劉慶紅教授の著書『利他と責任～稲盛和夫経営倫理思想研究』（2020年3月出 版、千倉書房）が、令和3年6月19日に、日本経営倫理学会賞『水谷雅一賞』を受賞しました。

『利他と責任～稲盛和夫経営倫理思想研究』は、京セラや第二電電（現KDDI）な どの創業者・稲盛和夫氏の経営倫理思想を中心に、企業のあり方について論じたものです。劉慶紅教授は、経済・経営・倫理について領域をつなぐ学際的なアプローチにより国際人事に関する基礎研究を行っています。

これらの研究成果を踏まえ、「労働倫理」が包含する抽象度の高い概念と、企業活動における実務 的導入とをつなぐ架橋とすべく、定量的な観点を導入し研究を深化させたのが本書『利他と責任―稲盛和夫経営倫理思想研究』です。

本書では、学際的な視座に基づき稲盛氏の経営倫理思想体系を整理し、労働倫理と企業人事の接点を明らかにしています。抽象度の高い「労働倫理」という概念そのものから、具体的な企業活動における実践フェーズに至る川上から川下までを、国際人事の研究展開を図るために、異分野間接合を試みた例はなく、学問領域の垣根を超えた研究の深化を図っています。