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2020.11.01

第24回AJI研究最前線セミナー開催

 2020年10月26日(火)、第24回AJI研究最前線セミナーがオンラインで開催されました。今回は、Dr. Fitrio Ashardiono(立命館大学政策研究科助教)が「農地から構想する気候変動対応策:インドネシア・スマトラ島の農協の戦略と政策」と題する非常にアクチュアルな問題に関する報告を日本語で行いました。Dr. Fitrioは、気候変動下における京都の宇治茶を含むアジアの茶産業に関する比較研究を行っています。今回の発表では、さらにインドネシアのコーヒー産業に射程を広げて、Dr. Fitrioが提示する「テロワールアプローチ」の有効性を実証的に示しました。「テロワール」とは、主にワイン産業におけるローカルな生産地と生産物の密接な関係を表す言葉ですが、栽培地の気候・土壌・地形などの条件を加味した栽培方法は、とりわけ気候変動の影響を受けやすい茶産業やコーヒー産業においても有効であることをDr. Fitrioは強調しています。今回の発表では、スマトラ島ソロック地域のコーヒー産業を事例として取り上げ、気候変動の影響が懸念されるなかで、その影響の衝撃を和らげることができるテロワール品種生産のモデルが示されました。発表後には、参加者との間で、テロワールアプローチを実践の場で活用し、広げていくために今後必要となる取り組みに関して熱心な意見交換が行われました。

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発表を行うDr. Fitrio