2011.05.20 R-GIRO先端医療研究拠点シンポジウム「ものづくりで興すライフイノベーションと立命館大学」開催

 びわこ・くさつキャンパス(BKC)のローム記念館にて、立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)先端医療研究拠点シンポジウム「ものづくりで興すライフイノベーションと立命館大学」を開催した。

 今回のシンポジウムでは、ライフイノベーションを通じて、将来、健康大国を築くためにさまざまな産業を支える日本の“ものづくり力”を活かすために、昨年設立されたバイオメディカルデバイス研究センターと今年度、キャンパス内に開設されたヒューマン&テクノロジー“SHIGA”新産業創出拠点との連携、先端医療技術開発における世界や国内外企業の動向、立命館大学の取り組みを紹介した。

 第一部では、村上正紀教授・立命館大グローバル・イノベーション研究機構 機構長代理の挨拶の後、東京女子医科大学先端生命医科学研究所所長である岡野光夫氏が、日本発世界初のテクノロジー「細胞シート」を使った再生医療についての基調講演を行った。
 岡野氏は、まず東京女子医科大学の医学部と早稲田大学の理学部・工学部が共同で研究を行っているラボのシステムについて紹介。人間から取り出した細胞をシャーレの中で増殖・培養することでシートを完成させ、それを疫病部に貼り付けて治療することで「将来は自分の細胞で臓器をつくれる時代も夢ではない」と再生医療の可能性を話した。
 また、第二部では、滋賀県商工観光労働部・新産業振興課 課長平井圭介氏によるヒューマン&テクノロジー’SHIGA’新産業創出拠点開設の挨拶の後、小西聡・理工学部教授による「先端医療を推進するデバイスづくりと拠点“SHIGA”への期待」をテーマに、研究を進めている眼内再生医療移植デバイスを中心とした講演も行われた。その後のポスターセッションでは、当分野の若手研究者による研究発表も行われ、健康やバイオをテーマに様々な研究成果を紹介。会場に集まった聴講者は熱心に耳を傾けていた。

 最後に、株式会社島津製作所の医工連携~次世代医療による取り組みを紹介。
島津製作所の顧問兼技監である吉田多見男氏が、分子・細胞レベルの生体情報を生きたまま画像化する技術「分子イメージング」を使った現在開発中のマンモPET-CTについて、コンセプトや仕組み、また需要性を紹介した。
 会場には学内外から200名を超える多くの参加者が訪れ、講演終了後に行われた交流会に出席した参加者たちは互いに交流を深め合い、盛況のうちに幕を閉じた。

    

                                                               ポスターセッションの様子  

              

                      田氏のご講演の様子                                         左:岡野教授 右:小西教授