守屋 貴司教授

MESSAGE

人生を大きく展開させるには
大学院での学びが必須になっていく

女性や外国人の採用、活用、定着について
幅広い企業への調査に基づく研究を実践

私が専門とするのは「人的資源管理」と呼ばれる人の管理に関する分野です。中でも、女性や外国人など人材の多様性が企業の競争力を高めるという考えに基づく、ダイバシティマネジメントに関する研究を長く続けてきました。
今、日本の企業は深刻な人手不足に陥っていますが、その点でも、女性や外国人の採用、活用が注目を集めています。各企業がどのような形で多様な人材を採用し、人材として活用し、どのような人事制度を設けているのか、さまざまな業態、さまざまな規模の企業で調査を行っています。
特に人手不足が深刻なのが中小企業なので、中小企業に特化した人材獲得や定着の方法についてもテーマにしていきたいと考えています。国内マーケットが縮小していく中、中小企業も海外展開が必要になると考えられるため、外国人の採用や現地採用など、グローバル人事の問題にも関心を向けています。ポジティブな視点から未来志向の研究を行うのが私のモットーです。

オリジナルな調査から新しい発見をする力は
今後の人生のどこでも応用できるはず

学部の学びと違い、大学院の研究では、オリジナルな調査が必要になってきます。企業や人を対象に、自分だけのテーマに基づくヒアリングやアンケート調査を行うのです。その中で、これまでになかった新しい発見ができることが、学びの大きな原動力になります。オリジナルな調査に基づく新しい発見を、自分なりに解釈することによって、自分だけの創造的な研究ができるようになるのです。
この経験を通して身につけた力は、学術的な場でしか通用しないものではありません。ビジネスの場でも、オリジナルな調査から新しい商品、新しい人事政策は生まれます。大学院で身につける研究手法は、今後の人生のどんな場面でも応用できるものなのです。

大学院で基礎的な研究メソッドを学ぶのは
ビジネスマンとして必要なこと

企業組織が大きく変わりつつある社会で、人生100年時代を生きていくことを考えると、私は、学部卒で社会に出るというのは、明らかに学びが不足していると思います。新卒者の早期離職の背景には力不足という面があるのです。大学院で基礎的な研究メソッドを学ぶのは、ビジネスマンとして生きていくために必要なこと。自分の人生を大きく展開させるためには、大学院での学びが必須になっていくと私は考えています。
最先端の事象をハウツーで学んでも、数年後には陳腐化してしまいます。しかし、大学院の、論理的で、しかもフィールドワークにもとづく学びは、どんな企業に就職しても、転職しても、長期的に活かすことができます。それが大学院で学ぶ大きなメリットではないでしょうか。