この頃の大学評価・IR室

アーカイブ/2019年度

スーパーグローバル大学創成支援事業に関する外部評価委員会を開催しました

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天狗先生

 立命館大学は、2014年度にスーパーグローバル大学創成支援事業に採択され、そこで掲げた構想の実現に向けて、国際化戦略「グローバル・イニシアティブ」を推進しています。
 本学では、外部有識者の評価を得て、取り組みの客観性を保つとともに、大学の国際通用性、開放性、交流性の観点から達成度の成果に関して意見交換を行い、その結果を事業に反映し、さらに質の高い取り組みの展開につなげていくことを目的として外部評価委員会を設けています。第1回目の外部評価を2016年度に受審し、この3月11日に第2回目の外部評価を受審しました。

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 このたびの外部評価では、アウトカム(アウトプットがもたらす状況の変化、人の行動変容、その他の成果)と関連付けて、事業の成果または発展への課題等の評価を行うこととしました。また、本学が作成したロジックモデルや、補助金終了後を見据えた自走化の計画と進捗について ①国際通用性の強化及び国際競争力の向上と ②財源確保の2つの観点から評価を行って頂きました。
 学長からの開会挨拶に続いて、教学担当副学長から本学のロジックモデルでは、中期計画R2030において「グローバル社会への主体的な貢献」を政策目標の一つとして掲げ、「グローバル・アジア・コミュニティの持続可能な発展に貢献する多文化協働人材の輩出」を社会へのインパクトとして示していることが紹介されました。
 また、国際部長から、数値目標の達成状況として、外国人教職員や女性教職員の割合、留学生の受け入れや海外派遣人数、外国語による科目数や英語コース数、学生や職員の語学レベル、混住型宿舎の収容人数などについて数値データやグラフを用いた紹介がありました。
 外部評価委員からは、オーストラリア国立大学とのデュアル・ディグリー(ダブル・ディグリー)プログラムやアメリカン大学とのジョイント・ディグリー・プログラム(共同学位課程)が正規の課程として安定的に開講されている点等に対して長所としての評価を頂くとともに、今後に向けた課題について示唆に富んだ多面的なご意見を頂戴することができ、学外からの評価の重要性を再認識する非常に有意義な機会となりました。
 また、合理化や効率化だけではなく、グローバル・イニシアティブで生み出されたリソースの有効活用も含めて自走化を具体化させ、先進的かつ多様な取り組みのモデルを提起してほしいとの感想を頂きました。
 最後に、学長から、本学が歴史的に重んじてきた「ダイバーシティ」の中にグローバル化を進める意義があること、数値を追いかけるのではなく内実化を進めることが重要である旨の認識が示されました。
 大学評価・IR室でも、適切な指標づくりやモニタリング等において、支援を進めていきたいと思います。

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大学評価・IR室開設記念シンポジウム特集ITL Newsが発行されました 

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天狗先生

 昨年開催した大学評価・IR室開設記念シンポジウム「大学の内部質保証をどう実現するか―認証評価やIRの視点から―」を特集したニュースレター『ITL News』が、本学教育開発推進機構から発行されました。
 このシンポジウムは、教学的にも非常に重要なテーマであるとの認識から、教育開発推進機構内の教育・学修支援センターとの共催により開催したものです。自己評価委員会や教学部の呼びかけのもと、当日は学部・研究科をはじめとした各部署から広く教職員の参加がありました。
 特集では、ご登壇頂いた方々に改めてその要旨をまとめて頂きましたので、シンポジウムにご参加頂いた方も、頂けなかった方も、大学の内部質保証やIRについてお役に立つ機会になれば幸いです。
 本ニュースレターは、教育開発推進機構のホームページに掲載されるとともに、学内のすべての専任教員および事務室にも配布・共有されます。

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大学評価・IR室のミッション・ステートメントを策定しました

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天狗先生

 大学評価・IR室の設置を契機に、学内でIRを推進するにあたり、立命館大学におけるIRとは何であるかを明らかにし、学内で共有することを自己評価委員会で確認しました。これを受け、大学評価・IR室では国際的通用性等にも鑑み、IRを大学評価・IR室のミッション・ステートメントの中で具体化するに至りました。
 策定した大学評価・IR室のミッション・ステートメントは以下の通りです。


【大学評価・IR室 ミッション・ステートメント】
 IRとは、「高等教育機関の計画、政策形成、意思決定を支援する情報を提供するために機関内で行われる調査研究」(Saupe, 1990)である。
 立命館大学大学評価・IR室のミッションは、IRを推進すること、すなわち質向上に関わる本学の評価、意思決定、計画、政策形成を支援するために、教職員や学生との協働により、学内外のデータの収集、統合、分析を行うことである。


 上記のミッションの下、①学生の成長支援、②エビデンス重視、③学生参画・教職協働を重んじて活動を進めます。


 なお、社会情勢や学内の要請等により、大学評価・IR室のミッション・ステートメントは柔軟に更新するものと考えています。ぜひ、ご意見やご感想などお寄せください。


 また、これに合わせて、大学評価・IR室のロゴマークもリニューアルしました。


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新年のご挨拶

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天狗先生

 東京オリンピック・パラリンピックイヤー、2020年になりました。
 大学評価・IR室にとって、昨年は開設1年目の記念すべき年でした。開設記念シンポジウムを開催し学内外から多くの方々にご参加頂くとともに、学内各部署で実施されている学生調査等のIR活動に関わる実態調査等に取り組みました。現在は、大学評価・IR室のミッション・ステートメント策定に取り組んでおり、もうすぐ本ホームページで公開できる予定です。
 今年は、リサーチ・クエスチョンの設定と検証や、アセスメント・ポリシー策定にむけた議論、専門分野別外部評価 第2サイクルの本格実施に向けた方法論の詳細について検討を進めます。また、現在策定中の中期計画R2030を踏まえた指標の抽出を行う予定です。 
 
 引き続き、学内外の皆さまと連携・協力しつつ、内部質保証を推進していきたいと思っております。本年もどうぞよろしくお願い致します。 

ノースウェスタン大学(IRオフィスの皆さん) 

                                                                

                                 

ノースウェスタン大学IRオフィスに訪問しました

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天狗先生

 2019年9月に米国の五大湖畔、イリノイ州エバンストンにあるノースウェスタン大学のIRオフィスを訪問する機会を得ました。先日、公表されたTHE世界大学ランキング2020では22位にランクされ、ケロッグ経営大学院にはマーケティングで著名なフィリップ・コトラーが在籍し、また過去に19名のノーベル賞受賞者を輩出している世界的に有名な研究大学です。
 現在、5名で運営されているIRオフィスは30年程の歴史を有するとのことでした。学内外のデータを収集・分析し、直属のプランニング担当バイス・プレジデントへの情報提供によって意思決定支援を行うことを中核的な役割としながら、エンロールメントやプログラム・レビューを担当するプロボストやバイス・プレジデントにも情報提供を行うなど、クロス・ファンクショナルな役割を担われていました。また、政府や外部機関へのデータ提供、データ・ブックの作成・公表、学生調査、プログラム・レビュー等の業務と並行して、アド・ホックなデータ・リクエストにも対応されており、その際には定型フォーム等は使用せずに、最も効果的な方法で柔軟にコミュニケーションを行っているとのことでした。

ノースウエスタン大学   

                             ノースウェスタン大学(ケロッグ経営大学院)


 学内のデータ収集には苦労されながらも、経営層の意思決定支援、研究者が研究に専念できる環境整備等に少人数で尽力されているというお話には、真摯さと自信が感じられました。また、突然の訪問者を快く受け入れ、お時間をお取りいただいた3名の役職者の方々に深い感謝の念を感じた次第です。(報告者:増田) 

ノースウェスタン大学(IRオフィスの皆さん) 

                                                                 IRオフィスの皆さん

                                 

経営管理研究科(MBA)専門分野別外部評価の実地調査を行いました

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天狗先生

 立命館大学では、すべての学部・研究科で専門分野別外部評価を実施しています。
各学部・研究科が、それぞれの教育研究活動を客観的根拠に基づいて定期的に把握・検証することにより、教育研究活動の継続的な改善・向上に役立てています。第1サイクル(2013~2016年度)に続く第2サイクル(2019~2023年度)の初年度にあたる今年度は、経営管理研究科(MBA)が外部評価を受審中です。 

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 11月23日(土)には、他大学の同専門分野研究者や同研究科の修了生(企業役員)で構成された外部評価委員の先生方にお越し頂き、本学の大阪梅田キャンパスにおいて実地調査を行いました。事前に研究科が提出した自己点検・評価報告書や回答・見解に基づき、研究科執行部との全体面談をはじめ、研究科の各プログラムに所属する大学院生へのインタビューや教員への個別面談、授業や施設の見学を実施しました。 

 



 全体面談の冒頭では、経営管理研究科長より、本外部評価の役割について、本学の自己点検・評価の一環として位置付けられた実質的かつ丁寧な外部評価であることが改めて説明されました。
また、研究科として、内部質保証の最終的な目的である学生の学修成果の向上に結び付いた教育研究活動を行うために、外部評価結果を真摯に受け止めたいとの姿勢が示されました。外部評価委員の先生方からは、評価基準に基づいて現状の成果や課題について評価頂くとともに、広い見地から今後の研究科の在り方について様々なご提案を頂くなど、有意義な意見交換の場となりました。

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天狗先生も先生方の意見交換に耳を傾けました

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 本外部評価に関する自己点検・評価報告書および外部評価結果等は、

後日「外部評価」のページに掲載する予定です。



Association for Institutional Research (AIR) Forum 2019に参加しました

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天狗先生

 少し前のお話になりますが、2019年5月に米国コロラド州デンバーのコンヴェンション・センターで開催されたAssociation for Institutional Research (AIR) Forum 2019に参加しました。写真の通り、街のアイコンでもあるBig Blue BearBig Blue Bearが会場の中の様子を覗き込んでいます。今回は「IR/IE Engaging with Policy: An International Perspective」というテーマのImpact Sessionにお招きいただき、パネリストの一人として登壇しました(2019年5月28日)。AIRは北米の最大規模のIR専門協会で、設立から半世紀以上の歴史を持ちます。筆者は2003年からたびたび参加していますが、近年は米国だけでなく、ヨーロッパやアジア、オセアニアからも多くのIR関係者がForumに集い、2,000名近い参加者が情報共有やネットワーク形成を進めています。
 司会者らとの事前の打ち合わせで、配布資料やスライド資料等を使用した一方的な報告にはせず、対話的なセッションにしましょうということになりました。口頭の説明のみで、諸外国とは異なる日本の高等教育セクターの状況や主要な政策的課題、IRの現状などをお伝えするのはハードルが高かったのですが、なんとか役目を果たしほっとした次第です。自大学の取り組み等の情報を事前に提供して下さった関係者のみなさまに御礼申し上げます。
 セッションでは、高等教育機関の改善を促すIRの役割に関するオーストリア、南アフリカ、アメリカ、日本からの報告に続き、フロアから、高等教育のランキングをめぐる状況や、IRにおける有効なリーダーシップ、データの管理・保護にかかわる質問等が出されました。活発な議論や質疑応答の様子から、このテーマに対する関心の高さがうかがえました。2020年のAIR Forumは、ルイジアナ州ニューオーリンズでの開催が予定されています。
(報告者:鳥居朋子)

 AIR Forum 2019

参考:AIRのウェブサイト

教育開発推進機構が卒業生調査を実施しています

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天狗先生

 本学の教育開発推進機構(教育・学修支援センター)では、現在「卒業生調査」を実施しています。
 10月19日(土)には、立命館大学校友会設立100年周年記念オール立命館校友大会において、卒業生アンケートブースを出展しました。
       うちわ    当日の様子はこちら

 
  卒業生アンケートへのご回答は、2019年11月30日(土)まで受け付けています。
 本学卒業生の方は、ぜひご協力ください。
     りぼん      回答画面はこちら


 


開設記念シンポジウムを開催しました

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天狗先生
 立命館大学は、2019年4月に「大学評価・IR室」(IR:Institutional Research)を開設しました。
 これを記念して、9月5日(木)、朱雀キャンパス大ホールにおいて、立命館大学 大学評価・IR室 開設記念シンポジウム「大学の内部質保証をどう実現するか-認証評価やIRの視点から-」を開催しました。
 学外から多くの高等教育関係者にお申し込み頂き、当日の参加者は学内教職員も含めて300名近くに上りました。
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 基調講演では、大阪大学の川嶋 太津夫先生から、IRとは何かについて、歴史的変遷やアメリカの先進事例、日本の現状を交えながら大局的なご説明頂きました。また、日本の大学の内部質保証におけるIRの役割や課題についてご考察頂きました。
 お話の中では、日本においてIRは、教育プログラムの点検・評価や有効性の検2証、認証評価において強調されているが、アメリカではIRからIE(Institutional Effectiveness)、DS(Decision Support)へと広がりを見せ、大学の様々な領域や各部署における意思決定を支援するものとなっていることのご紹介もありました。
 ご講演の最後には、IRのあり方に定型は存在しないこと、自律的な組織にとって情報に基づいた意思決定は不可欠であること等の総括があり、IRが大学の行く末を照らすものとなるように願うと締め括られました。


 その後は、まずは立命館大学の事例として、大学評価・IR室 副室長の鳥居 朋子先生から、立命館大学が2018年度に受審した認証評価の経験を踏まえた内部質保証の到達点と課題についてご紹介頂きました。学部・研究科の独自性を尊重しつつ、部分最適を超えた全体最適を志向することの重要性が語られました。

シンポ3  次に、明治大学の事例として、教学企画部の
 山本 幸一氏より、明治大学におけるIRの機能と
 それを発揮するための組織体制、IRオフィスに
 おける多様な活動についてご紹介頂きました。
 明治大学におけるIRとは、意思決定を支援する
 上で必要な情報を提供するための調査・分析で
 あり、データを情報に変換し、レポートすること
 であるとのお話がありました。


 最後に、立命館アジア太平洋大学(APU)の事例として、副学長の横山 研治先生より、APUが世界市場で留学生に選ばれるための国際認証(AACSB)取得までの道のり、その評価基準やご自身のご経験に基づいた国際通用性のある大学教育と日本の大学教育とのギャップ、APUでの取り組みについてご紹介頂きました。お話の中では、AACSB におけるAssurance of Learning (AOL)の考え方のご紹介と、日本の大学におけるカリキュラムの細やかな見直しや必修科目の必要性について示唆がありました。
 
 その後、参加者交流会をはさんで、「国際的通用性を踏まえた大学の内部質保証とIRの役割」をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションでは、大学が学位授与機関であることを改めて自覚し、授与する学位の水準やクオリティを保証することの必要性が再確認されるとともに、大学固有の理念や文化等に基づく内部質保証やIRのあり方の検討、中長期的かつ全学的な視点での教学マネジメントの重要性、日本国内に限らないグッドプラクティスの収集や大学での柔軟な制度化等について意見が出されました。

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 参加者アンケートでは、「概念や理論の説明にとどまらず、現場レベル、運用レベルの話も聞けた。自大学に実装する想像がしやすかった。」、「IR室のマネジメントや学内での役割について、大いにヒントを得ることができました。」、「内容豊富な事例報告を3つも拝聴でき、またIRのこれまでとこれからをコンパクトにお伝え下さった基調講演を耳にすることができ、とても貴重な機会となりました。」「すべての報告、パネルディスカッションとも刺激的でした。」といったご感想を頂きました。


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     シンポジウム概要はこちら

     参加者アンケート集計結果はこちら


高等教育質保証学会 第9回大会に参加しました

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天狗先生

 8月24-25日、高等教育質保証学会第9回大会「令和元年、新たな時代を迎えた質保証を考える」に参加し、ポスターセッションにおいて、本学の内部質保証と大学評価・IR室の事務局を務める事業計画課の取り組みについて発表しました。

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【発表要旨】
 立命館大学において、内部質保証システムの組織的整備や教育研究をはじめとした大学諸活動の改善・向上をどのように進めてきたか、また第3期機関別認証評価の評価結果を受けて、これからどのように進めていこうとしているのか、自己評価委員会(立命館大学における全学内部質保証推進組織)ならびに大学評価・IR室の事務局である事業計画課の視点から紹介しました。


 当日の学会参加者は約150名、うち、本学のポスターセッション見学者は大学教職員や認証評価機関関係者を中心に約70名でした。見学者からは、本学の学士課程教育の指針である「教学ガイドライン」や学生参画の仕組みである「全学協議会」、大学評価・IR室の役割やPDCAサイクルの具体的な流れ等について、たくさんのご質問を頂きました。
 ポスターセッション発表を通して、第3期機関別認証評価の初年度受審という貴重な機会を事業計画課として振り返るとともに、高等教育機関関係者の興味・関心について理解を深めることができました。また、他大学での多様な取り組みをお伺いし、意見交換させて頂くことで、たくさんの新たな気付きを得る機会となりました。

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 当日見学してくださった皆さん、どうもありがとうございました!

 当日のポスターデータはこちらからダウンロードできます。