立命館大学 経営学部

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山崎 文徳教授

Fuminori Yamazaki

研究分野
現代企業の市場競争と技術革新に関する研究
技術の社会的利用とマネジメントに関する研究
主な担当科目
技術経営論、技術革新論、科学と技術の歴史
Q1
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
経営学部では企業の経営活動を学びます。つまり、企業が商品をどのように生産して販売し、利益を得るのかということです。人は生まれたときから消費者であり、商品に対する好みや売られる方法には日頃から関心をもっています。しかし、商品がどのようにして生み出されているのか、つまりいいモノを安く、安全に、長持ちするようにつくるための手段や方法は、消費者にとってはブラックボックスです。そういった目に見えないところにこそ、企業が利益を得るための秘訣があるのです。
私の研究テーマは、企業が商品の開発や生産をマネジメントして利益を得るプロセスを理解する技術経営(もしくは技術論)という分野です。この分野では、企業が利益を得る方法だけでなく、商品に関連する社会的課題やその解決方法、つまり環境問題や労働問題、戦争のような技術の社会的利用のあり方についても学びます。
Q2
どんな学生時代を送っていましたか。
学生時代は工学部だったのですが、1995年に阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件などが社会的に問題になり、経済学部や法学部、文学部、商学部の先輩や友人と一緒に自主ゼミで学んだりしました。次第に、工学部の勉強よりも政治や経済に興味をもつようになりました。
また、大学では一人暮らしをはじめ、友だちの下宿めぐりをしたり、一緒にご飯を食べていろんな話をするなど、高校までとはまったく異なる生活をしました。極端に言えば、授業が終わった後の放課後の時間帯、さらには深夜0時前後に友人と語り合ったことが大事な経験になったように思います。逆に言うと朝は苦手で、いまの学生のみなさんのようにまじめな大学生活ではなかったかもしれません。1回生の夏休みには、大阪の上本町で黒澤明映画の一挙上映を見に行くなど、文化や芸術に触れたことも楽しかったです。
Q3
現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。
高校生の頃、最初は理学部を志望していました。しかし、受験勉強の傍らで「機動戦士ガンダム」というアニメをテレビで見るうちに、科学や技術がより社会と強く接点をもつ工学部に魅力を感じるようになりました。
しかし、3回生の頃に、工学部を卒業して技術を開発したり生産するエンジニアになる道よりも、工学部卒業という強み(というほど勉強しませんでしたが)を生かしながら、科学や技術をいかに社会的に活用するのかということを考えたい、そういう人がいてもいいのではと思いました。たとえて言えば、「機動戦士ガンダム」は戦争目的のロボットですが、それを橋や道路の建設など生産的に使うような社会にする方法を考えたいと思いました。
そういうことで、経営学の大学院に進んで加藤邦興先生のもとで技術の社会的利用を研究する技術論を専攻しました。
Q4
高校生へメッセージをお願いします。
大学生活で一番重要なことは「学び」と「友人」です。
高校までは学習指導要領があって、教科書があって、ある程度決まった答えがありました。しかし、大学での学びは、答えのないことが普通です。自分なりの答えを出す、もしくは自分なりの価値観や世界観を確立するために学びを深めることを目指してください。学びのツールも、大学の講義だけではなく、課外活動や趣味、文化や芸術などさまざまなです。
また、学びは一人ではできません。本を読むことも、作者との対話であり、一人だけで学ぶことはできません。ゼミやクラブ、サークルの友人と語らうことも学びの重要なツールです。人は鏡を見なければ自分の姿を認識できないのと同じように、他者を介して自分の理解力や長所・短所を理解することができます。
多様に学び、何でも語り合える友人を得るために、ぜひ立命館大学経営学部で大学生活を充実させてください。

■おすすめの書籍や映画

山崎豊子『沈まぬ太陽』 『白い巨塔』、黒澤明『生きる』 『赤ひげ』 (映画)


■関連リンク

研究者学術情報データベース (ritsumei.ac.jp)