研究プロジェクト紹介

共生領域

インターアジア現象としての「イスラーム」、そのジェンダー的分析:差異の指標から変化のけん引力へ

プロジェクトリーダー
国際関係学部

鳥山 純子 准教授

061002写真Toriyamapic

プロジェクト紹介

 本プロジェクトは、今日におけるイスラームやイスラーム的な人、モノ、情報(思想や価値などの無形の資源を含む)の広がりに着目し、人々の生活実感に根ざした現象としてイスラームとジェンダーの関係を考察し、従来の「ジェンダーをめぐる地域分断」に代わる新たな視座を提案するものです。

 これまでは、ジェンダーを考える上でイスラームは、欧米的オリエンタリズムに裏打ちされた固定的な差異の指標としてとらえられがちでした。一方本プロジェクトでは、具体的な「インターアジア」現象として、すなわちイスラームを、個人的、状況的、戦略的、恣意的でありながら偶発的な、変化の契機、あるいは装置としてジェンダーを切り口に整理・構築・提示しようとしています。

 イスラームは日常的な身体経験であると同時に、広範に強い影響力を持つメタ言説でもあります。イスラームというと日本でも否定的な言葉を聞くこともありますが、ジェンダー問題を考える上では特に、イスラームを諸悪の根源として排除するのではなく、その肯定的な側面にも目を配り、多文化共生を可能にする鍵として再考していくことが大事です。

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