立命館大学 経営学部

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大島 弥生教授

Yayoi Oshima

研究分野
日本語を母語としない人への日本語教育、アカデミック・ライティング
主な担当科目
総合日本語、アカデミック日本語など(日本語教育センター開講科目)、日本語教授法・教材論(言語教育情報研究科開講科目)
Q1
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
留学生など、日本語を母語としない人への日本語教育の方法を考えることが専門です。特に、文章を書いたり、日本語母語話者と話したりする中で、言語的にどんなプロセスを経てどんな表現を使ってどんな問題に直面しているのかを調べ、それらの問題の解決のためにどんな支援が可能かを考えています。そうするうちに、その中の多くの部分が、日本語を母語とする人が書く力や討論する力をのばすときにも役立つことがわかってきました。そして、母語や文化の異なる人同士が語り合う(「接触場面」と呼びます)中で、お互いが学べることがいろいろあることも見えてきました。OICでも、そういった学び合いの機会をできるだけたくさん創出したいと思っています。
Q2
どんな学生時代を送っていましたか。
実は、なんとなく専門を選んでなんとなく授業に出席していました。でも、「大学生活って、こんなにフワフワしたままでいいのかな」となんとなく不安でした。何か一つ、しっかり形のあるものを身に着けたいと思って、中国語を選びました。当時はインターネットもなく、生の中国の情報はとても少なかったので、旅行に行こうと先輩に相談しました。その先輩がたまたま中国留学経験を持つ人で、「短期の旅行でわかることなんか少ないよ。せっかく留学に応募できるんだから、いっそ留学したら」と言われました。「それもそうだなあ、今しか挑戦できないなあ」ぐらいの気持ちで、1年間の留学に応募したことが、今の職業につながっています。
Q3
現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。
大学学部生時代に中国の地方都市に1年間留学した時、当時は日本人が現地に少なかったので、夜間の日本語クラスで教えることを頼まれました。また、日本にいた時に友人になった留学生からも日本語について質問されました。どちらも、答えられない質問がたくさんあって、「日本人なのに日本語を知らない!なんとなく使っていた!」と気づきました。帰国後、「日本語教育学」という分野の存在を知り、日本語学校の教師、大学院生活を経て、海外の大学、日本の大学・大学院で日本語を教えるようになりました。学部生の時、「これ教えて!」と求められたのに応えられなかった時の情けなさが、現在の仕事につながっています。
Q4
高校生へメッセージをお願いします。
今、たとえ目標が明確ではなくても、OICが提供する様々なチャンスをフルに生かしてください。授業は単なる与えられた課題のクリアではありません。授業をきっかけに、聞き、読み、考え、書き、人に伝える行為の中で、気がつかないうちにあなたの使う言葉とあなた自身とが変わっていきます。自分自身をよく観察すると、自分が変わるときの条件に気づく、ということもあるかもしれません。もちろん授業以外の様々な体験でも同様です。「なんとなく」進学する人にも、たまたま遭遇した出来事がきっかけで、自分が変わらざるをえない機会が訪れます。特に、「当たり前」を共有しない、異なる文化からきた留学生という存在との接点を大事にしてください。他者の言葉を聞き、語りかけ、目の前に出された疑問に応えようとすることで、きっとお互いに成長し合うパートナーとなれると信じています。その機会は大学生活の中にたくさんひそんでいます。

■おすすめの書籍や映画

『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル著


■関連リンク

研究者学術情報データベース (ritsumei.ac.jp)