立命館大学 経営学部

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佐野 宏樹教授

Hiroki Sano

研究分野
オペレーションズ・マネジメント(地域とサービス/サプライチェーン)
主な担当科目
オペレーションズ・リサーチ、経営のための数学
Q1
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

私の専門は、企業や社会の活動を支える仕組みと意思決定を研究するオペレーションズ・マネジメントです。現在は、地域におけるサービスとサプライチェーンという二つの領域を主に研究しています。

地域とサービスに関する研究では、宿泊施設や人の移動に関するデータを使い、需要の変化や立地、企業間の競争が、サービスの提供や事業の継続にどのような影響を与えるのかを調べています。観光を題材にすることもありますが、特に注目しているのは、需要が変化したときに、地域の中でどの施設が営業を続け、どの施設が撤退するのかといったサービス供給の動きです。

サプライチェーンについては、企業の調達、生産、在庫、取引先との関係などを研究してきました。特に、需要の先行きが読みにくいときや、必要な量をすぐには確保できないときに、企業がどのような判断をするのかを考えています。

研究では、公的統計に加え、宿泊施設の所在地や開業・閉業の時期、人流などのデータを使っています。数理モデルを作ることもあります。数字だけでは分からないこともあるため、制度、企業の行動、地域の事情もあわせて調べます。

ゼミでは、日常生活や企業、地域について、学生が気になったことを研究の入り口にしてほしいと考えています。本人には些細に思える疑問でも、調べてみると面白いテーマになることがあります。テーマが最初から決まっていなくても構いません。何を明らかにしたいのか、どう調べればよいのかを相談しながら整理していきます。

Q2
どんな学生時代を送っていましたか。

学生時代から研究という仕事には興味がありましたが、確固たる意志があったわけではありません。経営学部で学んだことが社会や将来の仕事とどのようにつながるのかを考えながら、自分の進路を模索していました。

進む方向がなかなか定まらず、迷うこともありました。一方で、授業や本を通じて気になったことを自分で調べ、考えることは好きでした。明確な目標に向かって一直線に進んだというより、興味を持ったことを追いかけながら、自分の関心を見つけていった学生時代だったと思います。

Q3
現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。

オペレーションズ・マネジメントを志したきっかけは、学部生のときに、この分野を専門とする先生のゼミに入ったことです。企業や社会で生じている様々な問題を、成功や失敗という結果だけで捉えるのではなく、需要と供給、時間、情報、在庫、人やモノの流れといった観点から整理して考えることに面白さを感じました。

大学の図書館で学術雑誌の論文を読もうとした経験も、研究者を目指すきっかけになりました。当時は内容をほとんど理解できず、悔しく感じました。同時に、いつかこのような論文を理解し、自分でも書けるようになりたいと思いました。

その後は、サプライチェーンや企業間関係に加え、サービスや観光を扱い、地域という視点も取り入れるようになりました。ゼミで専門分野に出会い、学術論文を読もうとした経験が、現在の研究につながっています。

Q4
高校生へメッセージをお願いします。
大学では、現在興味を持っていることに加えて、これまで知らなかった分野にも触れてみてください。授業や本だけでなく、誰かとの会話から、思いがけず興味が広がることもあります。
私が専門とするオペレーションズ・マネジメントは、経営学の一分野です。商品やサービスが生み出され、必要な人に届くまでの活動の流れと、その中で行われる意思決定を考えます。商品が店頭に並ぶまで、注文した荷物が翌日に届くまで、ホテルや交通のサービスが提供されるまでには、多くの人の仕事と判断があります。誰が何を決め、どこで流れが滞り、何を変えればよいのか。
こうした身近な問題を考えられることが、この分野の面白さです。オペレーションズ・マネジメントについてもう少し知りたい方は、身近な例から紹介する「3分でわかるOM」などを掲載している、オペレーションズ・マネジメント&ストラテジー学会の公式note『JOMSA note』もご覧ください。
オペレーションズ・マネジメントでは、数学やデータ分析を使うこともあります。最初から得意である必要はありません。苦手意識があっても、大学で学びながら少しずつ使えるようになってほしいと思います。
データを分析すると、それまで気づかなかった特徴が見えてくることがあります。ただし、数字だけで現実のすべてを理解できるわけではありません。どのように集められたデータなのか、結果が実際の出来事と合っているのかを確かめながら考えてみてください。

■おすすめの書籍や映画

エリヤフ・ゴールドラット、ジェフ・コックス『ザ・ゴール』

工場を舞台にした物語ですが、工場だけに当てはまる話ではありません。それぞれの部分を個別に改善しても、全体がよくなるとは限らないことや、本当に解決すべき問題を見つける難しさが描かれています。オペレーションズ・マネジメントの見方を知る入り口として、おすすめしたい本です。



■関連リンク

研究者学術情報データベース (ritsumei.ac.jp)