立命館大学 経営学部

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宮田 幸子教授

Sachiko Miyata

研究分野
新興国の社会経済問題や人々の意思決定について、主にフィールド調査や家計調査データを用いた実証研究
主な担当科目
アジアの産業と市場、世界経済論、経営学特殊講義他。
Q1
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
途上国や新興国の日常の社会経済問題について、また人々の生活上の意思決定行動について、主にフィールド調査や家計データを用いて実証研究を行ってきました。以前は米国、北アフリカ、東南アジア等に滞在し、主に国際金融機関でアジア・アフリカを中心とする途上国の貧困状況や国内の所得格差の分析、企業分析などを行ってきました。ここ数年は若年層の教育レベルやスキルと仕事とのミスマッチ、東南アジアのいくつかの国における所得の地域格差の分布状況の分析、インドネシアの各種の貧困指標による比較、などの研究を行っています。最近は行動経済学などにも関心があります。
Q2
どんな学生時代を送っていましたか。
色々な事に興味を持って課外活動に参加していました。普段はスポーツのサークル活動や経済商学系の学生団体の活動、アルバイト、旅行など勉強した記憶があまりありません。ただ学部で留学を希望していたのでその準備を1年生の頃から始めたと思います。海外の学生交流プログラム等に参加し、様々な国の大学生と交流しました。3年生時にはイギリスの大学に留学し、所属していた経済学部にはない国際関係などの科目をとりました。英国のカリキュラムはいわゆる試験でなく、大量の読書課題や小論文課題に追われる日々でした。留学中にヨーロッパ各地を旅し、英国の大学生活やヨーロッパの文化に触れられた事で米国とは異なった視野を新たに得られた気がします。
Q3
現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。
学生時代にアジア等を訪問し、貧困や所得格差の現実を知り、なぜこのような格差が起こっているのかと思った事がきっかけで開発経済や途上国支援に関する分野に興味を持ちました。もともと開発関係の専門家やエコノミスト等、途上国の現場に出るような職に興味がありました。この分野の専門的な仕事には修士以上が必要と知り、大学院に進学し博士号取得後、国際機関の一つである世界銀行やアフリカ開発銀行他でエコノミスト等として勤務しました。途上国支援の裏方で貧困分布の把握や融資決定の後ろ盾となる経済分析などを行い、その傍ら少しずつ研究を続けました。例えば、融資の妥当性を現地調査・分析し、出資国の各国の財務代表や銀行幹部らと分析根拠を議論した事やアラブの春やデモを間近で見た事は貴重な経験となっています。このような職場環境で途上国の課題を目の当たりにし、現場を知る良い機会に恵まれたものの多忙で研究する余裕は減りました。国際的な職場や様々な国での生活は面白い事もありましたが大変な面もあり、日本やアジアの良さを再認識しました。よりじっくりと研究ができ、自由な研究環境の大学に移り今に至っています。
Q4
高校生へメッセージをお願いします。
大学に入る前は私もあまり詳しい学部のイメージがわきませんでした。希望の分野や学部などの方向性が大まかに定まったら、情報を集めるといいと思います。身近な家族や先生などに聞いてもいいと思います。インターネットの口コミなど便利な情報源がありますが、中には偏った見方もある為、鵜呑みにするのではなく自分で大学のホームページや実際にその大学や学部に行った人に聞くなど事実と照らし合わせて確認しましょう。
 時間に余裕がある間に、ぜひ本を読むといいと思います。高校の間に打ち込んだ事は何と聞かれて、答えられるようにしておくのもいいと思います。
 逆説的な言い方かもしれませんが、希望する分野によって大学名や学部はそれほど重要でない事もあります。現在は様々な学部や学科があり、時に迷う事もあるかもしれませんが、入ってから興味分野が見つかる事もあります。今、希望する学部が無かったり、結果的に希望と違う学部に行く事になっても経営学部などの社会科学系の学部では多様な科目がありますので探せばきっと興味のある分野がみつかると思います。自分の気になるコースや留学などのプログラム、ホームページの先輩や先生等のメッセージでピンと来た学部にしてみるのも一つの方法です。

■おすすめの書籍や映画

Banerjee,A.V.& Duflo, E. 2011 Poor economics: A radical rethinking of the way to fight global poverty. Public Affairs. 


■関連リンク

研究者学術情報データベース (ritsumei.ac.jp)

研究論文: https://ideas.repec.org/e/pmi164.html