2011.09.21 2011年度 立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)情報通信研究拠点シンポジウム 想定外に挑むICT 「まさか!に備える情報通信技術と立命館大学」を開催

 立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)情報通信研究拠点シンポジウム「まさか!に備える情報通信技術と立命館大学」を、8月31日(水)、びわこ・くさつキャンパス(BKC)のローム記念館にて開催した。

 今回のシンポジウムでは、この度の震災でも明らかになった日常の「まさか!」に備えたセンシング技術、デバイス技術、ネットワーク技術、クラウド技術の世界や国内外の企業の取り組み動向および、立命館大学の取り組みを紹介した。

 第一部では、村上正紀教授・立命館グローバル・イノベーション研究機構 機構長代理の挨拶の後、大阪市立大学名誉教授である中野秀男氏が、「まさか!に備えて想定外に耐えるICTとは?」をテーマに、自然災害や科学技術の想定外、安全の考え方、クラウドの利点と弱点、政府・自治体とボランティア、ICT(情報通信技術)の使い方などについての基調講演を行った。中野氏は、ICTは有益な道具であるが、問題点や例外などを事前にチェックするなど理解して使わなければならないことを強調した。

 第二部では、西尾信彦・情報理工学部教授による「身障者のまさか!に備えるICT」をテーマとした、大阪市地下街のパノラマビューの技術を紹介し、バリアフリーに有効な位置情報の提供などを中心に講演を行った。続いて、島川博光・情報理工学部教授が「高齢者のまさか!に備えるICT」をテーマに、日常生活における歩行や活動位置の周期性をセンサに収集して生活リズムの変化を検知する手法などを紹介した。その後開催されたポスターセッションでは、学内外の若手研究者による研究発表も行われ、若手研究者と参加者との間で活発なディスカッションが行われた。

 第三部では、NECシステムテクノロジー株式会社が企業のICT技術の活動状況を紹介。仮設住宅の建設にも携わる同社の顧問である鴨井功氏が、企業の視点から、被災者サービスの取り組みなどを紹介した。

 会場には120名を超える参加者が訪れ、盛況のうちに幕を閉じた。また、講演終了後に行われた交流会においても様々な意見交換が行われた。 

      
                      ポスターセッションの様子
 
       
        中野氏のご講演の様子              鴨井氏のご講演の様子