「実際に世界を変えられる人になりたい」という夢を実現するため「タイ・バンコク国際機関研修」に参加。現場を訪問し直接お話することで国連職員を目指す上で必要なこと学ぶことができました。
森本 真彩 さん
国際関係学専攻 1回生
学部独自の海外プログラム「タイ・バンコク国際機関研修」に参加された国際関係学専攻の森本さんに現地での学びや印象に残ったことについてお話を伺いました。
国際関係学部を志望した理由を教えてください。
森本高校2年生で先生に勧められて、初めて模擬国連に参加し、与えられた問題に対して調査したり、他校の生徒と議論をしたりするなかで、世界の抱える社会課題の量、複雑さに驚いたのと同時に国際問題に興味を持つようになり、国際関係学部を進路の1つとして考えるようになりました。
その後、ある模擬国連の開会式で「君たちがいくらここで話し合っても社会を変えることは出来ない」と言われたことが強く心に残り、将来、実際に世界を変えられる1人になりたいと思い始めたことで、最終的に国際関係学部を志望しました。
入学してみて学部のイメージは変わりましたか?
森本勉強内容に関しては思っていたよりも幅広い分野を学べるという印象を受けました。まだ1年生なのでそこまで多くの授業を受けたわけではありませんが、例えば、英語の授業では、様々な再生可能エネルギーについてのプレゼンテーションをしたり、国際関係学という必修科目では、国際政治、国際法、国際経済、国際文化の4つの側面から国際関係を学ぶなど、一言で「国際関係学」と言ってもいろんな側面があるということを日々実感しており、今まであまり知らなかった側面も学べるのでとても面白いです。
また、グローバルスタディーズ専攻の英語で開講される授業を受けることもできるので、本当に多様な分野の科目を受けることができます。

学部ではどのようなことに関心を持たれて学ばれていますか?
森本現在特に興味を持っていることは国際社会の仕組みについてです。学部に入学して学ぶまでは、国際問題に興味を持ちどのように解決できるのかを考えたいと思っていました。しかし、学ぶ中で、国際問題の裏にある社会構造に着目しこの社会の仕組みを理解する必要があると感じたため、国際政治や国際関係論に興味があります。国際社会の仕組みを理解した上で、開発や国際協力について学びたいと思っています。
授業以外では大学生活ではどのような活動をされていますか?
森本高校生の時に代表を務めていた学生団体が今年の夏に大阪・関西万博でワークショップを行うことになった際にお手伝いをしたり、パビリオンでのプレゼンテーションにも参加しました。また、友達の学生団体主催のイベントで高校生のメンターもしています。
秋学期からは、英語力向上のためにLanguage Exchange Programに申し込み、パートナーに英語を教えてもらいながら私は日本語をパートナーに教える活動をしています。
「タイ・バンコク国際機関研修」に応募された理由を教えてください。
森本この学部を志望した理由の一つは、「実際に世界を変えられる一人になりたい」という夢を実現するためです。その夢の実現手段として、私は国連職員を目指すようになりました。しかし、国連職員という職業は私にとって身近なものではなく、仕事環境や雰囲気など、調べただけでは分からないことが多くあります。実際に目指すには不明瞭な点が多かったため、まずは国連機関、そこで働く人について深く知りたいと考えました。
このプログラムでは、実際に国連機関を訪問し、国連職員の方々と直接お話しする機会があるため、日々の仕事はどんなものなのか、どのような経緯で国連職員になったのかを現地で直接聞くことができます。そうした経験を通じて、国連職員という存在を遠いものから、自分が働く姿を具体的に想像できるほど身近に感じられるようになる機会になるのではと感じたからです。

研修を通して学んだことや印象的だったことをお聞かせください。
森本とても学びの多い1週間でしたが、特に印象に残っていることは2つあります。
1つ目は、ESCAP (Economic and Social Commission for Asia and the Pacific)への訪問です。ESCAPとは、5つある国連経済社会理事会の地域委員会の1つであり、アジア太平洋地域という世界の陸地の約40%、世界人口の約60%を占める大きな影響力を持つ地域において持続可能な発展を促進する機関です。
ESCAPのプレゼンテーションでは、”We all have to work together. Partnership comes first when we make actions.”という言葉が印象に残っています。パートナーシップの重要性については、ESCAPのプレゼンテーションだけではなく他の機関やMicrosoftでのお話でも強調されていました。特に、SDGsの達成期限が5年後の2030年に迫ってきていますが、その中でSDGsは国連機関や政府だけが取り組むものではなく”Localizing the SDGs”と、小さなコミュニティ規模で、1人1人が取組んでいかなければならないとお話しされていました。
また、国連には様々な専門機関がありますが、それらは別々の問題に取り組んでいるのではなく同じ問題に対してそれぞれの視点から取り組んでいて、決して1つの機関が1つの問題に取り組むのではなく、協力し合って包括的に課題を解決していると教えて頂きました。お昼ご飯時には、実際にESCAPの職員の方とお話をし、自分のキャリアについて相談させていただき、とても貴重な時間となりました。

森本2つ目は、UNICEF(United Nations Children’s Fund)で3人の日本人の方からキャリアについてのお話を聞けたことです。UNICEF以外に訪問した機関でも、どのように国連の職員になったのかというお話は聞かせていただきましたが、UNICEFでは日本人の方から(1人は立命館大学の国際関係学部の卒業生から)お話を聞くことが出来たので、国連職員のキャリアを身近に感じるための大きな助けになりました。
今回多くの国連職員の方からキャリアについてお話を聞かせていただきましたが、国連ではどの機関で働くにも専門的な知識や経験が必要とされているため、民間企業やNGO、国家など様々な主体で働かれた経験を持つ方が多い印象を受けましたし、国連の職員になるには、インターンシップやボランティア、Young Professional Program(YPP), Junior Professional Officer(JPO)など様々な方法があるということを教えて頂きました。
森本また、プレゼンテーションの後には、キャリアとプライベートの両立や実際には何度も落ちたことなど、インターネットでは知ることが出来ない個人のお話を聞くことができ、”Don’t give up. It’s timing”との言葉をいただきました。
国連の職員になるには「専門分野」を持つことが重要と教えて頂いたのでこのことを意識して今後の大学生活を送りたいと思います。
プログラム外では、訪問したチュラロンコン大学の生徒が夜にチャイナタウンに連れて行ってくれ、一緒に夜ごはんや屋台デザートを食べたことが大切な思い出です。

研修で経験したことは今後のご自身の今後にどのようにつながるとお考えですか。
森本実際に国連機関を訪問し、働く方に実際にお会いできたことにより、この研修に参加した目的でもあった、国連機関やそこで働く人について深く知ることができたと思います。国連職員への憧れが強くなる一方で、職員になること、職員として働き続けることの難しさも同時に感じました。
国連の職員になる前に、専門分野を作ることや様々なキャリアを身に付ける必要があることを1回生という早い時期に知ることができたため、これを機に自分の将来のキャリアについて改めて深く考え、コース選択や学外活動に活かし、「世界を変える1人になる」という夢に向かって自分にできる最大限の努力を重ねていきたいと思います。
また、このプログラムは全て英語で行われたため、日本語基準の国際関係学専攻で学ぶ私にとっては大きな挑戦でした。1週間(事前準備を合わせると2ヶ月以上)、GS専攻やJDPに所属する多国籍のメンバーと共に活動し、将来の夢について英語で語り合えたことは、今後の自分への自信につながると思います。
将来の目標を聞かせてください。
森本将来の目標は「世界を変える1人になること」です。その実現手段についてはまだ確定ではありませんが、国連職員を視野に入れて、研究やキャリアを積んでいきたいと思います。
また、今回の研修を通じて、英語で発言することにはまだ苦手意識があることを再認識したので、当面の間は英語力をより一層高めることに注力したいと思います。
国際関係学部を志望する受験生に対してメッセージをお願いします。
森本私は国際関係学部の学びを通じて、勉強の楽しさを改めて実感しています。自分の興味に合わせて自分で授業を取るので、どの授業も楽しく学びが多いです。また、国際情勢は日々変化するため毎日の学びが実社会に繋がっている感覚を得られると思います。高校とはまた違った学びの楽しさが待っています。皆さんと一緒に勉強できることを楽しみにしています。
また、高校の友達は大学生になっても支え合える大切な存在になるので、高校生活も最後まで楽しんでください!

2025年10月更新
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