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障害・行動分析クラスター紹介

対人援助における目標を、当事者の行動の選択肢の拡大とおき、以下のような援助、援護、教授という3つの連環的作業によって行うことを方法とします(「対人援助学の可能性」福村書店、2010、「対人援助学キーワード集」晃洋書房、2009など参照のこと)。諸活動を可能にするための教育・訓練プログラムの作成とその実践(教授的アプローチ)、障害を持ちながらも先送りにすることなく社会参加を可能にする援助機器や人的援助システムの設計・設定(援助的アプローチ)、それを環境に定着させるために周囲に要請する作業(援護的アプローチ)の3つのアプローチを基にして研究・実践していきます。

教授的アプローチ

諸活動を可能にするための教育・訓練プログラムの作成とその実践

援助的アプローチ

障害を持ちながらも先送りにすることなく社会参加を可能にする援助機器や人的援助システムの設計・設定

援護的アプローチ

環境に定着させるために周囲に要請する作業

教員紹介

クラスター推薦図書

  障害・行動分析クラスターでは、広義の「障害」を、当事者が求める(あるいは潜在的に求め得る)行為とその選択の機会が、現状環境との関係において十全に成立していない状況であると捉えます。当クラスターでは、対人援助というものを、当事者の「行動の選択肢の拡大」(=QOLの拡大)の継続的な実現に向け、「援助」「援護」「教授」という3つの連環的作業を関係する援助者が「連携」しながら実践する包括的作業であると考えます。「行動分析」とは、そのような対人援助作業の手続きの決定や、その効果を確認するための方法論として採用しています。受験生諸君には、1)障害を個人的(生物的)属性としてではなく、前記したように、環境との関係としてとらえる理念のありかた、2)行動分析学については、個別の手続きや技法を、それが前記した連環的作業や障害の理念にどのように沿ったものであるかを、絶えず認識しつつ勉強してきてもらいたいと思います。

・「対人援助の心理学」望月昭 編 朝倉書店,2007年
・「臨床心理学をまなぶ5 コミュニティ・アプローチ」高畠克子 編 東京大学出版会,2011年
・ 「はじめての応用行動分析」日本語版 第2版 ポール・A.アルバート アン・C.トルートマン 佐久間徹・谷 晋二・大野裕史 訳,二瓶社,2004年
・ 「臨床行動分析のABC」J. ランメロ N. トールネケ 松見淳子 監修 武藤崇・米山直樹 監訳 日本評論社,2009年

院生からみたクラスター

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A.I.さん(2010年度修了)

私のこれまでの仕事は、主に『ディレクション』であった。ディレクションの多くは他者の想いやアイデアを具現化することにある。他者の夢を実現するお手伝いをする仕事は、とてもやりがいのあるものだ。 しかし一方で、その他者ありきの仕事故に、「自分は発案者より格下の二番手だ」、「自分に専門性はあるのだろうか」と考えてしまうこともある。 そんな思考のパラダイムを、対人援助学は一変させてしまう。他者を引き立てることの専門性を主張する学範なのである。 対人援助学は、私に『人の夢を叶えるスペシャリスト』、『人の夢を後押しするスペシャリスト』としての確信を与えてくれた。