岡田志麻 准教授(左)

2017.12.13 NEWS

岡田志麻 准教授(理工)がCOI2021会議において「日立製作所基礎研究費賞」を受賞

 2017年11月22日(水)、日本科学未来館においてCOI2021会議(主催:科学技術振興機構)が開催されました。COI2021会議は、革新的なイノベーションを生み出す人材を発掘・育成し、未来を見通した革新的な研究開発課題や事業化のアイデア創出およびその実現を目指して開催されています。
 今回の会議では、COI(Center of Innovation)に採択された18拠点に所属する若手研究者の連携に目指すとともに自身が目指す未来社会像を見据えてチャレンジングでハイリスクな研究開発や企業・事業化に関する提案がベンチャーキャピタルや企業、JSTや文科省に対して行われました。
 当日は、理工学部 岡田志麻 准教授が順天堂大学、大阪大学、東京藝術大学の若手研究者と連携したグループを代表し「多分野連携によるバイタルデータアート化システムの実現」をテーマに発表を行い「日立製作所基礎研究費賞」を受賞されました。

<発表の内容>
 少子高齢化社会を迎えた我が国にとって、その持続性確保が必須の課題である。そのためには、生活習慣の改善や運動による健康寿命延長、子どもの健全な発達、家族や地域の繋がりを再生するだけでなく、これまで交流してこなかった様々な世代や種類の人が新しくコミュニティ形成を行い、交流することが重要である。例えば、小学生と高齢者が、赤ちゃんと大学生が、トップアスリートと素人が、障がい者と健常者がお互いの垣根を越えて交流できることが理想である。
 本研究では、これまで交流する機会がなかった人と人が知らず知らずに集まって繋がっていくコミュニティが自然発生的に構築されることを研究の最終ゴールに設定している。そのためには、人の繋がりを媒介する要素が必要となる。その媒介要素として、バイタルデータアート化システムの実現を目指してきた。バイタルデータアート化システムとは、センシングウェアにより心拍数、発汗、呼吸数、筋電位、関節角度といったバイタルデータを取得し音や映像に変換するシステムである。なぜ、バイタルデータアート化システムなのか?バイタルデータは呼吸数、筋電位、関節角度のように随意的に入力できるものと心拍数、発汗のように自律的に制御されるため不随意的に入力されるものに分類される。随意的なものに関しても、体型や骨格、年代によって得られる情報が異なる。バイタルデータは個人の特性そのものであり、唯一無二のデータとなる。これを音に変換することで、その人にしか作り出せない音を創造することができる。つまり、様々な人と交流し融合していくことで、新たな音楽や映像を創造していくことが可能となる。出力に音や映像という芸術性、創造性を持たせることで、1つのコミュニティ形成にとどまらず、新たな交流や融合を探索していくことが可能となるのである。
 本発表では、このバイタルデータアート化システムを1年でどのように完成させ、社会実装へつなげていくか、そして最終ゴールを達成するための道筋について立命館大学所属の若手の先生方、URAの方、研究室の学生さんたちとたくさんのディスカッションの上、プレゼン資料を作成し、岡田が代表で発表した。

<受賞者コメント>
 「全く新しい発想を」、ということが求められていると考えましたので、今までの固定概念や常識をいったんリセットして、どれだけ斬新な提案ができるかに焦点を当てて発表を行いました。自分にとっても新しい試みでしたので、新しいチャレンジが評価されたことは大変嬉しく思っております。
 研究提案から資料作成に至るまで、メンターの先生、若手の研究者の皆様、URAの方、研究室の学生さんたちの協力が不可欠でした。今回の受賞は、チーム全体の発想力が評価された結果だと考えています。今後も、若い方々の協力を得ながら、色々な方が「あっ」と驚く斬新な研究提案をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願い致します。

    <メンバー>
  • 岡田 志麻(立命館大学)
  • 正田 悠(立命館大学)
  • 中山 雅人(立命館大学)
  • 岡部 周平(立命館大学)
  • 塩澤 成弘(立命館大学)
  • 町田 修一(順天堂大学)
  • 大澤 拓也(順天堂大学)
  • 小川 類(東京藝術大学)
  • 谷池 雅子(大阪大学)

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