立命館大学 経営学部

メニュー

張 惠英准教授

Heayoung Jang

研究分野
社会学、映画、韓国社会文化、日韓関係
主な担当科目
朝鮮語、映画と社会、東アジア現代文化論、韓国社会文化概論、韓国現代社会、アジア文化論、世界の言語と文化
Q1
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
研究テーマは映画と社会です。韓国映画を通して、韓国社会や文化そして歴史を研究しています。「映画は時代を映す鏡」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。韓国映画は、その時々の権力からの統制や圧力とどのように対峙するのかという問題を常に抱えていました。映画を分析することで、その映画が製作公開された当時がどのような時代だったのか、映画を通して国家が観客である国民をどのように管理および統制しようとしていたのかについて明らかにすることができます。現在は、どのような韓国映画が日本では「反日映画」と見なされるのかについて、歴史をテーマとした韓国映画を中心に研究しています。
Q2
どんな学生時代を送っていましたか。
韓国で高校を卒業した後、大学には行かず日本に留学しました。日本語学校に通っていた当初は、「ここでオロシて下さい」とタクシーで言おうとして「ここでコロシて下さい」と言ってしまって運転手さんを困らせたこともありましたが、楽しく言葉と異文化の勉強をしていました。これまで学生として、教員として過ごしてきた立命館大学での時間は、全てが人生初の挑戦でした。不安も恐怖も、諦めかけた瞬間もありましたが、今から振り返れば、それらすべてが大切な経験で、楽しい時間でした。これから立命館大学で学生時代を過ごす人にも、ぜひ同じようにさまざまな経験を在学中に積んで欲しいと願っています。
Q3
現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。
専門分野は社会学です。社会学では、社会にあるものはすべて社会学の研究テーマになり得ます。今でこそ韓国映画やテレビドラマは世界で目覚ましい注目を集めるようになりましたが、私が韓国映画を研究テーマにした時は「なぜ日本で、わざわざ韓国映画を」と言われるほど、世界の映画の中でも知名度の低い存在でした。私は昔から映画は大好きでしたが、大学に入るまで、映画を研究することは考えていませんでした。しかし大学院社会学研究科へと進学してからは「自分が好きなことを研究していいんだ」ということに気づき、自分が生まれ育った韓国の映画を、内と外の両方の視点から研究対象として考えるようになりました。
Q4
高校生へメッセージをお願いします。
ラテン語の「Sin prosa, sin pausa」という言葉があります。「急がず、しかし止まらず」あるいは「急がず休まず」くらいの意味になります。夢に向かって努力していると、諦めたくなる瞬間がときどき誰にでも訪れます。しかし、投げ出してしまうことさえしなければ、ゆっくりでも少しずつ自分の夢に近づくことができるのです。

■おすすめの書籍や映画

書籍:加藤圭木『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』大月書店、2021
映画:チャン・ジュナン『1987、ある戦いの真実』2017