所長メッセージ

さらなるアジア・日本研究の発展のために。

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アジア・日本研究所所長 小杉 泰

立命館学園は、他の国立大学や私立大学に先駆けて、大学のグローバル化に取り組んで参りました。その最初の成果が1988年の立命館大学(RU)国際関係学部の開設であり、2000年の立命館アジア太平洋大学(APU)の開設です。2006年には「立命館憲章」を制定して、「アジア太平洋地域に位置する日本の学園として、歴史を誠実に見つめ、国際相互理解を通じた多文化共生の学園を確立する」と宣言しました。そして、2014年には、学園の擁する二つの大学がそれぞれ「スーパーグローバル大学創成支援」事業(SGU)に採択されました。立命館が国際化に意欲的に取り組み、実績を積んできたことに対する評価と、今後への期待が示されたものと真摯に受け止め、さらにグローバル化の取組みを深めてきました。さらに最近では、2019年にグローバル教養学部が開設されました。

このような経験と成果が積み重なる流れの中で、2020年の立命館を構想する「R2020計画」の要のひとつとして、2015年には大阪いばらきキャンパス(OIC)が開設され、その3つの基本コンセプトの1つ「アジアのゲートウェイ」に結びつきました。そして、このコンセプトに具体的な形をあたえる「R2020後半期及び以降の基本政策」に盛られた「特色あふれるグローバル研究大学」達成の重要な推進エンジンのひとつとして、「立命館アジア・日本研究機構」および「アジア・日本研究所」の設置が決定されました。

立命館大学における研究機関は、6研究機構・12研究所・32研究センターと、日本有数の50拠点に及びます。「立命館アジア・日本研究機構」、「アジア・日本研究所」は、2015年12月に、6番目の研究機構、12番目の常置研究所として設置されました。その大きな目的の1つは、学内外における日本を含むアジアを主題とする研究活動の知見を集約し、各機関を繋ぐハブとしての役割を果たすことです。

研究機構と研究所の同時設置は本学の歴史においても初めてのことでした。ここに、「アジアの時代」に資する本学らしいコンセプトと戦略性を兼ね備えた研究の推進、国内外に向けた成果発信の実現に向けた心構えが表れていると言えます。

本研究所は、自然科学・人文科学・社会科学の各分野における発展と、諸分野を架橋し融合する学際的研究を推進し、新しい価値を創造するような、挑戦的かつ独創的な知の創造拠点として、アジアに基軸をおいた、新たなアジア研究、アジア・日本研究の可能性を追求してゆきます。

 すでに2016年から3年にわたって、アジア・日本研究推進プログラムとして合計12のプロジェクトが採択され、精力的な研究活動が展開されてきました。2020年度には、全プロジェクトが完了しますので、その成果の発信と社会還元にもいっそう力を入れていきたいと思います。また、次の段階のアジア・日本研究推進プログラムも、2020年からスタートしました。

 若手研究者の育成も、本研究所が力を入れているところです。2018年には、その一環として、「英語論文執筆サポートプログラム」を開始し、2019年には「キャリアパス形成力開発プログラム」を開始しました。2019年度には、その一環として若手が企画・運営するたくさんのワークショップが開催されました。いずれも、若手研究者が大きく成長して、グローバルに成果を発信できるように、丁寧なサポートを提供することをめざしています。

 グローバル化と国際発信を強化するために、英文学術誌の刊行にも力を入れています。2019年7月には、英文ジャーナル『Journal of the Asia-Japan Research Institute of Ritsumeikan University』を創刊し、2019年11月には、オンライン英文ブレティン『AJI Academic e-Bulletin』を創刊しました。ブレティンは、「投稿を随時受け付け、査読が終了次第掲載」という本学では新しい形態のオンライン刊行物です。

アジア・日本研究のさらなる発展を期す、今後の研究活動の展開にご期待ください。是非とも、皆さまのご支援とご鞭撻を賜りたく存じます。

(2020年5月)