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2021.06.18

第32回AJI研究最前線セミナー開催

 2021年6月8日、第32回AJIリサーチフロンティアセミナーがオンラインで開催されました。今回は、立命館大学の本山央子氏 (立命館アジア日本研究機構・専門研究員) が、“Feminism in Foreign Policy: Transformation Toward a more Equal World? Some Considerations on the Case of Japan”と題して、有益なプレゼンテーションを行いました。本山氏によれば、国家の外交政策は、これまで長らく女性を排除し、男女平等を無視してきたが、最近では、男女平等を外交政策の中核的価値として掲げる国家の指導者たちも現れています。「しかし、国家は本当にフェミニスト的な改革に取り組もうとしているのか?あるいは、その動きは、不平等なグローバルな関係のなかで道具化されているだけのものなのか?」、本山氏はこのように問いかけます。外交政策におけるジェンダーの重要性の拡大については、フェミニストの政治家や官僚、あるいは、国内のジェンダー平等政策によって指摘されます。しかし、こうした見方には、外的な文脈における様々な変化を無視していると本山氏は論じます。日本の状況を例にとれば、ジェンダーギャップが著しいにもかかわらず、「どのようにして、『先進国』として女性の権利推進をグローバルに促進することができるのか?」——結論として、本山氏は、日本の外交政策とジェンダーにとって、女性の権利、経済発展、女安全保障などの領域をより包括的かつ系譜学的に捉える研究が必要であることを強調しました。以上のような重大な問題に関する刺激的なプレゼンテーションのもと、質疑応答では活発な意見交換が行われました。

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発表を行う本山氏