2010.10.28 水資源と環境技術について学ぶ 立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO) 水・環境研究拠点シンポジウム「持続可能社会の水・環境技術と立命館大学」開催

 10月15日(金)、びわこ・くさつキャンパス(BKC)にて、立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO) 水・環境研究拠点シンポジウム「持続可能社会の水・環境技術と立命館大学」を開催した。
  気候変動の影響を受けて、ますます水の偏在化が進行してゆく今日。このシンポジウムは、安全で安心できる持続可能な水供給に向けた地球規模での取組み、および本学での研究活動の紹介をした。また、公共施設や水ビジネスの提案などについて産官学の交流を深めることを目的としている。

 第1部では、機構長代理の村上正紀・立命館副総長が開会の挨拶を行った。続いて、モンテ・カセム・立命館副総長が「無理、無駄、ムラ」の三つの視点から、母国スリランカの具体例を取り上げながら世界の水資源を取り巻く環境について基調講演を行った。

 第2部では、中島淳・理工学部教授と川村貞夫・理工学部教授が本学の研究活動について紹介を行った。
  中島教授は、環境工学・サステイナビリティ学分野における研究紹介として、水環境工学、特に水処理や水マネジメントに関係する研究について講演した。講演の中で、サステイナブルな水処理技術として、排水からのリン除去・回収方法や、途上国で製作可能なシンプルかつ高性能な鉄・砒素除去フィルターの紹介した。
 川村教授は「水中・海中資源の保全と開発を目的とした高機能水中ロボット開発」について講演した。川村教授は、既存のアーム搭載型水中ロボットを小型化しコストの削減を達成した。また、双腕システムの採用、ジョイスティックでの操作を可能にし、ロボット自体の可動性を高めるとともに操縦者が直感的に操作できるようになったことを講演の中で紹介した。実際に実験用プールでのテスト映像も流し、その有用性を証明した。
 その後、「若手研究者による研究発表」として、17名の若手研究者がショートプレゼンテーションとポスターセッションを行った。

 第三部では、企業活動紹介として、荏原エンジニアリングサービス株式会社常務執行役員の岩泉孝司氏が日本と世界の水ビジネスについて講演を行った。
岩泉氏は荏原エンジニアリングサービスの紹介をした後、世界の水事情、今後の水ビジネスの方向性について語った。

 シンポジウムには約170名が参加し、それぞれの研究発表に聞き入っていた。
 R-GIROのシンポジウムは、今後も定期的に開催される予定である。