NEWS

2022.09.14

【レポート】第47回AJI研究最前線セミナーを開催しました!木村駿斗氏が母親の育児ストレスと子どもへのかかわり、そして育児セミナー介入効果について発表。

 2022年9月13日(火)、第47回AJI研究最前線セミナーがオンラインで開催されました。今回は木村駿斗氏(立命館大学大学院人間科学研究科博士課程)が「母親の育児ストレスと子どもへのかかわり、子どもの社会能力に関する縦断的研究―育児セミナー介入効果の検討」と題して、興味深い研究発表を行いました。

 本研究は、少子化が進む日本社会で出産・育児のための環境を整備することを目的に、花王株式会社との共同研究で実施されました。

 具体的には、5・12-14ヶ月の第一子をもつ母親とその子どもを対象に、まず母親たちの育児ストレスの要因と子どもへのかかわり方を明らかにしました。次に、母親たちへの育児セミナーを実施し、その後の母親たちのストレスの変化や、子どもたちへのかかわり方を通して、子どもの情緒・社会性への影響を観察しました。その結果、主に母親たちのストレスの抑制という面において、有意な変化が確認できました。今後は、育児セミナーの内容や期間、介入方法などを改善し、母親たちのストレスの軽減とともに、子どもたちの社会性発達を導くことができる育児支援プログラムづくりが課題として最後に挙げられました。

 発表後の質疑応答では、海外の育児支援プログラムの日本国内への翻訳可能性や幼児の性差と母親たちのストレスの相関性、また日本社会における(とくに父親が行う)一般的なしつけの課題点などをめぐり、研究発表の範囲を超えての有意義な議論が行われました。

木村さん47thセミナー写真
発表を行う木村駿斗氏