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リサーチ・トリップ合同報告会を開催しました
公務研究科では、例年、地域の「現場」を訪問し、そこで起きている問題や対応の仕方などについて、地域で活躍する様々なアクターにヒアリング調査(リサーチ・トリップ)を実施してきました。前記事で詳しく紹介されているように、今年度は京都府福知山市にて水災害の現場を訪れ、危機管理室のご担当者へのヒアリング、質疑応答などを通じて多くの知見を得ることができました。
今回は、リサーチ・トリップに参加した院生が得たもの、考えたことを公務研究科全体で共有するため、2018年10月4日(木)、303教室にてリサーチ・トリップ合同報告会を行いました。まず、福知山市を訪れた院生から、市の防災行政に関連して、避難を呼びかけるタイミングやハード/ソフト面の災害対策、計画的な防災の困難さなど、特に印象に残った点について報告があり、調査に同行できなかった院生や教員を中心に活発な質疑応答が行われました。
続いて、特別企画「災後の公務/災後の政治」と題して、災害や防災に関する研究を行っている3名の先生方より、それぞれ報告がありました。今回のリサーチ・トリップに先立ち、院生は事前勉強や質問票の作成などを通じて真摯に準備を進めてきましたが、一度のヒアリング調査がそのまま研究になるわけではありません。先生方のご報告からは、福知山市の災害対応についてより詳しく知ることができただけではなく、災害・防災に関する研究がどのように行われているのか、調査研究とはどのような研究なのかについて、大いに示唆が得られたことでしょう。
また、今回の調査では「災害と地方議会/議員」(久保田崇先生ご報告)についてなど、ヒアリングできなかった論点もありました。ヒアリングを経て新たに生じた疑問もあるでしょう。そこで、合同報告会の終盤では、追加調査を行うならば誰に、何を尋ねたいかについて院生各自が考えた上で、3つのグループに分かれて話し合いました。危機管理室の職員や自治会長に改めて質問したいことや、様々な地域の住民、首長、あるいは京都府に訊きたいことなど、様々な観点から多くの意見が出されました。
このアクティビティを通じて、広域自治体の災害・防災への関与について、また今回ヒアリングできなかったアクターへの追加調査の必要性などを院生自身が感じられたことは、リサーチ・トリップや合同報告会が院生の気づきや成長に結びついていることを示しています。水口憲人先生は、更なる追加調査の可能性に言及しつつ、リサーチ・トリップが「人とシステムの関係」を考える訓練の場として大いに機能してきたことを指摘されました。背景にある構造的な要素にも目を配りながら、院生の皆さんが、これからリサーチ・ペーパーや修士論文の執筆に励まれることを期待しています。
今回は、リサーチ・トリップに参加した院生が得たもの、考えたことを公務研究科全体で共有するため、2018年10月4日(木)、303教室にてリサーチ・トリップ合同報告会を行いました。まず、福知山市を訪れた院生から、市の防災行政に関連して、避難を呼びかけるタイミングやハード/ソフト面の災害対策、計画的な防災の困難さなど、特に印象に残った点について報告があり、調査に同行できなかった院生や教員を中心に活発な質疑応答が行われました。
続いて、特別企画「災後の公務/災後の政治」と題して、災害や防災に関する研究を行っている3名の先生方より、それぞれ報告がありました。今回のリサーチ・トリップに先立ち、院生は事前勉強や質問票の作成などを通じて真摯に準備を進めてきましたが、一度のヒアリング調査がそのまま研究になるわけではありません。先生方のご報告からは、福知山市の災害対応についてより詳しく知ることができただけではなく、災害・防災に関する研究がどのように行われているのか、調査研究とはどのような研究なのかについて、大いに示唆が得られたことでしょう。
また、今回の調査では「災害と地方議会/議員」(久保田崇先生ご報告)についてなど、ヒアリングできなかった論点もありました。ヒアリングを経て新たに生じた疑問もあるでしょう。そこで、合同報告会の終盤では、追加調査を行うならば誰に、何を尋ねたいかについて院生各自が考えた上で、3つのグループに分かれて話し合いました。危機管理室の職員や自治会長に改めて質問したいことや、様々な地域の住民、首長、あるいは京都府に訊きたいことなど、様々な観点から多くの意見が出されました。
このアクティビティを通じて、広域自治体の災害・防災への関与について、また今回ヒアリングできなかったアクターへの追加調査の必要性などを院生自身が感じられたことは、リサーチ・トリップや合同報告会が院生の気づきや成長に結びついていることを示しています。水口憲人先生は、更なる追加調査の可能性に言及しつつ、リサーチ・トリップが「人とシステムの関係」を考える訓練の場として大いに機能してきたことを指摘されました。背景にある構造的な要素にも目を配りながら、院生の皆さんが、これからリサーチ・ペーパーや修士論文の執筆に励まれることを期待しています。