(5)まとめ(今後の課題)
66名から回答していただいたアンケートの回答を集計分析することで、CAの人達のなかで重要だと認識されているスキルがあきらかになった。とくに個人的能力、自己のトレーニングで完結しうるスキルへの重視では一致している。 また解答者のプロフィール 〜「電子メールの使用有無」「キャリアの捉え方」「職種」「一緒に働く人数」「性別」〜 と重視するスキルとの関連について検討した。職種との関連はみとめられなかったがその他の要素は大切に考えるスキルとの関連がありうることが確認できた。
一時間あまりのインタビュー調査では、事前にある程度きき出すポイントについて打ち合わせはしたが、実際にはフォーマットはほとんどなしで担当者(2人一組)の判断でインタビューを進行した。 職場の雰囲気・環境、上司、コミュニケーションの手段、キャリア・スキル、グループワーク、チーム、などに関わる話題が展開し、学生とOBならではの貴重なホンネのお話を伺うことが実現した。
そしてこのCA調査以降、プロジェクトではインタビュー記録とアンケートデータをベースに電子会議室やミーティングなどの場で、キャリア概念や社会人の悩み、グループワークに関係する議論が活発にかわされた。今回の報告書では11種類に整理したが、電子メールの普及など身近なことからSOHOなど最新のテーマまでひろがった。今後グループワークのコンセプトモデルの研究開発をすすめる方向性に関するアイデアの蓄積がすすんだといえよう。
プロジェクトは教材の具体的なイメージの検討にはいっているが、グループワークそのものを学ぶものにするのかグループワークを方法論として学んでいくのかという点で議論がつづいている。 教材プロトタイプに関連するCA調査の分析結果としては次のような点があげられる。1)社会人1〜5年までというターゲット層のうち、社会人2〜3年目のあたりでキャリアやスキルに対する意識面でひとつ区切りがありそうであるということ。2)そして社会に出てある仕事スタイルの環境の下で働きながら、人びとは自分がつぎに何を身につけるべきかをいかにして見極めているのか?という点に注目する必要があるのではないかということである。
インタビュー/アンケートの構成分析ともに今回のCA(キャリアア・ドバイザー)調査は有益なものであったが、最後に調査方法にかんする課題をまとめておきたい。 この報告書で指摘してきた内容を活かしてインタビューで聞き出す項目を絞り、より比較のしやすいヒアリング方法をつくること。またアンケートも同様に、項目の追加修正することとスキル体系を見直すことが必要だろう。そして、ぜひ調査対象を教材のターゲット層よりも拡大(とくに上の方に)していきたい。
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