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2016.06.13 education

2016年6月8日運動生理学の授業において、奈良女子大学生活環境科学系准教授の芝崎学先生に、「運動・スポーツ時の体温調節」についてご講義いただきました。


暑かったり寒かったりしたとき、私たちは意識下ではエアコンを調節したり着衣量を調節したりします。一方、無意識下では、発汗や皮膚血管運動、ふるえ熱などによる自律性調節を行います。私たちは、36〜40℃の狭い範囲で体温の恒常性を保っており、運動時に上昇する体温を発汗などで調節する機構は、運動パフォーマンスやコンディションの維持に非常に重要です。

 

こうした導入から、本講義では、体内のどこが温度情報を感知し、どのような生理的システムによって温度調節がなされているかを、非常にわかりやすく丁寧に教授くださいました。

例えば、汗腺にはどのような種類があるのか、その機能はいつから発達してくるのか、発汗量はどのように制御されるのか、汗の成分はどのようなものなのか、暑い場所ではどうして失神が起こり易いか、などの多くの生理的知識を獲得することができたと思います。

 

特に、「良い汗をかく」という言葉に対して、どのような汗をどのようにかくことが良いのか、生理学的に教えていただき、受講生たちも大いに学ぶことができたようです。さらに、発汗に伴う脱水に対しての生理的な説明と、どのような水分補給がいいのか、高齢者はどうして脱水になりやすいのかなど、スポーツ健康科学部生にとって重要な知識をわかりやすく教授くださいました。

 

芝崎先生、ありがとうございました。


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2016.02.01 education

2015/12/17 スポーツ生化学において、順天堂大学スポーツ健康科学研究科の福 典之先生をお招きし、「スポーツと遺伝」というタイトルで講義して頂きました。


スポーツパフォーマンスに対する遺伝子の重要性だけでなく、遺伝子と疾患との関わりなど、幅広い観点から遺伝的要因がスポーツ科学・健康科学にもたらす影響について分かりやすく説明頂きました。

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2016.01.25 education

2016/1/8 特別セミナーにおいて、オーストラリア・エディスコーワン大学 野坂和則教授に、伸張性筋活動に対する筋適応とエディスコーワン大学における研究評価システムについて、ご講演頂きました。


オーストラリア・エディスコーワン大学 野坂和則教授から、①Muscule Damage and Adaptaiton Induced by Eccentric Exercise(伸張性筋収縮による運動に伴う筋損傷および適応)、②Reseaerch Evaluation System in Edith Cowan University(エディスコーワン大学における研究評価システム)という2つのテーマで御講演を頂きました。

前半部分では、伸張性筋収縮を伴う運動後には最大筋力の低下や主観的な痛みなど様々な生理応答がみられること、伸張性筋活動を繰り返して実施する際には繰り返し効果が作用し、2回目の運動時に筋損傷が軽減されることなどを、最新のデータと提示して紹介されました。また、有疾患者への運動処方における伸張性筋活動の有用性にも言及され、健康増進領域やリハビリテーション現場における今後の応用の可能性をご説明頂きました。

後半部分では、研究成果の評価システムの概要や教育と研究とのバランス、学生による教員の評価など、エディスコーワン大学における様々な取り組みに関してお話頂きました。いずれも本学部・研究科における研究力・教育力の向上を図る上で貴重な内容でした。

今回のセミナーでは教員に加え、多数の大学院生や学部生が参加し、メモを取りながら集中して話に聞き入る光景が印象的でした。

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2016.01.22 education

2016/1/7(木)リーダーシップ論、リーダーシップ特論において国土交通省東北地方整備局 総括防災調整官の梅森雄一氏に 『東日本大震災』への対応 -震災時とその後の状況、およびリーダーのあり方とは-というタイトルでご講演いただきました。


 東日本大震災発生から5年が経とうとしている今、この震災の事実を風化させず、今後に活かすことは残された者の課題です。
 そこで、1月7日、リーダーシップ論(学部科目)とリーダーシップ特論(大学院科目)において、国土交通省東北地方整備局 総括防災調整官の梅森雄一氏にお越しいただき、東日本大震災発生時の状況、およびその後の復旧・復興の取り組みの実際についてご講演をいただきました。

その中でも、東日本大震災発生時の映像には、学生が思わず声を上げ、教室全体が緊張感に包まれるほどでした。そして、あれほどの打撃を受けた中で、トップリーダーの決断、組織間の垣根を取り払うリーダーの言葉かけによって、一人一人の復旧・復興へのモチベーションや使命感が掻き立てられ、Liaison(リエゾン:つなぎ)が実現したこと、日ごろからの備えや過去経験からの教訓・訓練によって、実は被害を最小限に食い止めた部分があったこと、等々のエピソードが語られました。

今後、さらなる復興を目指す上では長期的な視点が不可欠であり、特に、後方支援としての健康マネジメントの重要性とともに、本学部・研究科への期待を込めたメッセージを送って頂きました。

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2016.01.13 education

2015/12/23 運動生理学において、循環器系分野で世界的な研究者である東洋大学教授の小河繁彦先生をお招きし、「科学によってスポーツパフォーマンスを向上できるか?」というタイトルで講義をしていただきました。


ある国際学会で「遺伝子の要素は1%?」という発表も含め、環境要因、つまり運動トレーニングや栄養処方などの外的刺激の重要性を指摘されました。したがって、科学的根拠に基づき、適切な刺激を加えることが重要です。

そして、科学とは、物事を数量化し、客観的に捉え、そして一般化することであるとした説明がありました。
そのなかで、運動科学の観点から、運動パフォーマンスの決定要因は複雑であるといった問題点も指摘されました。

各種運動生理学に関する幅広い知見も紹介して頂きました。
特にご自身の専門分野である循環調節に関して、運動中の筋への血流を維持するためにセントラルコマンド筋化学受容器反射などが働くことを概説されました。
さらに、国内外のスポーツ科学の歴史にも触れられました。
運動におけるノーベル賞 AV Hill 筋の熱産生・アイシングに関する研究 Otto マイヤホフ 解糖系・乳酸代謝に関する研究を紹介して頂きました。

そして日本のスポーツ科学では猪飼道夫先生から始まった、パフォーマンス評価において、スキルは評価するのは難しいから、測れるものからやろう!
ということで、筋力や体力(最大酸素摂取量)の測定が活発化した歴史を紹介して頂きました。
ただし、そうした最大酸素摂取量にしても、必ずしもパフォーマンスと直結する指標ではなく、この意味において運動科学分野では一般化できるものが少ないと考えることができることを指摘されました。
また、運動時に呼吸の上がるメカニズムは生理学的に完全に説明できるわけではないことも指摘され、生理学の限界・難しさも認識する必要があるということでした。

このように、運動科学によってパフォーマンスを向上できる部分と限界点があることを示されました。
学部生にとっては、運動生理学の位置づけを理解する貴重な機会であったと思われます。

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2015.12.24 education

2015/12/21 株式会社トゥルーマサ 和田由佳子氏に企業スポーツとプロスポーツにみるチームの組織特性についてご講演頂きました。


2015/12/21来期から東北楽天ゴールデンイーグルスの監督に就任された梨田昌孝氏の個人事務所である株式会社トゥルーマサで、梨田氏をはじめとした元プロスポーツ選手のマネジメント業務に携わっている和田由佳子氏に特別講演をしていただきました。

和田氏は、本学研究科2期修了生であり、先日、五輪出場を決めた女子の7人制ラグビー競技を「イノベーション」と捉え、「女子ラグビー競技の採用を規定する要因の検討」というタイトルの修士論文を執筆されました。
和田氏は、関西ラグビーフットボール協会の業務や梨田氏ほか、元プロスポーツ選手のマネジメント業務にかかわるキャリアを踏まえて、わが国における企業スポーツチームとプロ野球球団のチーム特性と組織マネジメント上の課題について、お話しをされました。

ラグビーを事例に取り上げた企業スポーツチームについては、企業スポーツが果たしてきた役割と共に、その栄枯盛衰や、日本代表チームの活躍、さらには、ラグビー競技のさらなる発展に資する取り組みである「スーパーラグビー」への参戦について説明し、企業スポーツの課題と可能性について述べられました。またパシフィック・リーグを事例に取り上げ、2004年のプロ野球球界再編問題などを振り返りながら、日本野球機構(プロ野球)の構造上の問題やパシフィック・リーグに属する6球団の共同出資によって設立された「パシフィック・リーグ・マーケティング株式会社」の事例を紹介し、チーム経営におけるホームタウンの重要性や各チームで分散しがちなマーケティング戦略を、リーグの統治による統合的なマーケティング戦略を進めることの有効性について、具体事例をあげながら、説明されました。


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2015.12.22 education

2015/12/21 ジュニアコーチング論において、京都サンガF.C.コーチの加藤祐貴子氏にゲストスピ-カ-として、「京都サンガF.C.の普及部の現状と課題 & 女子サッカ-の現状と課題」というテ-マでお話をして頂きました。


ジュニアコ-チング論において、京都サンガF.C.コーチの加藤祐貴子氏にゲストスピ-カ-として、「京都サンガF.C.の普及部の現状と課題 & 女子サッカ-の現状と課題」というテ-マでお話をして頂きました。

Jリ-グチームの普及部は、サッカ-の指導ばかりでなく、スク-ル生を増やすためのイベントなどの企画・運営も仕事のひとつだそうです。特に少子化の影響による会費収入が減少する中、子どもや父母にサッカ-の魅力を伝え、社会のニ-ズに合ったスク-ルを展開などの取り組みを紹介して頂きました。しかし、女性の競技人口は増え続けており、15年前はJリーグに所属する女性のコ-チが2名であったのに対し、現在では45名まで増加したそうです。男子と比べかなり普及はしてきましたが、競技者数は欧米や南米と比べかなり少ないそうです。日本の育成システムが進んでいるのでワールドカップで勝っている状況だということです。今後女子サッカ-の発展のために、中学校、高校の受け皿づくりが重要であるとお話頂きました。

最後に、プロスポ-ツ界は華やかな世界のように見えるが、実際は厳しい世界である。しかし、「夢は見るものではなく、叶えるもの(澤穂希選手談)」の言葉を励みに、女子サッカ-の普及に貢献したいと熱く語って頂きました。

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2015.12.17 education

2015/12/14 スポーツ指導実習において、安田孝志氏と前野奨氏に車いすバスケットボールについて講義および実技指導をしていただきました。


安田・前野両氏は車いすバスケットプレーヤーです。本実習では、アダプテッドスポーツの一つとして車いすバスケットボールを取り上げています。
本実習の最終的目標は、車いすバスケットボールやその他のアダプテッドスポーツ種目の指導力を身につけることです。

しかし、多くの受講生は、車いす操作をすることも初めてであるため、指導能力を養う前に、車いすバスケットボールという競技の基礎的な技能を知ることは重要です。限られた時間の中で、車いすバスケットボールを知ってもらうため、障がい当事者の視点と高い技術力から講義および実技指導をしていただきました。

安田氏は軽度障がい、前野氏は重度障がいがあり、それぞれの身体機能と車いすバスケットボールで必要とされる技能、戦術の違いなど、お二人でなくてはできない講義、実践指導をしていただきました。
普段は、女子学生の勢いに圧倒されがちなクラスですが、本時間においては全受講生が積極的に参加し、あちこちで歓声があがる姿が見られました。また、車いすバスケットボールにより、医学的には動かないはずの部位が動くようになっているというお二人のお話しにも受講生は興味を持っている様子でした。   

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2015.12.14 education

ベースボールマガジン社 ラグビーマガジン ラグビークリニック編集長の田村一博氏に「ラグビーと食の関係を伝える」についてご講演いただきました。


ベースボールマガジン社 ラグビーマガジン ラグビークリニック編集長の田村一博氏をお迎えし、編集者として「伝える」という事、についてご講義をいただきました。
 自己紹介の後、ラグビーの歴史、世界各国のラグビーについて、ワールドカップについて等、たくさんの写真と共に、プロの視点から貴重なお話をいただくことができました。

 食の話では、まず選手の耳のアップの写真を紹介。「どれが一番立派な餃子でしょう?」から始まり、今回のワールドカップ日本代表監督、エディ・ジョーンズの「食事時間中の携帯電話禁止」等、ラグビーと食の深い関係をご紹介いただきました。

 また、ラグビークリニックにて10年間連載中の「ラグビー食」の記事の紹介、雑誌の中においての意味についての話は、現在、授業のグループワークとして作成中の「栄養教育媒体」にも参考になるものでした。
講義後学生から「編集者としての視点として重要な事は?」「ラグビーより知名度の低いアメフトの知名度を上げるには?」「ワールドカップ後、注目を集めてから紙面作りの変化は?」等、積極的な質問が寄せられました。

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2015.11.26 education

2015/11/19 「特定保健指導論」において、明治安田厚生事業団の朽木勤先生に「民間企業における特定保健指導の実際」についてご講演頂きました。


明治安田厚生事業団で、実際に特定保健指導をご担当されている朽木勤先生に「民間企業における特定保健指導の実際」についてご講演頂きました。

講義は、メタボ対策の必要性と特定保健指導の制度導入の経緯、身体活動・運動支援についてわかりやすく解説頂きました。
この制度は、日本独自の健康づくり施策であり、健康寿命の延伸として世界中で注目されています。
特に、経済的な負担の少ない身体活動・運動支援は、メタボ対策としても効果が大きく、近年注目されています。

特定保健指導の現場での具体的な内容や身体活動・運動支援についてポイント等、実例を交えながら説明頂き、
特定保健指導の全体的なイメージを理解することができました。



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2015.11.19 education

2015/11/18(水) 2016年度小学校教諭免許状取得プログラムの独自ガイダンスを開催


2015/11/18() 2016年度小学校教諭免許状取得プログラムの独自ガイダンスを開催しました。

佛教大学通信教育課程との協定に基づき、2013年度より開始した本プログラムは、本学における中学校教諭一種免許状の取得を条件に小学校教諭一種免許状の取得を目指します。

スポーツ健康科学部の学生も毎年10名程度が本プログラムを受講しており、今年の教員採用試験で見事1名の合格者を輩出しています!

※今年度は定員50名、履修期間は2016年4月1日~2019年3月25日の3年間。

 学部独自ガイダンスには、小学校教諭に関心のある1回生が多く参加し、本プログラムを受講中の先輩との情報交換会で、プログラム内容に関する内容や勉強方法など積極的に質問をしていた姿が印象的でした。先輩からは「お金もかかり授業も大変なイメージがあるかもしれないが、計画的に受講すれば単位は取得できる。僕は音楽の実技テストに苦戦したが、何事も本気で取り組むことが大事」と熱いアドバイスをしてくれました。

  

小学校教諭一種免許状の取得を目指している1回生の皆さんは、下記日程で募集ガイダンスを実施しますので、関心のある方は是非とも出席してください!

【小学校教諭一種免許状取得プログラム募集説明会】

日時:1120()16:3017:50 

場所:立命館大学 びわこ・くさつキャンパス フォレスト111


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2015.08.06 education

2015/07/06 「スポーツトレーニング特論」において、大阪市立大学 都市健康・スポーツ研究センター 大学院医学研究科の岡崎 和伸先生に「高所トレーニングによる血液量・最大酸素摂取量の増加」についてご講演頂きました。


本講義では、高所トレーニングが血液量を増加させる生理機序やその効果の大きさに関わる個人差を規定する要因を重点的に説明して頂きました。特に、高所トレーニングの効果や血液量の増加には、エリスロポエチンの応答が鍵を握ることを複数の研究結果をもとに解説されました。その説明は論理的で、専門外の受講生にも容易に理解できるものでした。本講義を通して、競技力向上に広く活用されている高所トレーニングの効果的な実施方法に関する最新の情報を得ることができました。講義内容に対する受講生の関心はきわめて高く、講義中には質疑応答が活発に行われました。

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2015.07.27 education

2015/07/26 立命館大学『スポーツ健康科学部夏期体験セミナー2015』&スポーツ健康科学部オープンキャンパス


表記のイベントを開催しました。


 夏期体験セミナーは、高校生を対象にし、午前の部は、長野先生による「優れた競技パフォーマンスの秘密を探る(スポーツ動作解析)」の実習、午後は、真田先生・藤田先生による「合理的な筋力トレーニング&有酸素トレーニング」ならびに、栗原先生による「MRIで身体の中を覗いてみよう(体組成測定)」の実習を行いました。



受講生は、高校1年生から3年生まで幅広く、非常にスポーツ健康科学の体験学習を楽しんでおりました。

 

受講後に、未来博士号(スポーツ健康科学)の修了書を受け取って、この分野へのモチベーションをさらに高めてくれていました。(なお、本イベントは、科研費を扱っている日本学術振興会のひらめき☆ときめきサイエンス(https://www.jsps.go.jp/hirameki/ )による助成を受けているものです。)

 

また、昼の時間に開催した、学部単独のオープンキャンパスでは、学部の説明、施設・機器紹介、長野先生のミニ講義を受けて、スポーツ健康科学部の教育内容と研究内容の一端を知ってもらうことができました。


 

参加者と密なコミュニケーションがとれ、「スポーツ健康科学部」を肌で知ってもらうことができました。


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2015.07.23 education

2015/07/17 「運動処方論」において、近畿大学の谷本道哉先生に「トレーニング科学に蔓延する誤解・都市伝説」についてご講演頂きました。


メディアへも頻繁に登場する近畿大学の谷本道哉先生に「トレーニング科学に蔓延する誤解・都市伝説」についてご講演頂きました。

 ウエイトマシンではインナーマッスルが鍛えられない!?もたれるだけで腹筋強化!?アミノ酸摂取だけで筋量が増加!?DHA3粒でマグロの赤身約24切れ分を含有!?など主にメディアやパンフレットでの広告を題材に、谷本先生らしく辛口なトークで非科学的な広告の矛盾点を突いていました。我々はスポーツ健康科学の学問に携わる者であり、このような広告にいち早く気づき、自ら積極的に指摘すべきであると述べられていました。特に、アミノ酸サプリの企業広告についての自社調べのデータに関する議論では、学生が「コントロール群がなく、筋量の増加がトレーニングの影響かサプリの影響かが区別できない」点を指摘し、さすがにスポーツ健康科学部の学生だと感心されてました。

 どのトピックスについても現在話題となっており、一般の人が興味を持っている内容で、正しい知識も深まったと思います。3回生は、夏季休暇中に「健康運動指導士・現場実習」を控えており、スポーツクラブなどでは会員の方からの質問を受けそうなテーマでしたので、とてもタイムリーな講義となりました。


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2015.07.23 education

2015/07/02 「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において、株式会社エディオン マーケティング統括部 マーケティング部長 藤井伸一郎氏、株式会社エディオン 人事部労務・採用課 小谷圭司氏・福永真衣子氏に家電業界・家電量販店の仕事と役割:企業とスポーツのかかわり方について、ご講演頂きました。


株式会社エディオンから3名の方をお招きし、家電業界・家電量販店の仕事と役割、とりわけ、企業とスポーツのかかわり方に触れながら、求められる人材像や業界の可能性について講義をして頂きました。まず、人事部の小谷氏からは、株式会社エディオンの成り立ちや業界での位置づけ、また企業理念や社風について紹介して頂きました。特にお客様第一主義の実現をめざして、医師が患者に接する際に行う「問診」と同様、顧客の不安や問題を解決するために行われる「問診接客」を実施していることや、買い換えをしてもらわなければ、事業が成立しない家電量販店において、あえて買い換えではなく、買った後、安心で、ずっとお客様に満足してもらうために、商品補償やアフターサービスなど、長くお客様と関係を築くための工夫などについて述べられました。また大学時代に全国制覇まで成し遂げた体育会の経験談と、その後の自身の職業選択の経緯、またエディオンとの出会いなどについて紹介され、就職試験、特に面接時において、相手(採用担当者)に興味を持ってもらうためには、笑顔と挨拶、そして相手に対する配慮や思いやりがベースとなり、その上で、次のステップへと進むことができるなど、具体的な助言を学生にして下さいました。

次に、現在は、人事部採用担当に配属されているものの、高校時代に陸上競技、特に駅伝で全国トップレベルの競技成績を残し、その後、大学進学、そしてエディオンの陸上競技部に所属していた福永氏から企業がスポーツチームを保有する意味、またスポーツや競技を通じて、どのようなことを培うべきかについて語って下さいました。福永氏は、就職後も競技に携わる中で、高い目標に対してチャレンジし、努力することが、企業が大切とする「世界へのチャレンジ」につながること、社員をはじめとした会社や地域社会の声援を受けることによって、夢を共有することにもつながること、そして何よりも陸上競技を通じた地域貢献が企業スポーツにおいて重要であることを知ることができたと述べられました。またスポーツで培った相手を思いやり、気遣い、そして助け合い、支え合うことはチームワークに、挨拶や礼儀は仕事上だけでなく、人として欠かせないコミュニケーション力に、そして自己と対話し、様々な変化に気づくための自己管理能力は、移り変わりの早い社会への適応能力につながったと述べられました。

最後に、エディオンのブランディングに手掛ける藤井氏からは、異なる4つの地域をベースに事業展開をしてきた4社が一緒になって創設した株式会社エディオンのマーケティング戦略について述べられました。特に、4つの企業によって新しく創られたエディオンの認知度を向上させるために、世界的歌手のセリーヌ・ディオン氏を起用したCMの経緯をはじめ、4つの拠点地区をベースにしたスポーツへの支援、USJのパビリオンのプロデュース、京都マラソンにおけるボランティアスタッフが着用する帽子やヤッケといったグッズへの協賛、そして小学館とのコラボレーションによって実現される「家電のひみつ」という書籍の製作など、これら全てが地域社会への貢献であり、地域から愛されたいという想いであり、そして手掛けたことがエディオンのファンを創ることにつながると述べられました。そして、このようなブランディングに対する取り組みが、結果的には、社員のモチベーションのアップや社に対する誇り(プライド)につながるということであった。また家電業界の可能性として、エディオンが手掛けるリフォーム事業を紹介し、家電量販店として蓄積してきたノウハウを、人々の暮らしのサポートに活かすような「モノからコトへ」と事業視点が変わっていることが述べられました。つまり、単なる家電販売ではなく、家電を通じた新しい生き方やライフスタイルの提案に手掛けていることなどを、二子玉川で展開している「蔦屋家電」などの事業を紹介しながら、家電業界ならびに家電量販店のビジネスチャンスについて学生にわかりやすく説明して頂きました。


 

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2015.07.22 education

2015/07/02 「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において、大日本印刷株式会社 放送事業部 企画本部 秋本浩児氏に印刷会社の仕事と役割についてご講演頂きました。


本学の校友である秋本氏は、自ら手掛けられた具体的な仕事を紹介しながら、画像や演習形式を交えながら、学生の興味・関心を寄せるように講義を進めて頂きました。先にも述べたように、本学OBでもある秋本氏は、まず、働くことについて、「後悔しない職業選択をする」ということを大切にしてほしいとメッセージされました。企業との出会いは、何がきっかけかわからないために、自分自身が「働く」ということに意味づけを持っていなければ、結果的に長続きもしないということでした。それは、転職は諸事情を鑑みれば、自分の専門性やポジショニング、強みを活かしてキャリアアップを図るにしてもそう容易なことではないと述べられました。また大日本印刷の事例を取り上げ、企業の可能性を表面上で捉えるだけではなく、会社内部で仕事をする自分自身でも十分認識が及ばないぐらい、企業の仕事や役割、機能は多様化しており、そのような可能性をしっかりと企業研究で捉えてほしいと述べられました。

秋本氏は、パッケージデザインや包装の形態だけでなく、商品企画や販売促進に至までの多岐に業務が渡る自身が配属されている「包装事業部企画本部」の具体的な仕事について紹介して頂きました。特に、グリコ、ネスレ、JRなど、パッケージのデザインだけでなく、企業間のコラボレーションや販売促進など、質だけでなく、比較対象となる量もアイディアには求められるため、企画と営業力の両者が仕事上で重要であることを述べられました。そのため、社会の様々なことにアンテナを張り、情報収集しておき、クライアントのニーズをキャッチした上で、正統派のアイディアだけでなく、奇抜なものや斬新なもの、またイメージを刷新するようなものなど、企画に込められたメッセージを意味づけるといいます。特に商品化において重要視されることが、「新規性」であるため、これまでと異なり、何が新しいのかをアピールするとともに、異なる業種、異なる商品カテゴリーなど、これまでの様々なアイディアを組み合わせて、新しいものを創り上げるのだと述べられました。

社会の変化は早く、また激しいため、そのようなスピード感についていくことと、ワクワクしながら仕事に取り組むことを忘れずに、これからの職業選択に望んでほしいと最後にメッセージを学生に残して頂きました。



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2015.07.22 education

2015/06/18 「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において大阪市教育委員会事務局指導部 高等学校教育担当主任指導主事 川口伊佐夫氏に保健体育教諭の仕事と役割についてご講演頂きました。


高等学校保健体育教諭である川口氏は、現在、大阪市教育委員会において行政職に携わる中で、「1. 一流と二流」「2. 感性を養う」「3. 叱咤激励」「4. 体育教師として」という4つの観点から保健体育教諭の仕事と役割について、話を進められました。特に印象深く、受講生の心を捉えていたのが、「さかなは、サ・カ・ナ…」の話でした。魚は生物として、海や川で生息している時にも、またスーパーや料亭で商品として陳列されても「魚」であることには変わりないが、人間は死んでからでは、「人間」とは呼ばず、魚と違い、「生きているということ」、それが人間を意味づけると述べられた。つまり、生きているということは、その時にしかできないこと、それに専心しているかが問われるという意味です。

また「一流と二流」の話では、「もうアカン」が二流であり、二流は自己限定的で、自分で限界を決めてしまうのに対して、一流は、「まだアカン」という発想で、飽くなき探究心と自己向上心が旺盛であると述べられました。それは、学生時代から保健体育教諭を志していた川口氏の経験談からも述べられ、「人に教える」ということを経験して学ぶために、スイミングやスキーのインストラクターをアルバイトとして選び、アルバイトですら「人に教える」ということに徹底的にこだわったそうです。そして、学生と社会人の決定的な違いは、何かの行為をする場所や環境を与えられているか否かであり、社会人は、表面上で与えられている環境に甘んじるのではなく、自分が自分らしく輝くためのがんばる場所を自分自身で1から創り上げ、自分一人で闘うことが求められると述べられました。

講義の中で、哲学者トルストイの「人生最大の悪とは、“鈍感”である」という言葉を紹介され、感性を養い、磨くことの重要性、中でも相手や様々な出来事に関心を持ち、自分で何かを感じようとしなければ感性は磨かれないため、メモを取り、変化に気づき、様々な角度から物事を捉えることができるような人間力、つまり「らしさ」に磨きをかけて、社会という荒波で勝負してもらいたいと述べられました。



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2015.07.21 education

2015/06/04 「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において株式会社テレビ朝日 スポーツ局 スポーツコメンテーター宮嶋泰子氏に マスメディア・テレビ局の仕事と役割についてご講演頂きました。


宮嶋氏は、「1. テレビ局の組織」「2. 社会とのかかわり方」「3. スポーツを通して社会を見る」といった3つの視点からマスメディア、とりわけテレビ局の社会における役割について、多様な取材経験と事例に基づき述べられました。中でもテレビ局の組織が大規模化し、完全分業制で仕事が進むため、例えば、我々が目にするスポーツ中継であっても、まるで自動車の製造工場と変わらないぐらい、番組製作の組み立てはシステマティックに進められるといいます。またテレビ局の仕事は、国による「許認可事業」であるため、テレビが追うべき社会の理想にしたがい、番組編成や取り上げるべき内容の優先順位が必ずしも決まらないというところに、仕事の難しさがあると述べられました。それは、1953年2月1日にNHKが国内初のテレビ放送を開始し、同年に日本テレビが開局して「街頭テレビ」が設置され、大衆の関心を集めたものの、その背景には、戦後、アメリカに半ば支配されるわが国において、国民が状況を憂い、暴動や労使紛争にエネルギーが向かないよう、「社会のガス抜き」としてテレビ放送が用いられたといいます。とりわけ、国民の関心が高いスポーツ中継は、ある意味、社会で起こる重要な出来事から国民の関心をそらせるために、利用されてきたといっても過言ではないと述べられました。

そのような状況で、宮嶋氏は、スポーツや健康について学ぶ本学部の学生に対して、スポーツが優れたコンテンツであると手放しで賞賛するのではなく、「スポーツにおける違和感」を察してほしいとメッセージを送られました。それは、スポーツ、またスポーツにまつわる様々な現象を、スポーツにかかわる人間として、内側から評価をするのではなく、社会がスポーツをどう見ているのか、外側から現象を見つめる客観的な視点を持ってほしいということでした。つまり、スポーツがどのように発展し、進化を遂げるかという視点からだけではなく、スポーツによって社会は変えられるのか、スポーツが社会の発展にどう貢献できるのか、そのような視点を持ってほしいということでした。その意味では、テレビ局に求められる人材像は、「スペシャルな能力を持ち備えたジェネラリスト」であると述べられました。

奇しくも特別講義の当日に、宮嶋氏が手掛け、「報道ステーション」で放送された「なでしこジャパン」のキャプテンである宮間選手の特集番組が、後々数多くの報道番組で取り上げられている「女子サッカーをブームではなく、文化として定着させたい」という端緒となってます。



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2015.07.09 education

2015/06/26 株式会社リンクスポーツエンタテインメント セールスグループ スポンサー担当 多田 敦氏に バスケットボール界の構造についてご講演して頂きました。


多田 敦氏ご自身の具体的な仕事の内容に加え、今、スポーツ界で一つのトピックとなっているわが国バスケットボール界の構造をアメリカ型、ヨーロッパ型のプロスポーツとも照らし合わせながらお話頂きました。また、NBLbjリーグからJPBLへの道筋、何が問題であったのかなど、日本のバスケットボール界を取り巻く、到達点と課題について講義され、問題提起が行われました。

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2015.07.03 education

2015/07/02 「運動生理・生化学特論」において、専修大学の相澤勝治先生に「骨格筋から産生される性ホルモンとその役割」について授業を行って頂きました。


 2015/07/02 「運動生理・生化学特論」において、専修大学の相澤勝治先生に「骨格筋から産生される性ホルモンとその役割」について授業を行って頂きました。

性ステロイドホルモンは従来、卵巣・精巣から主に分泌されているが、近年では骨格筋からも性ホルモンを産生することができることが明らかになってきました。それだけでなく、一過性の運動によって骨格筋の産生は増え、その産生の増加は性差があること、慢性的なトレーニングによっても骨格筋の性ホルモン産生が増加することなどを分かり易く説明して頂きました。また、性ステロイドホルモンの中の活性型テストステロンを合成する酵素である5alpha-reductaseを強発現させたときの骨格筋細胞の応答を検討した結果、活性型テストステロンの産生や筋量が増加すること、筋委縮を抑制されることやタンパク分解遺伝子発現を抑制することを明らかにしたという非常に興味深いデータをご紹介して頂きました

 

さらに、これらの分子生物学的な情報を活用し、女性アスリートに対してのコンディショニングに関するサポートを行っている活動に関しても紹介して頂きました。現在の女性アスリートは20%程度の月経異常が生じているがその現状や性ホルモン分泌異常に関与することやコンディショニングのために必要な知識を向上させる活動を行っていることもお話しして頂きました。


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