2011.03.03 R-GIRO材料研究拠点シンポジウム「逼迫する鉱物資源需給の解決に向けた技術創成と立命館大学」開催

 3月3日(木)、びわこ・くさつキャンパス(BKC)にて、材料研究拠点シンポジウム「逼迫する鉱物資源需給の解決に向けた技術創成と立命館大学」を開催した。

 このシンポジウムは、立命館大学グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)の主催で、2010年度のシンポジウムは第5回目となる。今回は、昨今メディアでも取り立たされている「希少資源の需給問題」に関わる、本学での研究や取り組み、企業での活動を紹介した。

 第1部では、研究機構長代理の村上正紀・立命館副総長が開会の挨拶を行った。続いて、北泰行・薬学部教授が、「ヨウ素のパワー-レアメタルを用いないカップリング反応」と題した基調講演を行った。
 2010年ノーベル化学賞を受賞した異なる有機化合物を繋げる「クロスカップリング反応」を説明し、北教授の反応剤としてヨウ素を用いた研究の経緯とその成果を説明。北教授は「これからは、レアメタルを用いず全てヨウ素反応剤が用いられるように展開させることが私の夢だ」と語った。

 第2部では、立命館大学での取組みを紹介。飴山惠・理工学部教授が、調和構造制御によるレアメタル有効活用材料の創成について解説した。また、谷泰弘・理工学部教授は、ガラス鏡面研磨における酸化セリウム使用量低減技術を紹介し、「中国のレアメタル輸出制限に対応するための、新技術や大体砥粒の開発が急務である」と訴えた。

 続いて、若手研究者たちによる研究発表があり、研究内容をプレゼンテーションした。その後、ポスターセッションを行い、若手研究者たちはシンポジウム参加者からの質問に丁寧に答える姿が見られた。

 第3部では、産学官交流の場として、三菱商事株式会社自動車関連事業ユニット太田辰夫氏を招き、「希少金属の資源問題への企業の動向と取組み」と題した講演を行った。
太田氏は、経済市場にもたらす希少資源の影響を説明し、「資源開発から商品開発に関わるプロジェクトには、人・もの・金が絡まる。狭義の『技術』だけではなく販売戦略も含めた技術が必要。」と述べた。

 また、シンポジウム終了後には会場を移し交流会を行い、会話を通して今シンポジウムの理解を深めた。


    

          会場の様子                     若手研究者による研究発表

 

   

       ポスターセッションの様子                太田氏のご講演の様子