植田 展大准教授
Nobuhiro Ueda
- 研究分野
 - 地域経済を構成する産業・経営についての歴史的な分析
 - 主な担当科目
 - 日本経済論、経営史
 
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							Q1現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
 - 地域経済を支える産業や経営がいつ、いかに形成されたのか、現代の課題も踏まえ、歴史的な分析視角で研究しています。私が大学院で専攻していた経済史は、経済発展を支えた要因や生じる問題など、経済の歴史に関わる多様な側面を研究する分野です。現在とは状況が異なる過去の経済社会のあり方を対象にするため、経済学の理論をそのまま応用するのではなく、多様な史資料を用いて可能な限り事実を明らかにしながら研究を行ないます。中長期的な視野で物事を捉えることで、潜在化して課題として認識されづらい論点を見つけ出すこともあります。
ここ最近では、新たな技術を導入し、人口減少にも対応しながら日本漁業のなかで存在感を高める定置網漁業について、漁業経営と漁業用の網メーカーの関係性とその変化をみながら研究しています。 - 
							Q2どんな学生時代を送っていましたか。
 - 大学生になって一人暮らしをはじめたこともあり、同じ研究室の仲間やサークルの友人の家によく集まりました。ついつい長居をして、友人の家の近所にある早朝までやっているラーメン屋に通ったのが、今となっては良い思い出です。
大学生になって自由な時間ができたこともあり、長期休みにはよく一人旅もしました。旅先ではじめて入った屋台で地元の人と語らうなかで、それぞれの地域の抱える課題を知りました。今考えれば、そのような経験も研究のヒントになったような気がします。 - 
							Q3現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。
 - 私の場合は、なにか明確な目的があって研究者を志したというよりも、子どもの頃から物事を掘り下げながら探求することが昔から好きであり、その結果、研究者という仕事にたどり着いたように思います。私の専攻する経済史や経営史は、社会の抱える課題への特効薬とはなりにくい研究分野です。しかし、現代のように先行きを見通すことが難しい社会でこそ、多様な視角から物事を捉えていくことが重要なのではないかと考え、研究に取り組んでいます。
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							Q4高校生へメッセージをお願いします。
 - 今の君たちは可能性の塊です。自分で限界を設定せずに、多少遠回りになったとしても興味をもったことにどんどん挑戦してみてください。
 
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