テーマ:立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科の挑戦:「Mの力」の創造
座 長:田畑 泉(立命館大学スポーツ健康科学部・同研究科 教授)
演 者:大友 智(立命館大学スポーツ健康科学部・同研究科 教授)
    山浦一保(立命館大学スポーツ健康科学部・同研究科 教授)
内 容:本セミナーでは、参会者の皆様に、本学部・研究科が行ってきたカリキュラム改
    革、ならびに、具体的な教育実践に関する情報を提供し、特に博士課程前期課程
    学生に求められる力(Mの力)およびそれを支え、創り出す教学システムの在り
    方について意見交換ができればと考えています。
    教育実践としてM1必修科目「リーダーシップ特論」を例として紹介していきま
    す。

※最新の情報(開催日時含む)は、大会ホームページにて必ずご確認願います。


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2016.06.27 education

2016/6/18 健康増進科学において早稲田大学教授 竹中晃二先生にご講演いただきました。


健康教育における行動変容モデルの我が国における第一人者の早稲田大学の竹中先生には、健康運動指導士が運動・身体活動の有用性は十分に理解しながらも、なかなか実行に移せない熟考期の対象者を実行期に移動させるための方策に関する理論的背景である行動変容理論に関する授業をしていただきました。

講義は、“行動変容の考え方を持つ-「指導する」から自立支援への転換-”と題して行なわれました。そのなかには、ヘルスコミュニケーションの解説と適用例、身体活動とそのアドヒアランス、行動変容理論・モデル・技法、ステージ調査、セルフエフィカシー(自己効力感)、ソーシャルマーケティング、メンタルヘルス問題と予防措置、プロアクティブ募集方法の開発、逆戻り予防モデル、個別対応:動機づけ面接でした。

受講した学生からは、これまで、身体活動の生活習慣病予防効果を説明すれば、身体活動を増加させてくれると思っていたが、実際には、そうではなく、その人の行動変容に課するステージ毎に異なる方法を使って、行動変容を促すべきでるあることを学んだ。という感想がありました。


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2016.06.27 education

2016/6/16 キャリア形成科目のスポーツ健康科学セミナーⅡでは、ホスピタリティ・コーチでヒューテック株式会社の米田幸子氏に、「ホスピタリティ」とはいかなるものか、また「ホスピタリティ産業」で働くために求められる資質や人材像について、お話しいただきました。


米田氏は、教員志望であった過去のことを振り返り、アメリカでのキャンプカウンセラー体験、また専門学校の教員に携わったことから、管理教育ではなく、人間教育が重要であることを知り、自分のやりたいことが何であったのかを見つめ直し、その結果、大阪サンパレス(現ホテル阪急エキスポパーク)に就職されたことを述べられました。そこで、宿泊、レストラン、婚礼、一般宴会の業務を経験した後、自分の力を試したいと考え、様々なホテルへの転職を試み、最終的に、日本で初めて店舗展開され始めた大阪のリッツ・カールトンに転職されました。そこで、特に携わったウェディングの業務体験について話され、ウェディングプランナーの業務内容について説明されるとともに、ウェディングプランナーという仕事が、お客様の幸せ、また人との絆を感じてもらう仕事であること、さらには、一生輝き続ける思い出をプロデュースすることがウェディングプランナーに求められることなどを説明されました。

現在は、ホスピタリティ・コーチとして、ウェディングをはじめとしたホスピタリティのコンサルティングや企業の社員研修などに従事されていることから、学生に対して、ホテル、テーマパーク、スポーツビジネス、そして教員を事例に取り上げ、「働く」ということが、お客様や生徒に何をもたらすのかをしっかりと考えてほしいというメッセージを述べられました。授業後、受講していた学生からは、「立ち居振る舞いや話し方が、本当にプロフェッショナルだ」という意見が寄せられ、最後の質疑応答でも「最も心に残ったウェディングは?」「取り返しがつかないような失敗談は?」という質問が出され、自らの体験を丁寧に学生に伝えて下さいました。


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2016.06.23 education

2016/06/17 総合科学技術研究機構プロジェクト研究員の福谷充輝先生の研究が「SpringerPlus」に原著論文として掲載されました。


総合科学技術研究機構プロジェクト研究員である福谷充輝先生が、大学院生の御前純さん、伊坂忠夫教授と共同で研究を実施し、その成果が「SpringerPlus」に原著論文として掲載されました。この研究論文によって、ダイナミックな運動中の筋線維の長さ変化は必ずしも関節角度の変化とは一致せず、リラックスした状態から伸張性収縮 (関節角度から判断) を行うと、伸張性収縮局面の初期には筋線維が縮んでいるということが確認されました。この知見は、ランニングやジャンプのようなダイナミックな動作中における、力発揮メカニズムの解明に繋がる可能性があります。

 

Fukutani A, Misaki J, Isaka T. (2016). Influence of preactivation on fascicle behavior during eccentric contraction. SpringerPlus. 5:760. doi: 10.1186/s40064-016-2550-5.

/file.jsp?id=276652

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2016.06.21 education

2016/6/2のキャリア形成科目のスポーツ健康科学セミナーⅡにおいて、ミズノ株式会社スポーツ施設事業部の宇都宮和久氏に「スポーツ用品メーカーの仕事」について講演していただきました。


まず、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」というミズノの経営理念について説明され、中でも創業者である水野利八氏の「ええもんつくりなはれや」というものづくりやその品質に対するこだわりが現在でも、社員に浸透していること、またそのような精神がものづくりだけでなく、ミズノが手掛ける全ての事業や仕事にこの想いが込められているということを述べられました。次に、国内におけるスポーツ用品メーカーの売り上げ構成について説明され、他社と比較して、ミズノがフットウェア(シューズをはじめとした足に履くもの)、アパレル(衣類)、イクイップメント(機器・用品など)などの売上構成比のバランスが取れていることを説明されました。そして、ミズノがこれから世界中に共通する商品カテゴリーの強化や、海外におけるブランディングの強化など、「グローバルビジネス」を拡大していくことが述べられ、このようなグローバル化に対応できる人材を求めていることなどが述べられました。

学生にとって、「憧れ」の企業であるということもあり、学生から活発な質問も出て、宇都宮氏も学生の積極的な姿勢に感心されるとともに、是非、入社を希望してもらいたいという期待のコメントを述べられました。


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2016.06.20 education

2016/06/07 先端スポーツ健康科学特論Ⅰにおいて、国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官の高橋修一先生にご講演いただきました。


 博士課程後期課程では、スポーツと関連を持ちながら、人文社会科学系の研究や自然科学系の研究が行われているが、その中での必修講義に、高橋修一先生をお迎えした。
 当該の講義に、スペシャルゲストとして、国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官の高橋修一先生にお出で頂いた。また、高橋先生は、スポーツ庁政策課教科調査官、という肩書きもお持ちである。
 当日は、「スポーツ庁の概要及び我が国の教育関係予算について」というタイトルでご講義頂いた。

 スポーツ庁は、文化庁と同様に、文部科学省の外局として設置されたスポーツ関連に特化した行政機関である。これまで、スポーツの振興等スポーツに関連する内容は、文部科学省が関わってきた。しかしながら、その他の省庁も、スポーツに関連した内容を取り扱ってきている。例えば、経済産業省では、フィットネス産業やスポーツ用品業なども含めたサービス産業を扱っているし、観光庁では、スポーツツーリズムの推進を扱っている。その他、外務省ではスポーツを通じた国際交流などを扱っている。このように、スポーツに関わって、多くの省庁が扱ってきたが、それらを一元化して、スポーツ庁が扱おう、としている。もちろん、スポーツ庁は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会も扱うが、そのためだけにスポーツ庁ができたのではない。そして、スポーツ庁では、小学校、中学校、そして、高等学校における保健や体育の内容も扱っている。

 ご講演後、博士課程後期課程の大学院生から、様々な質問があったが、それらに対して、大変丁寧にご回答頂いた。高橋先生は、中学校、高等学校の体育に関する内容について責任を担っておられる方で、なかなか、聞けない話をお聞きすることができた。
 また、お出で頂き、お話を聞きたいと思う講演であった。

表紙の写真は、「高橋先生、大変ありがとうございました。」という気持ちを込めた記念写真である。

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2016.06.15 education

「運動生理・生化学特論」の授業において、首都大学東京の眞鍋康子先生に「骨格筋の分泌器官としての役割 -マイオカイン研究の現状と今後への期待-」について授業をして頂きました。


 2016/06/09 「運動生理・生化学特論」において、首都大学東京の眞鍋康子先生に「骨格筋の分泌器官としての役割 -マイオカイン研究の現状と今後への期待-」について授業を行って頂きました。

 マイオカイン(myo:筋、kine:作動物質)とは骨格筋から分泌される生理活性物質であり、血液を介して他の臓器および骨格筋自身に作用するホルモンの1つであるといわれています。従来、骨格筋は身体を動かせる(動作や移動などの運動を行う)ための臓器であるといわれてきましたが、骨格筋からホルモンを分泌することができることが明らかになり、骨格筋から他の組織に対してメッセージを送ることができる臓器であることが明らかになってきました。現在までに複数のマイオカインが同定されてきていますが、運動によって分泌亢進あるいは分泌低下することで運動による適応メカニズムに関与することが明らかになりつつあります。


 健康寿命を延伸させるためには、筋量の維持・増進が必要ですが、運動の刺激によりマイオカインが分泌され、骨格筋自身や他の臓器に対して作用することが運動効果に貢献しているかもしれないということを非常に分かり易くご説明して頂きました。

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