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2020.02.29

第13回AJI 研究最前線セミナー開催

 2020年2月21日、第13回AJI 研究最前線セミナーが開催されました。今回は、赤見友子先生(オーストラリア国立大学アジア太平洋学部准教授、立命館アジア日本研究機構客員研究員)が“Making Global Governing Norms:The League of Nations, INGO, and Experts across Empires in Asia”と題して発表を行いました。プレゼンテーションの前半では、19世紀における国境を越えた人、物、金の流れの増加と交流の迅速化、また、技術の進歩などが、その後の国際連盟の設立や、安全保障の維持、科学的専門知識を共有するための会議の開催、郵便サービスや電気通信の国際標準化、疫病の制御などを行う国際非政府組織 (INGO) の増加につながった点が指摘されました。また、発表では、今日の 「国際社会」 についてのイメージを投影することによって想像されるような国民国家を基礎とするのではなく、帝国/植民地、およびこれらの単位に基づく国際非政府組織(INGO)に基づいて連盟の多国間活動が行われてきたアジアにおける政治的・イデオロギー的な複雑さや、植民地時代のアジアにおいて公衆衛生の専門家の間で植民地間協力の戦時中および戦後の影響などが示されました。赤見先生のプレゼンテーションに続いて、活発な質疑応答が行われ、国連、WHO、IMFなどの機関の現在と将来における重要性と有効性について興味深い議論がなされた。

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発表を行う赤見友子先生