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 立命館大学生命科学部の小林洋一准教授、神戸大学分子フォトサイエンス研究センターの小堀康博教授、京都大学理学研究科の金助教らの研究グループは、銅イオンをドープした硫化亜鉛のナノ結晶が、光に応答して素早く発色、消色する高速フォトクロミズムを示すことを世界で初めて発見しました。

 光によって物質の色が繰り返し変化する特性を示す材料はフォトクロミック材料とよばれ、その中でも特に光に応じてすぐに着色、消色するフォトクロミック材料は、紫外線の量に応じて自動で光量を調整するスマートサングラス、偽造防止材料、高速書き換えが可能なホログラム材料など、さまざまな産業用途への応用が期待されています。その一方で、現状そのような特性をもつフォトクロミック材料は限られた有機化合物のみであり、安価で大量に合成できる新材料が求められていました。

 この研究では、古くから様々な産業分野で用いられてきた硫化亜鉛をナノ粒子化し、さらに銅イオンをドープすることにより、光の照射に伴い迅速に発色、消色するフォトクロミック材料を世界で初めて発見しました。

 銅イオンをドープした硫化亜鉛ナノ結晶の粉末に光を照射すると、光エネルギーを受け取って励起した電子と正孔(電子が抜けた部分のこと)ができます。本研究では複数の計測、解析技術を駆使することにより、ドープされた銅イオンに捕捉された正孔と、粒子間を自由に伝播する励起電子がこの特徴的なフォトクロミズムの起源であることを明らかにしました。

 本研究成果は、2021年1月12日14時(日本時間)に米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」に掲載されました。

 

論文情報
  • 論文名:Fast T-Type Photochromism of Colloidal Cu-Doped ZnS Nanocrystals
  • 著者:
    韓 玉蓮(2019年度生命科学研究科修士課程修了)
    濱田守彦(神戸大学分子フォトサイエンスセンター)
    I-Ya Chang(京都大学理学研究科)
    金賢得(京都大学理学研究科)
    小堀康博(神戸大学分子フォトサイエンスセンター)
    小林洋一(立命館大学生命科学部)
  • 発表雑誌 : Journal of the American Chemical Society
  • 掲載URL:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.0c10236

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