中山 郁英准教授
Ikuei Nakayama
- 研究分野
- 行政という組織がどのようにデザインを実践できるのか研究しています。
- 主な担当科目
- デザイン経営論
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Q1現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
「デザイン」と聞くと、チラシなどのグラフィックや家具のようなプロダクトをイメージすると思います。しかし近年では、デザインが対象とするものを目に見えないサービスやシステムにも広げて考えようとする動きが顕著です(一度、グッドデザイン賞の受賞ギャラリーを見てみてください)。そこでは、国や地方自治体といった行政機関が検討・実施している政策もデザインの対象となります。制約の多い行政という組織において、どうすればデザインの力を活かせるのか。そのようなことをテーマに研究しています。
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Q2どんな学生時代を送っていましたか。
「なぜ世の中から争いは無くならないのだろう」という素朴な疑問から、大学入学時は漠然と国際公務員に憧れていました。国際協力に興味があり、ゼミも関連したものに参加していましたが、自分よりもずっと意識が高く真剣に取り組んでいる人々がいることに衝撃を受け、また何か専門分野持つことの大切さを知りました。そんな中で、たまたま履修した授業をきっかけに、パブリックリレーションズやマーケティングに興味を持ち、それらを中心に学ぶようになりました。また、1年間の交換留学も経験し、その中で得た学びや気づきは、今のキャリアにも大きく影響していると思います。
と、このように書くと、さも真面目な学生だったように思われるかもしれませんが、サークルや授業で出会った友人たちともたくさん遊びました。もっと勉強しておけば…という後悔の念がないわけではありませんが、あの時間も大切なものだったなと思います。
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Q3現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。
研究者になったのは「自分なりの何かオリジナルなもの」を追い求めた結果かなと思っています。誰もやっていないことをやってみたいという気持ちがあり、その一つの形として研究ということにつながったのだと思います。
デザインという分野に興味を持ったきっかけは2つあります。1つ目は大学生のときの授業です。先進的なデザインマネジメントに関する授業を偶然受講し、それをとても面白く感じ記憶に残っていたこと。そして、2つ目が雑貨屋に行ったとき、ふと「みんな楽しそうだなぁ」と思ったことです。機能としてはほぼ同じはずなのに、何がこの違いを生むのだろう。デザインを学べばその理由がわかるのかもしれない。そう思い、本屋のデザイン書コーナーで偶然手に取ったのが『誰のためのデザイン』でした。
そのようなデザインに関する興味関心と、公共的なものへの興味関心が掛け合わさり、「行政×デザイン」という分野を専門とするようになりました。
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Q4高校生へメッセージをお願いします。
学生時代に先輩から聞いた、「大学は、自分から掴みにいくところだ」という言葉を今でも覚えています。
自分から手を伸ばせば、チャンスはいくらでもある。
ぜひ、楽しく真剣に、いろんなチャレンジをしてほしいと思います。
■おすすめの書籍や映画
D. A. ノーマン 著・岡本明 他 訳『誰のためのデザイン? 増補・改訂版』(新曜社)
トム・ケリー, デイヴィッド・ケリー 著・千葉敏生 訳『クリエイティブ・マインドセット』(日経BP社)