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2020.07.30

第20回AJI 研究最前線セミナー開催

 2020年7月21日に第20回AJIリサーチ・フロントライン・セミナーをオンラインで開催しました。今回は、Dr.Iqra Anugrah (JSPS特別研究員、京都大学 東南アジア地域研究研究所研究員)が、“Peasants and Activists in Contemporary Indonesia: Between Countermovement and Market Accommodation”と題して刺激的な報告を行いました。この発表では、インドネシアの農村地域の農民組織に焦点が当てられ、組織化された農民グループと活動家が市場関係の発展になぜ、そしてどのように対応してきたかについて論じられました。農村地域における政治が現代の統治と民主主義に一定の性質を与えるという点で、このトピックはきわめて今日的に重要なものです。

 Dr.Iqraは、様々な種類の土地改革が市民主導の福祉と階級関係の民主化につながる可能性があると主張しました。また、他方で、特定の状況下では市場の柔軟性が農民にとってより好ましいものになるかもしれないとことも指摘しました。さらに、彼は、イデオロギーが農村の変化への対応を生み出していることも強調し、農村問題は、民主主義、開発、階級関係についての将来の研究や政治的議論に引き続き関係すると主張しました。発表後は、非常に活発な議論が参加者との間で交わされました。同タイトルでDr.Iqraのご著書が出版されるのが待たれます。

20th AJI Research Frontline Seminar
発表を行うDr. Iqra Anugrah