立命館大学 経営学部

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石井 隆太准教授

Ryuta Ishii

研究分野
企業の流通戦略、流通における組織と組織の関係
主な担当科目
流通論、マーケティング論
Q1
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
専門は、チャネル関係(流通における組織間関係)であり、マーケティング論の一つの分野として位置付けられます。モノが生産されてから我々消費者に流通するまでには、多様な組織が関わっています。例えば、スマホを手にするまでには、単純に考えても、スマホ部品をつくるメーカー、部品を買って組み立てるメーカー、スマホを消費者に販売する携帯電話会社が関わっています。流通は、こうした組織同士の取引関係によって成り立っています。組織同士の関係は、人間同士の関係と同じように、必ずしも上手くいくとは限りません。でも、上手く関係を築けないと、相手組織から不遇な扱いを受けて厳しい取引条件を突き付けられたり、自社商品を買ってもらえなくなったりしてしまいます。それでは、売手組織と買手組織が、良好な関係を築くには、どうすればよいのでしょうか?経済学・心理学・社会学などの知見を応用しながら、この問いに答えようとしています。
Q2
どんな学生時代を送っていましたか。
中学生と高校生の時は、水泳部の活動に夢中でした。大学入学後、学部1・2年生の時は、勉強はそれなりで、アルバイトとサークル活動ばかりの生活でした。それが一転して、学部3・4年生の時には、マーケティングを専門とするゼミに入会し、ゼミ仲間と一緒にビジネスケースに取り組んだり、ディベート大会に挑戦したり、論文執筆を行ったりと、ゼミ活動に打ち込みました。ゼミでの研究・勉強だけではなく、ゼミの宣伝や、入会の勧誘、OBOGとの交流など、ゼミ組織の運営にも夢中で取り組みました。それまでの講義とは異なり、受動的なインプットではなく、能動的なアウトプットが中心だったことに面白さを感じていました。アルバイトやサークル活動から学ぶことも沢山あったわけですが、世の中の社会現象について、同年代の友人と一緒に時間を掛けて考えるということは、大学のゼミでしか出来ない、貴重で贅沢なことだったと、今振り返っても強く感じます。
Q3
現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。
研究者を志したのは、大学3年生の時に入会したゼミがキッカケです。そのゼミは、学内でも厳しいと評判で、研究活動や論文執筆のクオリティに対して、「学生だからいいや」という妥協が許されないゼミでした。今思うと、これは凄いことです。研究のイロハを知らない大学生に対して、研究をマジメに教えるには、大変な労力が要ります。社会科見学やアイディアコンテストでも利用して、研究”風”を教えることの方が、遥かに楽です。でも、学生だからといって手加減せず、熱心に研究指導をしてもらったおかげで、グループ研究・個人研究にやり応えを感じることができました。将来の進路を選ぶ際、民間就職と大いに迷ったのですが、研究に熱中できたこと、集団で研究や勉強を行う大学のゼミという組織が大いに好きだったこと、そして、世の中の複雑な現象をスパッと説明してくれる先生や先輩方に憧れたことが理由で、大学院に進学し、研究者を目指しました。
Q4
高校生へメッセージをお願いします。
数ある学問分野の中でも、マーケティング論は、まだまだ成長余地のある、若くて勢いのある分野です。日本企業の中には、マーケティングを実践に落とし込めていない企業もあり、マーケティングは、ビジネスマンに必要なスキルとして、あるいは、マーケターという職種として、これからますます社会に求められると期待されています。マーケティングに少しでも興味のある高校生には、「経営学部」や「商学部」を受験先として積極的に選択してもらい、そして、大学でマーケティングを専攻して欲しいと思います。さらに、マーケティングは、学問としても、非常に魅力的です。大学に入ってから、学問としてのマーケティングに惹かれて、マーケティング研究者の道を志す学生が増えることを願っています。

■おすすめの書籍や映画

『科学哲学の冒険 ―サイエンスの目的と方法をさぐる』(戸田山和久,2005,NHKブックス)