田中 幹大准教授
Mikihiro Tanaka
- 研究分野
- 私の研究では、「人がどのようにして自分の伝えたい内容を言葉にして話すのか」という、一見当たり前に見えるものの、実際には非常に複雑で解明されていない現象を取り扱っています。心理言語学(Psycholinguistics)の視点から、人間が言語を産出するメカニズムを掘り下げ、どのように文を構築し発話に結びつけているのかをより明確に理解することを目指しています。
- 主な担当科目
- CALL, 英語R, 英語L, English Workshop
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Q1現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
- 「人は他人から影響を受けている」と聞くと、どのようなことを思い浮かべますか? アクセントや服装といった日常のさまざまな要素は、無意識のうちに周囲の人々から影響を受けているものです。言葉もその一つであり、私たちは日々のちょっとした出来事を通じて、言語の使い方に変化が生じることがあります。この現象は「プライミング」と呼ばれ、人間の基本的な認知プロセスの一環です。私は、この現象を活用しながら、人がどのように言葉を発するのかを探る研究に取り組んでいます。
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Q2どんな学生時代を送っていましたか。
- 大学に入る前に京都で海外の旅行者に声をかけられた際、一言も英語が出てこなかったことに大きなショックを受け、学部生時代は英語の勉強に明け暮れました。英語が理解できるようになると、更に海外で勉強がしたいと思うようになり、海外の大学院に進みました。ここでは授業についていくために、ひたすら図書館に籠もって勉強の日々でした。決して優秀とは言えない学生でしたが、自分の興味のあることにひたすら没頭することができた学生時代だったと思います。
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Q3現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。
- Q2の続きになりますが、第二言語としてことばを学ぶ際に「なぜこれほどまでに言葉の習得は難しいのか」「どうやって勉強すればいいのか」と考え、その疑問を解明したいと思い、研究を進めてきました。それから、ことばという複雑な‘システム’に強く興味を持ち、現在の心理言語学の分野に飛び込むことになりました。飽きっぽい私が、20年以上も同じテーマを研究していることに驚いていますが、それだけ自分が本当にやりたかったことだったのだと、今改めて感じています。
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Q4高校生へメッセージをお願いします。
現代は、過去と比べものにならないほど便利な世の中になりましたが、その反面、情報があふれすぎて、失敗を恐れる学生をよく目にします。答えがないものに向かって進むことは大きな勇気が必要ですが、その未知の世界に飛び込むことで、日々新しい出会いがあり、思いもよらなかった場所にたどり着き、新たな自分と出会うチャンスが生まれます。「恥をかいっていいじゃないか。ズカズカ踏み込んでいこう」という気持ちを持ち、ぜひ未来へ向かって前進してほしいと思います。
■おすすめの書籍や映画
Movie: All movies by Alfred Hitchcock, Akira Kurosawa, Topsy Turvy
Book: The Education of Little Tree