国際関係学部とアメリカ、両方のフィールドを2年ずつ体験できるJDPでの学びと暮らしは、自分の関心や挑戦したいことを自由に広げていける貴重な時間でした。

小暮 百音 さん
アメリカン大学・立命館大学国際連携学科 4回生

アメリカン大学・立命館大学国際連携学科(ジョイント・ディグリー・プログラム:JDP)のRU Home第5期生の小暮さん。アメリカから帰国し、立命館での4回生最後の学期を控えた今、アメリカン大学での2年間を振り返っていただきました。

アメリカン大学・立命館大学国際連携学科(JDP)を志望した理由を教えてください。

小暮高校時代に受けた英語でのディベート授業を通して「英語を学ぶ」から「英語を使って学ぶ」への意識が芽生え、たまたまインターネットで見つけた「国際関係学」という言葉に惹かれました。その時は、どんなことを学ぶ学問なのかもよくわからず、ましてや、世界の動きが交差するアメリカの首都ワシントンDCに2年間生活することなんて想像もできていませんでしたが、大きな不安と同時に、計り知れない魅力に満ちたプログラムであると感じ、「何もわからない。だからこそ、JDPに挑戦してみたい」と強く思ったことから志願しました。

アメリカン大学での学修はいかがでしたか?

小暮アメリカの大学では、オフィスアワー(各教員が設定する、授業外で教員と学生が直接話せる時間帯)を通じた教授との交流が、立命館に比べて圧倒的に頻繁に行われており、私もすぐにその習慣に慣れていきました。最初のうちは、「オフィスアワーをどう使えばいいのか分からない」という不安から避けがちでしたが、それが教授に自分を知ってもらう絶好の機会であることに気づきました。

特にアメリカン大学では、成績に対する期待値がオープンに共有されるため、オフィスアワーを通して教授と自分の到達度をすり合わせたり、学習方法の改善点を相談したりすることが日常的でした。自分の興味関心と授業内容をどう繋げていくかなども対話の中で深めることができ、教授という存在をとても身近に感じるようになりました。

また、学部の枠を超えて授業を履修できる制度のなかで、教授との会話がきっかけで思いもしなかった分野の授業を勧められることもありました。何か学びの中でモヤモヤした時には、「とりあえずオフィスアワーに行って教授に相談してみよう」と自然に思えるようなりました。

2年間のアメリカでの生活で授業以外ではどのようなことに取り組まれましたか?

小暮アメリカン大学のアルティメットフリスビークラブ「Dirty Ladies」に参加しました。

初めて練習に行った日のことは、今でもはっきり覚えています。二年間のアメリカ生活の中で、間違いなく一番緊張した瞬間のひとつであり、同時に、「あのとき思いきって飛び込んでよかった」と心から思える出来事です。

ワシントンDCに来てまだ一週間ほど。ルールも競技のこともまったく知らない状態で、英語での会話も、練習の流れも、全てに圧倒されるような感覚でした。全神経を使っていたような感覚は、今でも身体が覚えています。その一方で、この経験は自分の中で大きな変化をもたらしてくれた、まさに「一皮むけた」瞬間でした。

小暮初夏にはワシントンDCにあるクラブチームのトライアウトにも挑戦して、夏の間は大学外のクラブチームにも所属。キャンパスの外でも交流が広がっていく感覚があり、自分の世界がまたひとつ広がった気がしました。男女ミックスのチームが公式に存在するという意味でも、アルティメットの文化はとてもユニークで、ジェンダー、人種、年齢、経歴に関係なく、それぞれの個性が尊重されていて、多様性に満ちた空間がそこにはありました。

アルティメットフリスビーを通して培った社交性、不安を乗り越える挑戦力、そして精神的なタフさ。すべてを全力で経験し、夢中で取り組んだこの時間は、アメリカでの生活の中で最も印象深く、今の自分を誇れる大きな要素の一つとなっています。

卒業後の進路についてどのように考えていますか?

小暮将来的には、シンクタンクやNGOなどで、日米安全保障に関するリサーチに携われたらと思っています。

一方で、EQDerivativesという会社のインターンシップに参加し、多国間の銀行・企業・投資家の橋渡しに関わった経験は、JDPで学んできた国際情勢や国際関係の知識が、目に見えるかたちで活用された初めての機会でした。この経験を通して、JDPで学んだ知識や経験を使って、何かと何かをつなぐ仕事がしたいという思いがより明確になってきています。

JDPを志望する受験生に対してメッセージをお願いします。

小暮来る者は拒まず、心配せずにまずは飛び込んでみてください。

国際関係学部、そしてアメリカというフィールドは、個々の興味の違いや個性がはっきりと感じられる環境です。その両方を2年ずつ体験できるJDPでの学びと暮らしは、自分の関心や挑戦を自由に広げていける貴重な時間でした。だからこそ、自分に制限をかけず、“とりあえず”何でもやってみてほしいと思います。

JDPに応募すること、4年間の大学生活のうち2年間をアメリカで過ごすこと、国際関係を通して感じた世の中の複雑さ、出会う人との小さな会話や相互理解、名前も知らなかったスポーツクラブへの参加、そのすべてが、私の世界を豊かに広げてくれました。

今もし高校受験時代に戻ったとしても、私はもう一度JDPに応募して、そこで出会える“spontaneous”な瞬間を、きっとまた心から気に入ると思います。

2025年8月更新

MORE INTERVIEWS