2011.03.16 第4回日独ナノ材料国際シンポジウムを開催

 2011年3月6~8日に、立命館大学ローム記念館において、第4回日独ナノ材料国際シンポジウム(OZ-11)が行われた。
 本シンポジウムでは、ドイツのZoz GmbH社長(立命館大学客員教授)のHenning Zoz教授と立命館大学理工学部飴山惠教授がオーガナイザーとなり、毎年、ドイツと立命館大学とを交互に開催地として、今回で4回目の開催である。今回のシンポジウムでは、参加登録者数は93名、講演数は9カ国から42件、企業展示は13カ国から37企業が出展し、国際産学連携の場として成功を収めることができた。   

 

    左:Henning Zoz教授 右:飴山教授                会場の様子

 講演では、粉体と強ひずみ加工を利用したナノ結晶材料の創製に関するが報告が多数あった。立命館大学の飴山惠教授により、希少元素を有効活用する微細組織制御による材料設計により従来よりも高強度・高延性材料の開発が可能であることが報告された。また、カーボンナノチューブを利用した材料の研究開発に関する報告が多数あり、例えば、Yigit Deniz氏(Zoz社)によれば、新開発のアルミニウム材料はアルミニウム粉末とカーボンナノチューブの複合材料(商品名「Zentallium」)であり、鉄鋼材料と同等の強度を有することが報告された。さらに、燃料電池に対する話題も豊富であり、多数の実用化に向けた研究が報告された。
 ポスターセッションでは、各国の大学を中心に16件の発表があり、盛んに議論がなされた。優秀ポスター賞として、本学の博士後期課程学生1名と台湾の南台科技大学のドクターコース学生2名が受賞した。
 企業の展示では、粉体作製、粉体加工、カーボンナノチューブ材料の作製等々の様々な分野からの企業の参加があった。また、海外大学も展示に参加し、国際的な産学連携の場として活発な交流ができた。企業展示では燃料電池に関心が集まり、株式会社アテクトの燃料電池を利用したデモンストレーションは注目を集めていた。
 今回の第4回日独ナノ材料国際シンポジウム(OZ-11)は、盛況のうちに幕を閉じたが、すでに2012年3月4~6日にドイツにおいて、第5回日独ナノ材料シンポジウム(OZ-12)の開催が決定しており、今後も国際産学連携の場として期待される。

     ポスターセッションの様子                  左:飴山教授 右:カセム副総長