IITH

世界展開力強化事業 IITH産学国際協働PBL <第1回>

専門知識や理系の視線を活かし具体的な課題に取り組む
インドの水質浄化施設で説明を聞く学生
ハイデラバードの日系企業の方(本学の卒業生)からも現地でアドバイスを受けた

 立命館大学では、数多くの海外研修プログラムを実施しています。そのなかのひとつ、文部科学省の「平成26年度大学の世界展開力強化事業」で採択された理工系3学部が展開する「RiSE I≡J Project」*について紹介します(3回を予定)。第1回目の今回は、担当教員でもある理工学部副学部長の橋本征二教授にプロジェクトの特徴や初年度を終えての感想、今後の展開などについてお話をうかがいました。

学年や専門の異なる学生でチームを編成

学生のさまざまな“気づき”に期待

―RiSE I≡J Project の特徴についてお聞かせください
 本事業では、短期・長期の多様なプログラムを展開しています。インドの相手先大学は、インド工科大学ハイデラバード校(IITH)、シンビオシス国際大学(SIU)、ニッテ大学(NU)の3校で、派遣・受入の双方向で実施しています。ここでは、短期プログラムのひとつ「IITH産学国際協働PBL」についてお話します。
 プログラムの特徴のひとつに学年や専門の異なる学生でチームを編成している点があります。これには、「ひとつの問題に対していろいろな視点から解決策を考えて欲しい」「異なる視点だからこそ見えるものや気づきがあり、それを提案に活かしてほしい」「分野横断的なつながりを大切にしてほしい」という意図が込められています。
 未知なる国「インド」、理系ではインド最高峰の大学であるIITHの学生との活動は、本学の学生にとっても刺激的かつ日本の現状や先進的な科学技術を再確認するいい機会となります。また、両国の学生が学び合うことは、学生本人の成長だけに留まらず両国の人材育成にとっても大変有意義であると考えています。

―数ある国のなかで、なぜインドなのですか?
 以前から理工系3学部・研究科では、それぞれの専門性に沿った海外研修プログラムを実施してきました。特に情報理工学部では、2007年度からインドのシンビオシス国際大学で「海外IT研修プログラム」を行っており、これまでに延べ130人を超える学生を派遣しています。
 インドはあらゆる意味で多様性にあふれた国であり、潜在力や将来性は計り知れません。その一方、第一次産業から一足飛びにITを核とした第三次産業に移行したために「ものづくり」や各種インフラの整備など、産業化や都市化の基盤となる第二次産業が十分に育っていないという課題があります。
 和を重んじる点など比較的共通項の多い東南アジア諸国とは異なり、インドは国民性も日本とは随分と違う。それらを学生が実際に自分の目で見て、肌で感じることの意味は大きいと考えます。

プログラムで培った力と経験は、きっと将来の武器となる

留学を通じ、たくましさを増した学生
プロジェクトついて話す橋本教授
さまざまな課題を抱えるインド

―2015年度に初めて実施した「IITH産学国際協働PBL」の評価は?
 6月にIITHの学生10人を受け入れ、4(各大学2)人で1チームを構成し、5つの課題(水、エネルギー、交通、災害、ヘルスケア)に取り組みました。9月のIITH派遣までの2カ月余りは双方で準備を進めつつ、FacebookやSkypeを活用して両国間で打合せや意見交換などを進めてきました。準備を整えていたとはいえ、学生にとって初めてのインドは、3食カレーが続く食事や紙のないトイレ事情など、かなり衝撃的だったようです。そうしたギャップにもめげず、限られた時間のなかでIITHの学生と良好な人間関係を築き、解決策をまとめ上げてくれました。インドでの生活、英語でのコミュニケーションなどを通じ、いろいろな意味で“たくましさ”が増したと感じています。IITH側からも「日本の最先端の技術に触れるいい機会になった」と高評価を得ています。

―今後の展開について、どのようなことを予定していますか
 2015年度は、インドを訪問してその実際を見る前に、インドにおける課題を見つけ、その解決策を検討しなければなりませんでした。そこで2回目となる2016年度は、まず募集段階でテーマを提示。派遣時期と受入時期も入れ替え、本学学生が9月にまずインドを訪問し、インドの現状を確認した上で課題に取り組むことを予定しています。また、企業とのさらなる連携強化も考えています。課題設定と解決策の検討にあたり、定期的に日印双方の企業の技術者からの意見やアドバイスを受ける機会を設けることで、より一層具体的で実現可能性の高い提案となることを期待しています。

*「日本とインドの政府・産業界をつなぎ、日本とインドの発展に寄与する高度理工系人材の育成」を目的に本事業を構想し、「RiSE I≡J Project」と名付けた。Ritsumeikan University Science and Engineering India–Japan Project の略称で、両国の繋がりの強化を3本線「≡」で表記。RiSEには「昇る」「飛び立つ」といった意味があり、両国の学生に羽ばたいて行ってほしいという意味が込められている。
●詳細は「RiSE I≡J Project」ホームページ参考
(URL: http://www.ritsumei.ac.jp/reinventindia/)
第2回 http://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=145
第3回 http://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=149

RiSE I≡J Projectのポイント
■インドで“3つのチャレンジ”
・インドが抱えるさまざまな問題・課題に対して理系の視点で解決の道筋をつける
・文化や価値観の異なるインドの学生と共同で取り組む
・英語でコミュニケーションを行い、最終成果をまとめる



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