YAMASHITA Shigeru

山下 茂 教授

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  4. 山下 茂 教授
所属学部
情報理工学部
職位
教授
専門
計算機設計理論、アルゴリズム論
担当コース
システムアーキテクトコース
主な担当科目
計算機構成論
研究分野・テーマ
次世代計算方式、量子コンピュータ、量子回路設計、バイオチップ
過去の部活動
剣道部
得意な科目
数学、物理
苦手な科目
国語

Message

立命館大学の情報理工学部は、他大学の同系学部とどのように異なるでしょうか?

自分の仕事の専門の知識でだけなく,関連する分野の知識を幅広く使いこなすことができるかどうかが,その人の仕事の価値をきめると思います.このことはどんな分野にも言えると思いますが,情報(IT)の分野は特にその傾向が強いと思います.そのため,情報の分野を勉強するなら,関連する分野の多くの専門家がいるところで勉強する方がいいと思います.本学部は,情報系としては規模がとても大きいので,多岐に渡る分野の専門家がおり,しかも,世界的にもその分野で一流の研究者である教員が多数います.つまり,情報に関するどんなことでも,学部の中に教えてくれる専門家がいるという「規模の大きさ」の強みが,他の大学の情報系の学部に比べて圧倒的にあると思います.ぜひ,本学部で「情報系の多岐に渡る分野に関する広い視野を持った技術者」を目指して勉強していただきたいと思います.

先生の代表的な研究・活動内容、現在の研究テーマについて、教えてください。

現在の計算機とは動作原理が違うような計算機をどのように作ればいいのかということを,特にアルゴリズム(プログラムなどの計算手順)の観点から研究をしています.例えば,今の計算機よりも原理的に圧倒的に早くなるであろうと言われている「量子計算」と言われている計算機をどのように作れば効率がいいのかということを考える「量子回路の設計理論」と呼ばれる分野の研究をしています.ちなみに,デバイスの開発ではなく,現在研究されている新しい原理のデバイスができた時にそれをどう使いこなせばいいのかということをアルゴリズムの観点で考えて,実際にその方法のプログラムを作って評価するという研究です.この研究は将来の新しいタイプの計算機の設計に直接役立ちますが,この研究を通して現在の形式の計算機の仕組みや使い方を理解できるため,IT技術者に必須の知識や考え方の獲得にも役立つと思います.

これから入学する学生に、どんなことを期待されますか?どう成長してもらいたいですか?

大学や大学院を卒業して社会に出て働くまでが,生活のほとんどの時間を「自分の成長」のためだけに使うことができます.そして,そこまでの成長がその後の人生の知的な活動の基礎体力となります.そのように認識して,自分の知的な面での能力のポテンシャルを出来るだけ高めるような努力をしてください.新しい概念や難しい概念を頑張って理解する,また,最先端のことを知って更にその先を考えるような研究をする,と言った高度な知的な活動を通してのみ,脳のポテンシャルを上げることができると思います.大学での「学び」はそうあるべきだと思います.今すぐ何かに直接役立つような「表面的な知識の獲得」も勿論やって欲しいですが,それよりも前述したような「難しい」知的な活動もしてください.情報の分野でそのような「学び」をする方の理想的な環境が本学部にはあります.

今、注目している技術・テクノロジーについて教えてください

生化学反応の実験などは試験管を使って人がするイメージがあると思いますが,それではコストや時間や手間がかかります.それに対して,半導体技術を使った数センチ角の小さな「バイオチップ」と呼ばれるチップの中で,外部から信号でコントロールして非常に微量の液体を自由に動かして実験をすることができるようになっています.バイオチップは,各種の実験,DNA検査などに近年使われるようになっており,今後ますます大規模な新しいタイプのバイオチップが登場すると期待されています.実は,バイオチップの設計にもIT分野の技術や知識が役立ちます.そのため,私は,現在開発中の新しいタイプのバイオチップを設計するための手法について研究をしています.情報系でこの研究について既に国際会議で発表しているのは日本では私たちのグループだけだと思いますが,今後増えてくると思います.

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