立命館大学 経営学部

メニュー

齋藤 雅通特別任用教授

Masayuki Saito

研究分野
国際マーケティング:世界中の人々が必要とする製品をどのように提供するか
主な担当科目
現代の経営
Q1
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
専門分野は、マーケティング論です。マーケティング論とは、企業や自治体、様々な団体が顧客・消費者や地域住民のニーズを満たして納得してもらい、喜んでもらうために、あるいは問題を解決するために、どのような製品やアイデア・解決策(これらを「プロダクト」と呼びます)を創り上げるのか、またそうしたプロダクトをどのような手段やルートで提供し、必要としている消費者や地域住民に届けるのか、そのためにはどのようなコミュニケーションが必要なのかを明らかにすることです。
私は、このマーケティング論をより深く理解するためには、国家体制・政治制度や生活文化が異なっている世界の様々な国々で実施されているマーケティング活動の比較研究が必要ですし、世界中で経営活動をしている企業・組織のマーケティングの実際の調査研究が必要だと考えています。
Q2
どんな学生時代を送っていましたか。
大学で経済学を深く学ぶためには、教室内の座学だけではなく、身近な経済や社会の問題に関心を持ち、解決に向けて取り組むことが必要だと考えていましたので、大学入学後に大学生協の組織部(学生委員会)に加入して、学生食堂施設を改善するなどの福利厚生活動に取り組み、また、合成洗剤の普及で水質汚染が進んでいた近畿の“命の水ガメ”=琵琶湖の水質を守る運動、京都市民の足であった市電の廃止に反対して存続を求める市民の署名を集めるなど、様々な消費者運動に取り組み、経済学を学ぶうえで刺激を受けて、学修を深めました。3回生に進級してからは、学生学会という学術自治団体の活動を担い、全国インターゼミナール大会に参加して、ゼミナールでの学びの成果を全国各地の大学のゼミと交流して深めることができました。多忙な中でも、上着のポケットには文庫や新書を持ち歩いて、喫茶店やバス待ちの時間なども活用して、経済学の学修を続けました。
Q3
現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。
高校時代は、アメリカのベトナム戦争に反対する世界的な運動の広がりや、公害問題など社会問題が噴出していましたので、経済学の研究を通じて社会を良い方向に変えたいと考え始め、経済学部に入学しました。前述にように、入学後に大学生協の様々な消費者運動に参加する中で、社会の変革だけでなく、新しい事業の創造が必要で、そのためには経済の仕組みの分析だけでなく、新しい選択肢を探求することの必要性を考えるようになり、経済学よりも会計学や経営学に関心が移っていきました。3年のゼミから大学院の途中までは、財務会計資料を駆使する企業分析や経営管理のための会計である管理会計を研究していました。その後、経営計画としての経営戦略の重要性などに関心が移り、内部管理会計と経営外部の顧客や消費者を研究対象とするマーケティング管理との相互関係に関心がさらに移行していく中で、マーケティング論を主な専門分野とするようになりました。
Q4
高校生へメッセージをお願いします。
「人生百年時代」と言われます。皆さんの人生は、先人たちよりもずっと長く働き、嬉しいこと、楽しいこと、辛いこと、悲しいことを体験することになるでしょう。
私自身の学びを振り返ると、前述のように多種様々なことに関心を持ち、挑戦し、現在の職業や専門分野にたどり着きました。社会人の中には、もっと大きな社会的な体験や学問的な遍歴を経験してきている人々がいます。その意味では、大きく進行していく少子高齢化時代の人生で、皆さんは、もっと多くの体験や挑戦をすることになるでしょう。
これからの学びや仕事の選択では、「鳥の目」のような広い視野で世界の変化を見つめながら、「虫の目」のように、その時々に直面する様々な問題に刺激を受け、関心を持ち、いろいろな分野の学問にぜひチャレンジして欲しいと思います。そして時々、少しだけでも良いので、身近な人々や社会に役立つことについても考えて、行動してみて下さい。

■おすすめの書籍や映画

ハンス・ロスリング他著『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』日経BP社,2019年


■関連リンク

研究者学術情報データベース (ritsumei.ac.jp)