2015.06.23 education
2015/06/19 NS研究会α第18回定例会にて、共通教育推進機構講師の那須大毅先生に、「投げの正確性に関連する諸要因」について講演して頂きました。
2015/06/19 NS研究会α第18回定例会にて、共通教育推進機構講師の那須大毅先生に、「投げの正確性に関連する諸要因」について講演して頂きました。
物体を“正確かつ速く”投げる運動は、ヒトでのみ発達が見られる高度な運動です。那須先生は投動作における正確性に着目し、これまで研究を行ってこられました。
講演の前半では、身体運動の冗長性とその制御に関わる理論について、関連する先行研究の結果を含めてご説明いただきました。モーションキャプチャシステムなど、現在主流となっている動作解析手法が確立される以前から、それらの理論が提唱されていた点が非常に印象的でした。
また、それらの理論を応用し、ダーツ投げ動作を解析したご自身の研究についても解説していただきました。研究結果からは、熟練した競技者の中でも、主に2種類の異なるストラテジーを用いてダーツを的に命中させていることが明らかになっていました。これらのストラテジーの違いは、個々の競技者におけるリスクに対する感受性の違いに起因するのではないかと考察されていました。
講演終盤には、投動作の制御に関わる研究が、認知・運動心理学や神経科学、バイオメカニクスの分野ごとに独立して検討されていることに言及されていました。まずは、投動作の制御に関わる諸要因をまとめて全体像を把握し、自分の分野ではどの部分の解明に貢献できるかをよく考えた上で研究に臨むことが重要であると述べられていました。