所長挨拶

所長 杉橋 隆夫 

2014年正月に所長を拝命しました。私はこれまで日本中世史を専攻し、古文書学を研究してきましたので、白川静先生の授業を直接受講した経験はないものの、学内外で催された講筵に列し、各種著作から大いに感銘を覚えました。歴代所長のように、学園全体の重職にあってこれを兼務するわけでも、白川文字学に直接する深い学殖を有するものでもありませんが、本職への就任を名誉と心得、職責を全うすべく力を尽くす覚悟です。
当研究所の業務は、白川博士の研究業績を基に、東洋文字文化研究の振興および啓蒙・普及をはかるところにあります。私の専門分野である日本古文書学は、白川学の神髄からは、一見離れたところにあるように感じられますが、そもそも白川先生の研究の出発点の一つが『万葉集』であったように、広く東洋の文字文化を包括的に追究する姿勢は、当初から備わった重要な構成要素であったといえます。また白川名誉教授が想定し、かつて厳然として存在した「東洋」-漢字と漢字文化を共有しながら、各民族が独自の文化を発展させた社会-の考察は、現今のアジア地域を巡る情勢に照らしても、ますますその意義を増してきていると考えます。
本研究所は、甲骨・金文をはじめ漢字研究の深化と普及をいっそう推進するとともに、学内外の研究機関・教育システムとの連携を強め、新しい今日的課題にも対応して行きたいと思います。

立命館大学 白川靜記念東洋文字文化研究所 
所長 杉橋 隆夫 

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