立命館大学 経営学部

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後藤 智准教授

Satoru Goto

研究分野
経験豊富なデザイナーの創造性を非デザイナーが実践できる方法の開発
主な担当科目
デザイン経営論、デザインマネジメント
Q1
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
経験豊富なデザイナーが持つ独特な創造性を、デザイナーでない人たちが獲得し、企業組織の中で発揮するための方法を開発しています。近年、デザインシンキングという言葉が有名になるにつれ、個人単位で学び、実践する人は多くなってきました。また、社会人向けのデザインスクールも多く存在しています。その一方で、創造性を手に入れた人たちが企業組織の中で100%その力を発揮できているかというと、多くの企業では現状まだまだそのようにはなっていません。なぜなら、デザイナーが持つ創造性は、その他の人が持つ創造性とは大きく異なるがゆえに、そのマネジメントの方法が大きく異なるからです。要するに、デザイナーの創造性を手に入れた個人は増えつつありますが,それをマネジメントする人がいないのです。つまり、今必要なことは「デザインマネジメント」なのです。私は特に製造業のデザインマネジメントに注力し、研究を行っています。
Q2
どんな学生時代を送っていましたか。
私は理工学部卒業で、経営学部の授業を受けたことがありません。修士まで理系でしたが、学生時代は学校に入り浸りの日々を送っていました。一度学校行くと2泊3日が普通というような生活でした。そんな生活をしていましたので、「経営学部の学生はキラキラしてんな」と思いながら、泥臭いながらも充実した学生時代を送っていました。
Q3
現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。
前職で機械設計者としてデザインに携わっていたのですが、その会社ではデザイナーとエンジニアがあまり仲良くなく、デザインが好きだった自分としてはどうも納得いかなかったのです。「デザイナーとエンジニアがうまくいかないのはなぜなんだ?うちの会社だけか?」と気になり始めました。それに加えて、当時リーマンショックで残業も一切禁止というような状況もあり、大学で一度勉強してみようかと思い、学生時代に一般教養として受講していた技術経営の大学院に社会人ドクターとして進学しました。そこで初めて文系の学問を真面目に学ぶことになったのですが、これが本当に面白くて、夢中になってしまいました。「学生時代に「キラキラしてんな」と思っていた経営学部ではこんな面白いことを学んでいたのか!」と感じ、そのままこの道に進みました。
Q4
高校生へメッセージをお願いします。
研究を通してわかってきたことの一つに、経験豊富なデザイナーは自分の内側に強い信念や意志を持っていて、それをクライアントや消費者のニーズに合わせて製品やサービスを創造していることが挙げられます。デザイナーはユーザー中心ではありますが、彼らにとってユーザーが全てではありません。自分自身の信念や意志もとても大切にします。高校生の皆さんも自分自身の信念や意志を大切にしてください。言語化できる人とできない人がいますが、誰もが必ず持っています。「空気を読むな!」的なことを言う人は多いですが、私はそのようなことを言いたくありません。空気は読むべきです。周囲をしっかり観察し、空気を読んだ上で、適切に倫理性を持った上で、自分の信念や意志に沿ってあえて道を外すことが重要なのです。

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